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A.本人や事務所、スポンサーなどの意向により状況が異なるため一概にはいえませんが、自由に変えられないことがままあります。
いくつかの例をご紹介すればわかりやすいかと思います。
アイドルの例を考える
まずは、清純派で売り出しているアイドルを例に取ってみましょう。
……この時点で、女性アイドルであれ男性アイドルであれ、みなさんが想像したのは、きっと黒髪の、つややかなストレートヘアを思い浮かべたのではないでしょうか?
私たちはすでに「清純派アイドル」に対して、揺るぎないほどガチガチの幻想(期待)を抱いています。
彼女(彼)たちはキレイな黒髪をしていて、心は澄んでおり、もちろん恋愛などはしたことがなく、ただ直向きにファンの人たちだけに愛情を注ぐ存在である。
このような行き過ぎた私たちの幻想(期待)が、清純派アイドルを清純派アイドル然として縛りつけているのではないでしょうか。
もし事務所やファンの期待をよそに、本人だけの判断でいきなり金髪にでもしようものなら、各方面から非難されてしまうことでしょう。
別に似合えばいいじゃないですか、と私なんかは思うわけですが……。
事務所も本人も納得のもと「清純派アイドル」として貫き通すのであれば何の問題もありませんが、外野のノイズが強すぎて本人が自由に振る舞えないのであれば問題です。
もともと「(idol)アイドル」の語源が「偶像」であるように、私たちは清純派アイドルを特別な存在として崇拝するきらいがあります。
つまり、清純派アイドルが髪型すら自由にできないのは、私たちの行き過ぎた幻想や期待、崇拝ともいえるのです。
アイドルも人間だということは、私たち外野側の人間も忘れないでいたいところです。
俳優の例を考える
次の例は、俳優です。俳優はその役職上、髪型を自由に変えられないことが多いです。
なぜなら映画や舞台、テレビドラマで役を演じる彼(彼女)らは、基本的に役に合った髪型をしなければならないからです。役作りの一つです。
また映画やテレビドラマには「撮影」と「編集」がさらに加わります。
撮影したシーンを入れ替えたり繋げたりして物語として構築するのが、これら映像媒体の面白さであり見どころです。
にもかかわらず俳優の髪型が途中でころころと変わっていたら作品自体が台無しになりかねませんよね。
よって俳優は自由に髪型を変えられない「時期」があるのです。
とはいえ一つの作品が終わってから次の作品に入るまでのあいだに大胆に髪型を変えて楽しむ俳優もいるので、やり方次第といえそうです。
タレントの例を考える
続いての例は、CMタレントです。
CMというのは商品やサービス、ひいては企業に好感をもってもらうことが目的ですから、広告塔となるタレントや有名人は商品やサービスのイメージを向上させなければなりません。
それは髪型にも影響します。ぼさぼさの髪型をしたタレントが、清潔感や高級感で売り出している商品の広告塔をするには少し無理がありますからね。
とはいえタレントの人気度によっては例外もあり、本人のキャラクターはそのままで多種多様なCMをこなすつわものもいます。
よってCMタレントは、スポンサーの意向にそって髪型を縛られることもありますが、人気者になってしまえばかぎりなく自由ともいえるでしょう。それが一番難しいでしょうが……。
今のSNS時代では、大手スポンサーには頼らずに自身の発信力でファンを着実に増やしていき、有名人となる人もいますよね。
そのようにスポンサーと距離を置けば、自身の好き放題に髪型を変えても誰にもとがめられることはないでしょう。
まとめ
以上、有名人が髪型を変えられない状況について3つの例をご紹介しました。
まさに、本人や事務所、スポンサーなどの意向により状況が異なるため一概にはいえませんが、自由に変えられないことがままあるのです。
とはいえ有名人本人の意志で、あえて髪型を変えない人もいるので、最後にご紹介しておきましょう。
その一人は黒柳徹子さんです。
「タマネギ頭」といえば黒柳さんというほど、彼女のトレードマークとなっている髪型です。
かなり目を引くあの髪型ですが、実際タマネギ頭は自身が目立つためにしたものではなかったそうです。
むしろ正反対の発想で、「うなずいてること」がよくわかるように生まれた髪型だといいます。
ゲストを招いてのトーク番組を長年やってきた黒柳さんだからこその発想です。
黒柳さんのように、誰かを喜ばせるために率先してやった髪型が、トレードマークになるなんて何とも美しい話ではありませんか。