冬の乾燥でフケがパラパラ…。原因と対策はあるの?

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女性を中心に、冬の乾燥肌に悩まされている方も多いでしょう。加えて、乾燥と相関性が強いものが「フケ」です。フケの発生は、頭皮環境が乱れているサインといわれています。そこで今回は、冬の乾燥でフケが出てしまう原因とその対策についてご紹介します。

フケが出る原因は?

フケ 冬にフケが多くなる理由には、乾燥しやすいという季節の特徴が関係しています。肌や頭皮にとって快適な湿度は、60~65%といわれていますが、冬の時期の湿度は60%を越すことはありません。つまり、湿度の低い冬の間は、頭皮の乾燥状態が続くことで角質が剥がれ落ち、フケにつながる可能性があるのです。

乾燥により頭皮のターンオーバーが乱れやすくなる

ターンオーバーは、肌の新陳代謝もつかさどる、皮膚の再生機能のことです。頭皮のターンオーバーが衰えると、頭皮ニキビやフケ、炎症などさまざまなトラブルを引き起こす恐れがあります。ではなぜ、このような事態になるのでしょうか。
実は、冬の乾燥が皮膚の再生機能にも影響を与えるといわれています。乾燥によって頭皮のターンオーバーが乱れると、頭皮環境が悪化したりフケが多くなったりする可能性があるのです。

フケの発生を抑える2つの対策

フケの発生を抑える対策として挙げられるものは、「刺激の少ないシャンプーの使用」と「保湿ケア」です。以下では、2つについて詳しくご紹介します。

【1】刺激の少ないシャンプーを選ぶ

使用するシャンプーで気を付けたいことは、洗浄効果が高すぎるものや刺激の強いものを選ばないことです。洗浄効果の高いシャンプーは、皮脂汚れを落とす際に有効ですが、高い効果が得られる反面、頭皮に必要な皮脂まで落としてしまう恐れがあります。頭皮の皮脂が不足すると乾燥につながるため、頭皮にとっても良くありません。
頭皮の汚れを適度に落としながら乾燥を防ぐには、オーガニック系シャンプーやアミノ酸シャンプーなど、地肌にやさしいシャンプーの利用がおすすめです。

【2】頭皮の保湿ケアをする

頭皮の保湿ケアには、ヘアオイルやローションを使用しましょう。シャンプー後に適量の保湿液を落としてしっとりさせるだけで、頭皮環境の正常化に近づくでしょう。ヘアオイルやローションがない場合、代用品としておすすめなものは保湿成分のある育毛剤です。ヒアルロン酸やオレイン酸トリグリセリド、和漢植物エキス配合のものは肌との相性も良く、乾燥肌にも有効とされています。

症状が改善しない?考えられることとは

皮膚科専門医 予防や対策を行っても頭皮のフケがなかなか改善されない場合は、以下のような感染症や症状である可能性が高いため、皮膚科専門医への相談をおすすめします。皮膚科専門医から適切な診断とアドバイスももらうことで、今後どのようにしたら良いかの改善点を見出だせるでしょう。

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎は、皮脂を好むマセラチア菌が異常繁殖することで炎症を起こす病気です。冬のフケは乾燥が影響を与えていますが、脂漏性皮膚炎のように皮脂の過剰分泌が引き金となり、フケが増えるケースもあります。

頭部白癬(しらくも)

頭部白癬(しらくも)は、白癬菌の頭部感染で引き起こされる感染症です。子どもに多い病気ですが、最近では成人した女性の感染も珍しくありません。皮膚や爪に寄生した白癬菌が、頭皮の毛穴に侵入・繁殖することで大量のフケやかさぶた、抜け毛などの症状につながります。

尋常性乾癬(かんせん)

尋常性乾癬は、皮膚が赤く盛り上がるように腫れ、フケ状となって表面からはがれ落ちる皮膚病です。身体のどの部分からも発症する恐れがありますが、最初に頭皮に症状が現れ全身に広がるケースも少なくありません。遺伝や生活習慣との関係が指摘されています。

おわりに

湿度が急激に下がる冬は、乾燥に注意が必要です。乾燥により頭皮のターンオーバーが乱れると、フケや炎症、頭皮環境の悪化など、さまざまなトラブルにつながる可能性があります。フケや頭皮の乾燥を予防するには、頭皮にやさしいシャンプーの使用と、オイルやローションでの保湿ケアが大切です。また、症状がなかなか改善されない場合は、皮膚科専門医への受診をおすすめします。