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抜け毛が多くなってくると、自分で行うケアだけでは不安になってきますよね。かといって、専門医に行こうと思っても、どの病院に行けば良いかの分からないという方も多いかもしれません。そこで今回は、どのような抜け毛で悩んでいるときにAGA専門医に行くべきなのか、具体的な症状と合わせてご紹介します。症状によっては皮膚科に行くべきケースもあるため、ご自分の症状がどのようなものなのか確認するためにもご参考にしてください。
薄毛・抜け毛の症状はさまざま
薄毛や抜け毛といっても、細かい症状を見るとさまざまなタイプがあり、症状や進行状況によって診てもらうべき病院は変わります。全体的にだんだん抜け毛が増えていっているのか、局所的に薄毛が起こっているのかでは対処法も異なってきますし必要な薬や行くべき病院も違います。
皮膚科に行くかAGA専門医に行くかを判断するためにも、まずは自分の症状をできる限り把握しましょう。
AGA専門医に行くべき症状
AGA専門医に行くべき症状は次の通りです。
男性型脱毛症(AGA)の場合
AGA(Androgenetic Alopecia)は男性型脱毛症を指す言葉で、思春期以降の成人男性がなりやすい脱毛症です。
一部で極端に薄毛が進行する円形脱毛症などとは異なり、髪の毛が全体的に徐々に薄くなっていくことが特徴。進行具合によって
頭頂部から進行するタイプ、前頭部(生え際)から進行するタイプ、どちらも進行するタイプの3種類に分けられます。
薄毛に悩む男性の大半はAGAだといわれており、遺伝やホルモンバランスの乱れ、喫煙やストレスなどが原因だといわれています。
AGAが疑われる場合は専門的な治療が必要なため、皮膚科ではなくAGA専門医に一度診てもらうことがおすすめです。
女性男性型脱毛症(FAGA)の場合
AGAは男性だけでなく女性にも見られる脱毛症です。ただし女性の場合は、FAGA(Female Androgenetic Alopecia)またはびまん性脱毛症と呼ばれます。
FAGAは男性のAGAよりも進行がさらに緩やかで、自覚できるまでに多少時間がかかることが特徴です。FAGAになると髪の毛が細くなるためにボリューム感がなくなり、髪の分け目から地肌が透けて見えるようになります。
進行状態によって次の3つの段階に分けられます。
・Ⅰ型
全体的に薄くなり、一部の地肌が透けて見える状態
・Ⅱ型
全体的にボリューム感がなくなり、地肌が見える部分が広がっている状態
・Ⅲ型
さらに進行し、脱毛箇所が広がって地肌が目立つ状態
共通する特徴
AGAとFAGAいずれにも見られる特徴としては、以下が挙げられます。このような特徴がある症状の場合は、AGA専門医で診察してもらいましょう。
- 抜け毛が多い
- 髪のハリがなくなってセットがまとまりにくい
- 毛が細くなり成長しない
- 地肌が透けて見えるようになる
AGA治療を行っている場所
現在のところ、AGA治療はどこの病院でも行っているわけではなく、治療を受けられる場所は限られています。AGA治療を扱う病院としては皮膚科や美容皮膚科が代表的ですが、その他にもAGA治療の専門クリニックもあります。
一般病院と専門病院の違い
皮膚科や美容皮膚科など、一般的な病院でもAGA治療は可能ですが、AGAの専門クリニックとは治療の目的が異なります。専門クリニックでは、AGAの原因を突き止め根本的な治療を目指すのに対し、一般病院の治療ではあくまでもAGAの進行を遅らせることが目的です。
また、専門クリニックではAGAに対してさまざまなアプローチ方法が用意されています。そのため、投薬治療を行う、または植毛を行うなど患者の希望に合わせた治療法を選択できるのです。一方、一般病院では投薬治療しか受けることができません。
このような点から、AGAに悩んでいる方で本格的な治療を受けたいという場合は、AGA専門医を受診することをおすすめします。
AGAクリニックで行われる治療法
AGA専門クリニックで行われる治療法にはどのようなものがあるのでしょうか。代表的なものをご紹介します。
HARG(ハーグ)療法
HARG療法とは、タンパク質を直接頭皮に注入することで、失われた発毛機能を復活させるという治療方法です。AGAの症状に対して
「発毛」+「育毛」という両面からアプローチできるため、投薬治療のみでは改善が難しい状態のAGAにも効果が期待できます。
HRAG療法では6回を1クールとして治療を行います。1回につき10万円~20万円ほどの治療費がかかるため、トータルで見ると60万円~120万円の費用が必要です。
内服薬のみの治療に比べるとどうしてもコストがかさんでしまいますが、HARG療法の場合はおおむね6カ月で治療効果が実感できるといわれています。その点、投薬のみ治療では数年単位の治療期間が必要になるため、HARG療法を利用する価値は十分にあるでしょう。
自毛植毛
植毛には、ポリエステルなどの合成繊維でつくられた人工毛を利用する人工毛植毛と、後頭部など目立たない部分の自毛を植毛する自毛植毛の2種類があります。しかし、人工毛植毛は副作用が起こる危険性が高いとされているため、AGA治療では一般的に植毛=自毛植毛です。
自毛植毛の費用は50万円~200万円(植毛範囲によって変動する)とされていて、施術後も定期的にメンテナンスを行う必要があるため、維持費もかかります。
薬の処方
専用の治療薬でAGAにアプローチする場合もあります。代表的な治療薬をご紹介します。
フィナステリド配合薬(内服薬)
フィナステリドを主成分として配合されている治療薬としては、プロペシアが挙げられます。プロペシアはAGAが原因の抜け毛や薄毛の進行を食い止める効果が期待できる薬で、日本皮膚科学会からも推奨されています。
費用の目安:1カ月分…4,000円~9,000円
デュタステリド配合薬(内服薬)
デュタステリドを主成分として配合されている治療薬としては、ザガーロが有名です。基本的な効能や仕組みはプロペシアと同様ですが、ザガーロの方がより高い効果が期待できるとされています。
費用の目安:1カ月…8,000円~12,000円
ミノキシジル配合薬(外用薬)
外用薬として有名なのが、ミノキシジルを主成分とするリアップです。ミノキシジルには血行を促進する効果以外にも、毛髪の生成・成長に関わる細胞を活性化させ再生を促す効果もあるとされています。
費用の目安:1カ月…5,000~8,000円
クリニック選びのポイント
AGA専門クリニックにもさまざまな場所があります。どのようなポイントを見て判断すれば良いのでしょうか。
無料カウンセリングがある
AGAクリニックの中には、無料でカウンセリングを受けられるところもあります。本格的な治療を始める前に自分の症状について相談したい、とりあえず専門医の意見を聞いてみたいという場合には有効活用できます。
医師とのパーソナルな相性もあるでしょうから、無料カウンセリングがあればぜひ試してみてください。
症状に応じて治療できる
AGA治療には多くのアプローチ方法があるため、できるだけ選択肢が多いクリニックを選ぶことをおすすめします。選択が多ければ自分の症状に最適な治療法を選ぶことができ、安心して治療を進められます。
治療費が明確
AGA治療はある程度の治療期間とそれなりの費用が必要です。治療を継続して受けるためには、事前に資金計画を練る必要があるでしょう。後々のトラブルを避けるためにも、どのくらいの期間でいくら必要なのか、治療費を明示してくれるクリニックを選んでください。
治療実績がある
過去にAGA治療の実績がないところでは、仮に技術があっても安心して任せられません。ホームページに実績を確認する、カウンセリングの際に今までの治療事例について聞いてみるなど具体的なケースについて把握しておきましょう。
おわりに
AGAは専門医による治療が望ましい薄毛・抜け毛です。抜け毛に加え、髪のハリがなくなってセットがまとまりにくくなった、地肌が透けて見えるようになってきたと感じている場合は、一度専門クリニックを受診してみましょう。