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皮脂が薄毛や脱毛の原因となると誤解している方が多いようです。皮脂が毛穴に詰まると、ほこりや細菌が付着して毛穴を塞いだり、感染して炎症を起こして脂漏性皮膚炎となり、薄毛や脱毛になるという説が流布しているからです。 しかし、これは間違いです。髪の表面のキューティクルを紫外線や外部刺激から守るために、毛根の一つ一つに皮脂腺があり、皮脂を分泌しています。つまり、皮脂は髪や頭皮を守るために欠かせないものです。髪は少しずつ伸びるので、毛穴に付着した皮脂や汚れは自然と外に押し出されます。ですから、皮脂が多くても気にする必要はありません。皮脂は脱毛の原因ではないのです。 最近は皮脂を目の敵にして髪を洗い過ぎる方がいますが、皮脂が不足すると髪が傷みやすくなり、不足している皮脂を補うために皮脂腺が発達し、ますます大量の皮脂を分泌するようになりいます。その結果、髪の脂性が進んでしまいます。━「医療で治す薄毛の悩み」より引用
■コラム著者紹介
医学博士/ 柳生邦良 <やぎゅうくによし>
銀座HSクリニック総院長(現職)
東京大学医学部卒業。医学博士。
国際毛髪外科学会(ISHRS)理事、アジア毛髪外科医学会(AAHRS)理事、アメリカ毛髪外科(ABHRS)専門医、日本臨床毛髪学会理事。
植毛に関するすぐれた研究業績に対して、日本臨床毛髪学会から「第1回平山賞」を受賞。