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アロエは火傷の塗り薬や健康を整える飲み薬、はたまた美容液として昔から幅広く愛用されてきました。実はそんなアロエには「薄毛対策・育毛」に効果が期待されているのをご存じでしょうか。
今回はそのアロエが持つさまざまな育毛に役立つ効果、アロエ育毛剤の簡単な作り方をご紹介します。
今回はそのアロエが持つさまざまな育毛に役立つ効果、アロエ育毛剤の簡単な作り方をご紹介します。
アロエってどんな植物?
アロエといえば観葉植物としてはもちろん、健康・美容の分野でも有効性が指摘される植物です。
古くから親しまれてきたパワフルな植物
アロエはユリ科アロエ属の常緑多年草で、全世界で多くの人に親しまれています。アフリカ原産ということもあり、過酷な自然環境に耐えるパワフルな植物で、その身には多くの有効成分を含みます。古来より飲んでよし塗ってよしの薬として使われていて、日本でも明治時代から親しまれていたようです。今でも美容液の成分として、またヨーグルトなどの健康食品の食材として使われています。
アロエの育毛効果は?
アロエは古来より薬として使われてきた歴史があります。薄毛で悩む方の多い現代でも、その効果は期待できるものばかりです。アロエの育毛効果について、具体的に見ていきましょう。5αリダクターゼの抑制
アロエに多く含まれている「アロイン」という成分は5αリダクターゼの働きを抑制するといわれています。5αリダクターゼはテストステロンに働きかけ、悪性の男性ホルモンDHT(ジヒドロテストステロン)に変質させてしまう、いわばAGAの原因となる酵素です。アロインは5αリダクターゼの働きを抑える役割があるため、育毛効果が期待できると考えられています。
頭皮の保湿
美容液の保湿成分としても使われるアロエ。育毛にとっても「保湿」は非常に大切なことです。頭皮が乾燥してしまうとフケが発生しやすくなり、毛穴を塞いでしまう可能性がありますし、乾燥が原因のかゆみが気になり、頭皮を爪で傷つけてしまうといったこともあるでしょう。このようなちょっとしたことが頭皮環境を悪化させ、育毛に悪影響となるのです。
アロエエキスは保湿力が高く、頭皮の乾燥を防ぐのに効果的です。フケやかゆみといった症状も抑えやすくなるでしょう。
細胞に働きかける
アロエにはタンニン酸という、肌の細胞活性化が期待できる成分が多く含まれています。頭皮も肌ですから、細胞が活性化されれば環境も良くなることでしょう。
また、タンニン酸は小さい分子なので毛穴からも吸収されやすく、頭皮全体の血行を促進しやすくする効果が期待できます。
また、タンニン酸は小さい分子なので毛穴からも吸収されやすく、頭皮全体の血行を促進しやすくする効果が期待できます。
抗菌・抗炎症作用
古くからアロエは火傷の塗り薬として使われてきました。アロエに含まれるアロエシン成分は抗菌・抗炎症作用が期待できるとされているためです。育毛剤として使用すれば、余分な雑菌の繁殖を抑えることができるでしょう。また、傷ついてしまった頭皮の炎症を抑えることで、常に健康的な状態を保つことができそうです。
アロエ育毛剤の作り方
自分でできるアロエ育毛剤の作り方をご紹介します。それほど難しくありませんので、手順通りに進めていってみてください。使うアロエの種類は?
手に入りやすいアロエは「アロエベラ」か「キダチアロエ」です。特にキダチアロエは古くから薬として使われていて、現在でもさまざまなものにその成分が活用されています。
アロエ育毛剤で準備するもの
実際にアロエの育毛剤を作る際に準備するものをまとめました。- キダチアロエ500g
- 清潔な容器(密閉できるもの)
- ホワイトリカー1800cc(焼酎1升)
- 新聞紙(アロエを乾燥させるときに使う)
アロエを洗って下準備する
- まずアロエについた汚れや雑菌を掃除していきましょう。キダチアロエを水でしっかりと洗い流し、表面についた汚れが落ちていればOKです。
- きれいにした後は、軽く水を切って数センチ程度の大きさにカットしていきます。あまり細かくしすぎると手間がかかるので3cmくらいが良いかもしれません。アロエの皮はそのまま残しておいてください。
- カット後は、3日間を目安に陰干しします。日干ししてしまうと乾燥しすぎてしまうので、注意しましょう。
容器に育毛剤の材料を入れる
- 洗ってしっかりと乾燥させた容器に、陰干ししたキダチアロエを入れていきます。
- その後、ホワイトリカーをゆっくりと注いでいきます。もしホワイトリカーがなければ焼酎でもかまいません(リカーの方が匂いは爽やか)。
- 材料を入れたら特に混ぜたりはせず、そのまま冷暗所に移しておきましょう。
3週間~1カ月で出来上がり
冷暗所では3週間~1カ月くらい寝かせておけば完成です。アルコールとアロエ成分が馴染むと黄金色になりますのでそれを目安に判断してください。保存する際にはそのまま冷暗所でもいいですし、夏場などであれば冷蔵庫に入れてもかまいません。お風呂上がりにスプレー
アロエ育毛剤を使用する際は、スプレーボトルに入れ替えて使いましょう。お風呂でしっかりとシャンプーをして、タオルドライをした後に使用してください。あまり噴射しすぎず、頭皮が適度に湿り気を帯びる程度で十分です。頻度は1日朝夜の2回使うと効果的といわれていますが、難しい場合は夜寝る前の1回でも構いません。
アロエ育毛剤を作る上での注意点
アロエ育毛剤はとても簡単な一方、注意しておきたい点もあります。体質に合わないときの使い方
ご紹介したアロエ育毛剤では、保存期間を長くするためにアルコールを使用しています。しかし体質的に敏感肌の方もいらっしゃるかもしれません。そういった方は無理してアルコール入りを使わないようにしてください。頭皮ケアをするつもりが、逆にダメージを与えてしまう可能性があります。アロエ育毛剤はアルコール未使用でも作ることができます。
- キダチアロエを水洗いする
- 軽く水気を拭き取ってミキサーにかける
- それをじっくり煮込んで完成
「効果はある」といってもまだ研究段階
アロエには頭皮に良いさまざまな効果が期待でき、AGAの原因である5αリダクターゼの働きも阻害する力もあるといわれています。しかし、医学的に見ればアロエに育毛効果があると断言はできない状況で、過信するのは禁物です。
本格的にAGAを改善するのであれば、やはり専門のクリニックでプロペシアやミノキシジルといった処方薬を出してもらいましょう。クリニックで処方される薬は、医学的にAGAに効果があると証明されていますので心配ありません。
とはいえ、アロエには抗菌・炎症作用や保湿作用があることは分かっています。頭皮環境ケアという観点からいえば、効果的であるといえるのではないでしょうか。過信はせずに薄毛対策の一環としては役に立つ、程度に考えておいてください。
とはいえ、アロエには抗菌・炎症作用や保湿作用があることは分かっています。頭皮環境ケアという観点からいえば、効果的であるといえるのではないでしょうか。過信はせずに薄毛対策の一環としては役に立つ、程度に考えておいてください。
アロエ育毛剤の使用期限は?
自家製のアロエ育毛剤は保存料などが入っていないため、市販品に比べて長持ちはしません。アルコールタイプであれば1~2カ月程度、アルコール未使用のペーストタイプの場合は冷蔵庫保存で2~3週間を目安に使い切りましょう。また、季節や保存状態によってもかなり変わってきます。万全を期すのであれば冷蔵庫保存にしたり小分けにしたりするなどしておくことがおすすめ。 いずれにせよ、大切な頭皮に塗るものですから新鮮なうちにご使用ください。
おわりに
アロエには古くから薬として使われてきた歴史があり、現在でもさまざまな用途で使用されていることを考えると、体にとって良い影響があると期待されていることが分かります。 アロエ育毛剤の作り方はご紹介したようにとても簡単です。薄毛や頭皮環境が気になる方は、自作のアロエ育毛剤で頭皮ケアを始めてみてはいかがでしょうか。それらを踏まえた上で医師に相談すれば、スムーズに治療を進められるはずです。