産後、人によっては急に白髪が目立ってくる場合があります。産後の白髪には、加齢以外の原因が関係しているかもしれません。老化による白髪でない場合、原因を踏まえてケアすることで症状は改善するでしょう。
そこで今回は、どんな種類の白髪であれば元に戻るのか、また産後に白髪が増える原因と効果的な対策なども合わせてご紹介します。
産後の白髪は元に戻るの?
産後に白髪が増えても、老化が原因でなければ元に戻る可能性は十分あります。
白髪のメカニズム
毛髪を染める成分は、メラニン色素です。この成分は毛根にある色素形成細胞「メラノサイト」で生成され、毛髪へと送り込まれます。メラニン色素がたくさん供給されていれば髪は黒くなりますが、メラニン色素を失った髪は白髪になると考えられています。
白髪の種類
白髪の種類は、大きく分けて「老化によるもの」と「一時的なもの」の2タイプです。
老化は年齢を重ねれば避けて通れない現象のため、前者は元に戻すのは難しくなります。これに対し一時的なものは、原因を取り除くなど適切に対処すれば回復に向かうケースも少なくありません。きちんとケアすれば、白髪以外のトラブル防止にもつながります。
産後の白髪
産後の白髪は、年齢にもよりますが一時的なものだけとは限りません。30代~40代であれば、老化による白髪が含まれているケースもあります。しかし、一過性の白髪の場合は元に戻る可能性が高いため、諦める必要はありません。
産後に白髪が増える原因は?
産後に白髪が一時的に増える主な原因は、「ホルモンバランスの乱れ」「栄養不足」「ストレス」の3つです。
ホルモンバランスの乱れ
妊娠・出産を通して、女性ホルモンの変化が髪の成長に及ぼす影響は決して小さくありません。特に「エストロゲン」のホルモンバランスが崩れると、メラノサイトの活動が弱まります。つまり、ホルモンバランスが崩れることでメラニン色素の生成・供給量が減少するため、白髪も増えてしまうというわけです。
授乳による栄養不足
産後は母親の体力回復だけでなく、赤ちゃんへの授乳で多くの栄養が消費されます。母親は栄養が満たされている状態が望ましいのですが、赤ちゃんのお世話に専念していると自分の食事を怠ってしまうこともあるでしょう。その結果、栄養不足による白髪の急増を招いてしまうのです。
産後ストレス、睡眠不足
産後は、慣れない育児のためストレスを感じることも少なくありません。特に母親を悩ませる事態の1つが、赤ちゃんの夜泣きです。赤ちゃんが泣いていたら、当然夜中でも放っておくわけにはいきません。睡眠不足が続きストレスが蓄積すると、メラノサイトが傷つき白髪の増加につながります。
産後白髪の対策
産後の白髪が気になったときの対策としては、バランスの取れた食事と質の良い睡眠が挙げられます。
食事のポイント
産後は、それまで以上にエネルギーを消費します。それでも普段よりバランスに配慮した食事のメニューを心がけると、栄養不足になるリスクを減らせます。特に豆乳や海藻サラダは髪の毛に良い「タンパク質」や「ビタミンB群」を多く含んでいる、おすすめの食材です。
睡眠のポイント
良質な睡眠が続くと、ホルモン分泌が促進され、ストレス解消に効果があります。夜泣きのために夜間の睡眠が途切れがちになっている場合は、昼間、赤ちゃんと一緒にお昼寝すると良いでしょう。
その他の注意点
髪への影響を考えた場合、紫外線対策も白髪の防止につながります。最近の研究によれば紫外線はメラノサイトを傷つけると分かっているため、外出時には日傘や帽子を活用することをおすすめします。
なお白髪染めは、授乳による赤ちゃんへの影響を考えると授乳期間中の使用は避けたほうが賢明です。
おわりに
産後は、年齢に関係なくホルモンバランスの乱れや栄養不足により白髪が増えることがあります。老化現象でなく一時的なトラブルであれば、髪の色が元に戻るケースは少なくありません。その際、白髪の原因に応じて対策すれば大きな効果を見込めます。産後に急増した白髪はあまり気にせず、母親自身の食事や睡眠にも配慮しながら少しでもストレスを軽くして子育てに励んでください。