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A.料金が高すぎるということはなく、先進国の相場の範疇といえそうです。しかしながらヘアカット等々のスキルや接客技術は国際標準より高いようです。
まずは筆者の個人的な所感からお話しましょう。
私はこれまでミャンマーとフィリピンでヘアカットをしたことがあります。
ミャンマーでは旅の途中で1回、フィリピンにおいては長期滞在していたので5、6回はカットしたと思います。
どちらもいわゆる日本の「床屋さん」に近い内外観で、土手っ腹にコワモテの風貌をした店員においても、カミソリでモミアゲを綺麗に剃り落とすやり方においても、まさに日本の床屋さんのようでした。
さらにどちらの国においてもシャンプーによる洗髪などはなく、基本的にカットのみを標準メニューとしていました。
よって日本でいうところの、いわゆる「1000円カット」の理容室が雰囲気としてはもっとも近いといえそうです。
では、気になるカット料金です。
ミャンマーのほうはうろ覚えですが、高くとも日本円にして「500円未満」だったと記憶しています。
出来映えとしても不満はなく、むしろミャンマーの若者風の髪型にしてもらえて嬉しかったです。
次にフィリピンですが、私の滞在した島の中でいくつかの理容室に行ったところ、相場は「40ペソ」でした。当時は「1ペソ=約2.5円」換算でしたから、日本円でいうところの「約100円」ということになります。
くり返しますが、ヘアカットがたったの「100円」です。
しかも贔屓目なしにみても、外国人だからといって適当にカットしているわけではなく、地元のお客様をカットするように丁寧にカットしてくれました。
毎回、仕上がったその髪型で日本国内を歩いてもまったく恥ずかしくない出来映えでした。
言うまでもなく、東南アジアのその2国は日本とくらべて物価ははるかに安いです。
だから理容室のカット料金も安くて当然ではあります。
とはいえ「1000円カット」を安い安いと崇めたてる私たち日本人の金銭感覚において、髪の毛を「100円」でカットできるなんて夢のような破格ではありませんか。
翻って、別の先進国を例に取ってみましょう。
まずは物価が高い、とはいえ給与も高いことで有名なオーストラリアです。
まさに筆者知人が、以前シドニーの美容室で働いていたことがあるため聞いてみました。
すると、為替レートによって値段が上下するため一概にはいえないという前置きをもらいつつ、「日本とそう変わらない」という返答をいただきました。
たとえば、オーストラリアドル(AUD)が65円くらいと円高の時期には「3000~4000円」が相場のようで、AUDが90円くらいと円安の時期には「5000円前後」がヘアカットの相場のようです。
つまり、日本と大きくは変わらないといえます。
では、次にアメリカ。アメリカには日本でいういわゆる「1000円カット」のような「Supercuts」という格安チェーンがそこかしこにあるようです。
シャンプーによる洗髪などはなく、カット時間は15分ほどという点においても「1000円カット」と同様です。
では気になる「Supercuts」の料金はというと、実際にカットした体験者によれば「20.5USD」だったそうです。
為替レートの変動はあるものの、日本円にして大体「2200円前後」と考えていいでしょう。
日本の「1000円カット」と比較すると少し割高に感じてしまう料金です。
さらにアメリカにはチップ文化が根付いています。
そして美容室では総額の15~20%のチップを支払うのが一般的なようです。
前述した「Supercuts」体験者も、実際にプラス「3USD」をチップとして支払ったようなので、最終的には、日本円にして総額「約2500円」支払った計算になります。
このように、東南アジアなどの物価水準の低い国とくらべれば日本のカット料金はものすごく高いように感じてしまいますが、先進諸国とくらべれば、けっして高すぎることはないことがおわかりになったかと思います。
むしろ、外国の人が日本の理容室・美容室で髪をカットするときには、そのスキルや丁寧な接客に驚くことも多いようですよ。