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頭皮にべたつきを感じる状況が続いたら、もしかしたら皮脂が過剰に分泌されている状態かもしれません。生活習慣を見直して、髪の毛のべたつきにつながる要因がないかどうか、改めて確認してみましょう。
今回は、頭皮の皮脂分泌と「脂漏性皮膚炎」の原因と症状についてご紹介します。
今回は、頭皮の皮脂分泌と「脂漏性皮膚炎」の原因と症状についてご紹介します。
脂漏(しろう)性皮膚炎とは
頭皮にべたつきがあり、フケが生じ、かゆみや赤みが見られるときは、脂漏性皮膚炎が引き起こされているかもしれません。脂漏性皮膚炎とは、頭皮をはじめとした皮脂が多く分泌されやすい部位で起こる皮膚炎で、「マラセチア」と呼ばれるカビの一種が主な原因だといわれています。
軽度の場合は乾燥や少量のフケに悩まされる程度ですが、重度になってくると頭皮全体にフケがたまり、皮が硬化することが症状の特徴です。
脂漏性皮膚炎が疑われるときは、皮膚科の医療機関で医師の診察を受けるとともに、治療を進めてください。脂漏性皮膚炎は治療が可能ですが、症状を放置してしまうと、慢性化してしまうことがあります。治療を受けるとともに、頭皮を清潔な状態に保ち、少しずつ症状を改善していきましょう。
皮脂分泌が多くなりべたつく原因
頭皮の皮脂が多く分泌されてしまう原因には、どんなものがあるのでしょうか?考えられるものを6つご紹介します。(1)生活習慣
寝る時間が遅かったり、食事の時間が一定でなかったりと、普段から不規則な生活を続けている方は、皮脂の分泌が多くなってしまっているかもしれません。また、アルコールの摂り過ぎにも注意しておきましょう。(2)肉の食べ過ぎ
肉に含まれる油分を過剰に摂取すると、摂りすぎた油分が中性脂肪となって、頭皮のべたつきにつながります。ただし、肉には動物性タンパク質をはじめとした栄養素も含まれているため、バランス良く食生活に取り入れることはおすすめです。(3)頭皮の汚れ
適切なシャンプーの習慣がないために、頭皮に皮脂汚れがたまってしまうことがあります。特に、1日の汚れを落とさないままで眠ってしまうと、頭皮環境を悪化させる原因にもなります。毎晩シャンプーをして、頭皮を常に清潔に保ちましょう。(4)運動不足
運動不足は、頭皮の血行不良を招きます。体中の血管で血の巡りが悪くなると、頭皮に栄養が行き渡りにくくなってしまうのです。このように肌の新陳代謝が阻害されると、頭皮に古い皮脂がたまりやすくなり、べたつきが引き起こされます。(5)年齢
加齢によって代謝が悪くなると、体の中に脂肪分がたまりやすくなります。それにもかかわらず、若い頃と同じように脂肪分を摂取していると、皮脂の過剰分泌につながることがあります。(6)シャンプー
洗浄力の強いシャンプーを使うと、かえって皮脂が分泌されてしまうことがあります。シャンプーが頭皮に必要な分の皮脂まで洗い流してしまうため、肌がさらに皮脂を分泌してしまうのです。頭皮の皮脂分泌を正常に戻すためには
頭皮の皮脂が過剰に分泌されてしまっているときには、正常な頭皮環境を取り戻すために、次の方法をお試しください。正しい洗髪をする
まず、シャンプーで頭皮の汚れを落とす前に、38度前後のぬるま湯で予洗いをして、やさしくていねいに汚れを落としましょう。お湯の温度が高すぎて、皮脂を落としすぎてしまわないよう、ご注意ください。運動習慣を身につける
さらに、軽いウォーキングやヨガなどの有酸素運動を取り入れて、適度な運動の習慣を身につけましょう。血流が改善されるのに加えて、体を動かすことがストレス解消につながり、皮脂が過剰に分泌されるのを防いでくれます。規則的な生活を送る
また、毎日の睡眠時間はしっかりと確保してください。規則正しい生活を続けて、皮脂の分泌を少しずつ正常な状態へと戻していきましょう。おわりに
脂漏性皮膚炎を放置しておくと、頭皮だけではなく顔や首、胸や背中などにも剥がれた皮膚がこびりつくなどの症状が現れます。少しでも症状に疑いがあれば専門家の診断を受けましょう。
すぐにできる対策としては、毎日のシャンプーの前にぬるま湯で汚れを落としてから洗う、運動して全身の血行改善とストレス解消を促す、などがおすすめです。また、十分な睡眠時間を確保して生活習慣を整え、清潔で良好な頭皮環境を保ってください。