〈 約 4分43秒 で読めます 〉
健康食品などの広告でよく見られる「腸内環境正常化」という言葉、みなさん一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
腸では、主に摂取した食材の栄養の吸収が行われています。そのため腸内環境が良い状態であれば、栄養の吸収も活発に行われます。
しかし腸内環境が悪化すると、さまざまな体調不良を引き起こすことはよく知られています。主に腹痛や便秘などに影響すると考えられることが多くありますが、実は頭皮環境にも悪い影響を与える恐れがあるのです。
今回は、薄毛や抜け毛ともかかわりのある腸内環境と髪の毛についてご紹介します。
腸では、主に摂取した食材の栄養の吸収が行われています。そのため腸内環境が良い状態であれば、栄養の吸収も活発に行われます。
しかし腸内環境が悪化すると、さまざまな体調不良を引き起こすことはよく知られています。主に腹痛や便秘などに影響すると考えられることが多くありますが、実は頭皮環境にも悪い影響を与える恐れがあるのです。
今回は、薄毛や抜け毛ともかかわりのある腸内環境と髪の毛についてご紹介します。
腸内環境の影響
人の腸内には、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」がそれぞれ存在します。善玉菌は、消化機能を助けたり免疫力を高めたりする役割があり、悪玉菌は、体に悪影響を及ぼす物質を発生させるとされています。また日和見菌は、体にとって良くも悪くもなり得る菌の総称を指します。これらの菌のバランスが取れた状態を「腸内環境が正常な状態」といい、腸で吸収された栄養が十分に頭皮に届き、頭皮環境をよくしてくれると考えられます。
一方で悪玉菌が増えてしまうと、以下でご紹介するような影響が現れ、頭皮環境の悪化を招く恐れがあるのです。
栄養の吸収率が落ちる
体内に取り入れた食べものを消化し、栄養素を吸収するために働く器官が小腸です。便秘などで腸内にガスが充満すると、消化吸収の働きを持つ小腸の働きも悪くなってしまう恐れがあります。体内に取り込まれた栄養は、生命維持にかかわる場所に優先的に運ばれます。髪はその優先度が低く、吸収率が下がると十分に栄養が運ばれなくなってしまう可能性があるのです。
便秘が慢性化し悪玉菌が増える
人間の腸内には、500兆~1000兆もの細菌が存在するといわれています。便秘などが頻繁に起こると悪玉菌優位となり、ガスや老廃物、有害物質が体内に蓄積されてしまいます。腸内に有害物質や老廃物がたまると血液が汚れ、血行不良を起こしやすくなり、肌荒れやアレルギー、頭皮環境の悪化へとつながります。すると頭皮では、健康に育つはずの髪の毛が成長できなくなってしまったり、乾燥を引き起こしてしまったりする恐れがあるのです。
腸内環境を改善する方法
頭皮環境や健康な髪の成長にも影響を与える腸内環境。薄毛や抜け毛のケアを考えている方は、腸内のケアについても知っておくと良いでしょう。食物繊維を取り入れる
食物繊維は、善玉菌を増やすのに役立つとされています。体内に必要な栄養素は腸内で分解・消化吸収されることで内臓などの諸器官に送られますが、食物繊維を摂取することで消化吸収の働きを活発化させることができます。また腸内の老廃物を対外へ排出してくれる作用もあるため、便秘がちの方や肌荒れが気になる方におすすめです。
運動を習慣づける
適度な運動は腸内環境に良い影響を及ぼすとされています。運動することで下半身や腹筋が鍛えられ、腸から便を押し出す力も高まる他、腸のぜん動運動にも良い作用をもたらします。また、適度な運動は睡眠の質を上げ、快適な睡眠でリラックス状態になると副交感神経が高まります。これが腸内環境に働きかけ、便秘などの症状改善につながるのです。
エクオールを増やして、ジヒドロテストステロンを抑える
エクオールとは、女性ホルモンに構造が似ている成分で、腸内細菌によって増えます。このエクオールは、ジヒドロテストステロンの生成を妨げてくれるとされており、腸内にエクオールを増やすことで、男性ホルモンの薄毛・抜け毛への影響を抑える効果が期待できると考えられています。
しかし、本来であれば腸内で生成されるエクオールも、近年体内で作れない人が増えているといわれています。原因は明確となっていませんが、時代による食生活の変化が影響していると考えられています。そのため食事には、大豆やきのこ類、海藻、根菜などを取り入れてエクオールの生産を助ける必要があります。
おわりに
腸内環境は、食物繊維の摂取や運動、エクオールを多く含む食材を取り入れることで改善が期待できます。そしてこの腸内環境の改善が、頭皮や髪に十分な栄養を運ぶために大切な要素となります。ぜひ、体の外側からのケアだけではなく、内側からの視点も重視して抜け毛・薄毛対策を進めていきましょう。