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もとの髪質に比べ、最近軟毛になった気がするとお悩みの方。
髪質の変化には何かしらの理由があるはず。
生まれつき軟毛の場合とは異なり、原因の解消がしっかりとした健やかな髪の生育につながるでしょう。
この記事では、髪の毛が軟毛化する理由と対策について解説しています。
剛毛と軟毛の違い
もともと剛毛だったのに、髪の毛が柔らかくなった…。
こんな兆候には要注意。
髪質の変化が薄毛進行に影響を与える可能性はあります。
まず、剛毛と軟毛の違いに焦点を当てましょう。
剛毛と軟毛の毛質の違いはキューティクル
剛毛は通常髪一本一本が太い特徴があります。これに対して、軟毛は髪の毛全体が細めです。
剛毛と軟毛の大きな違いは表面を覆うキューティクルの層の厚さにより変わります。
キューティクルの重なりが多く層が厚くなれば、髪の毛は硬く太くしっかりして剛毛となります。
一方でキューティクルの重なりが少なく、層が薄くなればその分柔らかく滑らかな軟毛になります。
剛毛は手触りが硬くしっかりしていますが、その分比較的まっすぐ生えてきます。
軟毛は手触りも柔らかく、ふわふわとした触感であることも多いです。その分うねりや癖も生じやすい傾向にあります。
剛毛と軟毛。毛質に影響を与える要因
なぜ人の髪には剛毛・軟毛など特徴が出るのでしょうか?
髪の毛の質感につながる要因にはいくつかの要素があります。
詳しく解説します。
遺伝的要因
髪質は遺伝的な要素によっても大きく左右されます。
髪の太さや硬さに影響を与える遺伝情報は、親や祖父母から遺伝的に受け継がれることが一般的です。
家族全体で共通する髪質であることも少なくありません。
髪の質に関する遺伝的な要素には偏りがあり、親が剛毛なら子も剛毛になりやすく、親が軟毛であれば子も軟毛になりやすい傾向が見られます。
ホルモンの影響
ホルモンの変化も髪質に影響を与える要因です。
特にホルモンバランスの乱れが起こる時期(妊娠、更年期など)には、髪の変化が見られることがあります。
特に女性ホルモンは髪の新陳代謝に影響を与えます。
ヘアサイクルに影響を及ぼし、一時的に髪の毛が硬く、多くなることもあります。
ホルモンの分泌状況が落ち着けば、気になる症状も徐々に落ち着いてくることが一般的です。
男性ホルモンによる髪の毛への影響は、一般的に薄毛の進行に寄与していることが多いです。
一般的にAGAと呼ばれる男性型の薄毛症状は男性ホルモンが要因となっていることがほとんどです。
しかしホルモンの要因は個人差があり、同じ環境や生活を共有している人でも必ずしも同じ髪質になるとは限りません。
髪の質に変化が見られる場合はライフスタイルや環境の変化なども加味して総合的に判断することが重要です。
日常生活から起こるダメージの影響
髪は紫外線や空気の乾燥、汚染などの外部環境からのダメージも髪質に影響を与える可能性があります。
これらの要因は髪を乾燥させたり、頭皮環境が悪化して次に生えてくる髪に対して悪影響を与えたりすることもあるでしょう。
日々の環境要因によるヘアダメージは、セルフケアでのこまめなリカバリーも重要です。
セルフケアが行われない場合、日々のダメージが蓄積し、髪質が悪くなってしまう恐れもあります。
また、セルフケアをしていていも、誤ったヘアケアや自身の髪に合っていないケアをしている場合、逆に髪へのダメージとなり悪影響を与える可能性もあります。
生活スタイルや栄養
髪の健康には食事や栄養摂取も影響を与えます。髪の成長につながる栄養素が不足していると、髪質の変化が見られることもあります。
髪の健やかな成長に重要な栄養素は「タンパク質・ミネラル・ビタミン」です。
これらの栄養素をバランス良く摂取することが重要です。
また、ストレスや運動不足も髪質に影響を与える要因となります。
ストレスが蓄積すると、交感神経が優位になり血管の収縮が起こります。
血管が収縮すると末梢までスムーズに血流が行き渡らず、髪の成長に必要な酸素や栄養素の運搬が不足します。
また、ストレスの蓄積は寝つきが悪くなることもあり、質の良い睡眠の弊害になることも。
睡眠の質が悪いと、入眠後に分泌される成長ホルモンがうまく出ずに、髪の成長にも影響を与えます。
運動不足も、末梢への血流が行き渡らなくなる要因の一つです。
運動をすることによりリフレッシュできる場合もあるので、運動習慣がない方は知らず知らずのうちに髪への影響を及ぼしている可能性もあります。
ヘアスタイリングの習慣
熱を用いたヘアスタイリングや無理なヘアセットを頻繁にしている場合、髪に負担がかかり、髪質の変化を招く可能性があります。
キューティクルが傷ついて開くと、髪の毛の内部の栄養素が流出してしまいます。
髪の毛の内部がスカスカになってしまうと髪のハリやコシが無くなり、細く弱々しい軟毛になってしまうことも。
ヘアセットをするときにはヒートプロテクト作用のあるヘアケアツールを利用したり、髪や頭皮に負担のかかるヘアセットの周期を見直すなど、ダメージへ配慮したおしゃれの楽しみ方も検討しましょう。
薄毛と軟毛の相関性
髪の薄毛と軟毛は、一見異なる問題のように思われますが、実際には関連があるケースもあります。
以下に、軟毛がなぜ薄毛につながりやすいのか解説します。
軟毛はキューティクルが薄く髪が脆弱
軟毛は通常、柔らかくてしなやかな特徴を持ちます。
しかし、冒頭に述べたとおり、キューティクルの層が薄く、外部ダメージや刺激に対してはやや脆弱です。
剛毛の人に比べると、ダメージを受けやすい髪質であると言えます。
外部のダメージやヘアスタイリングの影響を受けやすくなるので、意識して生活をしていないと、気がつくと髪の毛のダメージが蓄積し、髪が傷んでしまうでしょう。
抜け毛や切れ毛が知らず知らずのうちに増えて、気がつくと頭髪全体のボリュームが減っていることも。
自分の髪質を見極めておしゃれを楽しみつつ、セルフケアでのリカバリーを試みることが重要です。
薄毛になるとますます軟毛化する
薄毛の要因にはヘアサイクルの乱れにより髪の毛が太く長く成長せずに、細い軟毛しか生えてこず薄毛になっている場合もあります。
薄毛が進行すると、本来剛毛なタイプであっても何らかの要因により髪質が軟毛化することも。
軟毛になると、髪のキューティクル(表面の鱗状の部分)によるプロテクト作用が正常に機能せず、外部からの刺激や乾燥から髪を保護する能力が低下することもあります。
キューティクルの保護機能がうまく働かず、ますます薄毛の進行に寄与する一因になることもあるのです。
元から軟毛と薄毛による軟毛は原因が異なる
元来軟毛である人と、薄毛の進行により軟毛化する人では根本的な要因が異なります。
もともと軟毛の方は、遺伝的要因であることが多いですが、後天的に軟毛化する人は、ホルモンの影響や生活習慣の乱れなど何らかの要因があるケースがほとんどです。
いずれの場合も髪の軟毛化に伴い、髪の毛の成長サイクルが乱れていることがほとんど。
また、何らかの要因で髪の成長に必要な栄養が不足しているため、太く・長く成長することができなくなっている状況です。
後天的要因により髪の毛が軟毛化している場合には、その要因を見出し、原因にあった対策を取ることが重要です。
食生活、ストレス、環境要因の影響による軟毛化
ストレスや生活環境の変化などの環境要因により軟毛化している場合には、生活環境を見直し、適度にリフレッシュすることが大切です。
何らかの要因により血流不足が起こっていたり、髪を成長させるだけの栄養素が不足しているかもしれません。
食習慣や生活習慣を見直し、体を休ませる規則正しい生活習慣を意識しましょう。
ホルモンの影響
薄毛や軟毛化を引き起こす要因に、ホルモンによる影響が考えられます。
女性の場合には、ライフスタイルにより女性ホルモンの影響を受け、髪質の変化が現れることもあります。
一般的にはホルモンの分泌状況が落ち着けば症状も落ち着くことが一般的です。
男性の軟毛化の場合で男性ホルモンが影響しているしている場合には、放置しておくとますます薄毛が進行してしまう場合があります。
男性ホルモンのテストステロンと呼ばれるホルモンの一種が、毛根の毛の生やす組織の働きを阻害して、髪の毛の健やかな成長を妨げていることがあるのです。
薄毛(AGA)対策となる治療法
男性ホルモンの影響により起こる軟毛化や薄毛。原因はジヒドロテストステロンが毛を生やす受容体と結合してしまい軟毛化や薄毛を引き起こしています。
一般的にはAGAと言われている症状です。
放置すると進行する恐れのあるAGAですが、昨今ではAGAに対する治療法も確立されています。
以下に、AGA治療法に焦点を当てて解説します。
AGAの治療薬
(ミノキシジル)
ミノキシジルは血圧のコントロールを図る薬から生まれた外用薬です。
ミノキシジルは血圧のコントロールを図る薬から生まれた外用薬です。
頭皮に塗布することで血行を促進し、毛乳頭の活性化を図る外用薬です。
成長期の髪を増やし、薄毛の進行を遅らせる効果が期待されます。
(フィナステリド)
フィナステリドは男性型脱毛症の治療に使われる内服薬で、特に男性ホルモンによる薄毛に対して効果があります。 頭皮における男性ホルモンの影響を抑制し、毛包の縮小を防ぎます。
フィナステリドは男性型脱毛症の治療に使われる内服薬で、特に男性ホルモンによる薄毛に対して効果があります。 頭皮における男性ホルモンの影響を抑制し、毛包の縮小を防ぎます。
(ビオチンや亜鉛などのサプリメント)
ビオチンや亜鉛などのサプリメントは、髪の成長に必要な栄養素を補給し、健康な髪の育成に寄与することが期待されます。
ビオチンや亜鉛などのサプリメントは、髪の成長に必要な栄養素を補給し、健康な髪の育成に寄与することが期待されます。
いずれにしても男性型の軟毛化、薄毛対策は個々の症状や要因により異なります。
近年では、外用薬などはドラックストアなどで市販薬として購入も可能です。
しかしながら、個別性にあった適切な治療を行わないと時として症状を悪化させることもあります。
AGAの治療には専門医の診断とアドバイスを受けながら個々の原因にあったアプローチが重要です。
セルフケアももちろん大切ですが、しっかりと根本の原因を追求した治療は、専門医への受診を検討しましょう。
まとめ
最近、髪の毛がもとの髪質より軟毛化してきたとお悩みの方。
まずは生活習慣などによる髪への影響を考えてみましょう。
髪に対して悪影響を及ぼしている原因を改善しても変化が見られない場合、ホルモンの影響も考えられます。
必要に応じて専門家への受診を検討してみましょう。
軟毛化は薄毛進行のサインの一つでもあります。
症状が悪化しないうちにできることから始めてみましょう。