つむじ割れが起こる9つの原因

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つむじを中心にして髪の毛がわかれ、地肌がみえてしまうつむじ割れ。 頭頂部など目立つところにあり、気になってしまう方も多いのではないでしょうか。
つむじの向きによってわかれ目が目立ちやすかったり、ボリュームが出にくくなってしまったりとスタイリング時にも影響を及ぼします。
つむじ割れが起きてしまう原因はさまざまな要因が関係しており、人によって異なるケースが多いです。 原因を見極めてそれに合わせた対策を施してあげることで、軽減または改善に導けるでしょう。
そこで今回はつむじ割れの原因と改善方法、セルフでできる直し方まで網羅して解説します。 はじめにつむじ割れが起こる9つの原因からみていきましょう。

頭頂部が薄毛や細毛になってきている

健康的で元気な髪の毛であれば、ハリコシがあるため根元の立ち上がりでつむじのわかれ目が目立ちにくいです。
しかし、髪の毛が薄毛や細毛になってしまうと根元が立ち上がらずにへたってしまいます。 とくに頭頂部に起こるとつむじ割れが目立つ原因となります。
髪の毛が薄く・細くなるのは若い方よりも30代後半以降の大人世代から気になる方が増えています。 髪の毛の老化も影響しているといえるでしょう。

頭皮へのダメージ(頭皮の張り・血行不良・紫外線)

頭皮がダメージを受けてしまうと、頭皮環境の悪化につながります。 頭皮環境は頭皮の張り、血行不良、紫外線などのさまざまな要因で良くも悪くもなるのです。
頭皮環境が悪くなると血流が滞ってしまい、健康的な髪の毛を育むために必要な酸素や栄養素が行き渡りにくくなってしまいます。
そうなるとヘアサイクルが乱れてしまい、通常よりも髪の毛が早く抜けたり細い髪の毛が生えてきたりと髪の毛の状態に悪影響です。

カラーリングによるダメージ

ヘアカラーを頻繁にされる方も注意が必要です。 カラー剤は髪の毛のキューティクルを強制的に開かせるためにアルカリ性の薬剤を用います。
カラーの明度の高いものほどアルカリの度合いも高くなるため、脱色力が高くなり髪の毛や頭皮に対しての負担が大きくなります。 ブリーチやハイトーンのカラーリング、高頻度の白髪染めなど必要以上にダメージを与えてしまうと、つむじ割れが目立ちやすくなります。
また、市販のカラーリング薬剤は誰が染めてもキレイに仕上がるように強めの薬剤が使用されている傾向があります。 自分で染めると地肌へ必要以上に薬剤が付着して、ダメージを与えてしまうこともあるのです。

ヘアスタイリング剤によるダメージ

毎日のスタイリングでワックスやスプレー、ジェルなどさまざまなスタイリング剤を使ってセットする方も多いのではないでしょうか。
形をキープさせるものからウエット感など質感や束感を調整するもの、つむじ割れをカバーするためにボリュームを出すタイプを使うこともあるかもしれません。
しかし、スタイリング剤は地肌に近いところで使ってしまうと、皮脂や汚れが混ざり毛穴に詰まりやすくなってしまいます。 毛穴詰まりが生じると頭皮環境が悪化してしまい、抜け毛や細毛の要因となりつむじ割れが目立つ原因につながります。
どうしても地肌に近いところにスタイリング剤を使用する場合は、丁寧にシャンプーし、きちんとスタイリング剤をオフするようにしましょう。

髪のわけ目を変えていない

髪の毛のわけ目はいつも慣れている場所でついわけてしまいがち。 なかなか頻繁には変えにくいかもしれません。
しかし、ずっと同じ位置で髪の毛をわけていると頭皮が引っ張られてクセがついてしまいます。 さらに、紫外線にいつも同じ場所がさらされてしまうのでわけ目の頭皮が傷みやすかったりします。
頭皮のダメージを分散するためにも、意識的にわけ目を変えるようにしましょう。 これだけでも負担をかなり軽減することができます。

スタイリングで割れているようにみえる

朝起きた時につむじ割れが悪化しているのにリセットせずにそのままスタイリング剤をつけてしまうと、さらにつむじ割れを強調してしまうことがあります。
つむじ割れを強調してしまうスタイリングとしては
・ワックスなど重たいスタイリング剤をつけすぎてボリュームダウン
・つむじ割れ目の部分からドライヤーをあてて割れを固定
などが要因になっていることも。
スタイリングの仕方でつむじ割れを悪化させてしまっていることもあるのです。

つむじ割れが起こりやすいヘアスタイル

髪型によってもつむじ割れが目立ちやすいスタイルもあります。 男性でも女性でも髪の毛が長いと、その重みでボリュームダウンしてしまいつむじ割れが目立ちやすくなってしまいます。
トップが短いスタイルや軽めのスタイルのだとボリュームが出やすくなり、つむじをカバーできるのでつむじ割れを目立ちにくくすることができます。

寝ぐせで割れている

寝ている間につむじ割れがよりクセづいてしまったり、いつもはつむじ割れしていなくても寝ぐせで割れてしまっている場合もあります。 寝ている間に人は平均で20回ほど寝返りをうつとされていて、寝ぐせがつかないようにするのは至難の業です。
髪の毛は乾いた瞬間の形を維持しやすい性質があります。寝汗をかいてその後乾いた状態やドライヤーで髪をしっかりと乾かさずに寝てしまった場合でも寝ぐせのつき方は違ってきます。
少しでも寝ぐせを防ぐためには、ドライヤーでしっかりと水分を飛ばして乾かしてから就寝するようにしましょう。

生まれつき割れたような生え方

生まれつきつむじ割れが目立ちやすい髪質の方もいます。 髪質が細くやわらかかったり、つむじがいくつもあったり、生えぐせが強かったりと個人差が大きい部分。
つむじがいくつもある場合だと、つむじのクセ同士がぶつかり合い、つむじ割れを作ってしまうこともあります。 生まれつきの髪質を改善することは難しいため、セットなどで対処してカバーしていく必要があります。

簡単!今すぐできるつむじ割れの直し方

毎日ヘアセットをするのに、つむじ割れのせいでうまくセットできなかったりと悩みもつきません。 セルフケアでつむじ割れに対してできるアプローチ法を紹介します。

つむじ割れがある根元を濡らしてドライヤーで直す方法

つむじ割れは髪の毛の根元の方で割れてクセづいてしまっています。 ヘアスタイルをセットする際は一度根元から濡らしてドライヤーで直していく方法が有効です。
地肌を中心にしっかりと濡らしてつむじ周辺になじませていきましょう。
ドライヤーで髪の毛の根元を立ち上げるように、軽く引っ張りながら乾かしていきます。 濡らす範囲が足りないとクセが残ってしまうので、クセの範囲が濡れているかチェックしてから乾かしましょう。

正しいスタイリング剤を選んで直す方法

重ためのスタイリング剤を使ってしまうとその重さでボリュームがダウンしてしまい、つむじ割れが余計に目立ってしまいます。
ハリコシがなく髪質の細い方や、薄毛の方が重ためのワックスなどを使ってしまうと隠すどころか悪目立ちさせてしまいます。 自分の髪質に合わせて適切なスタイリング剤を選んであげましょう。
軽めのワックスを少量使用して、仕上げにスプレーでキープさせるなどの方法が一番有効です。
ジェルやグリースは重ための質感のものも多いので、使い方や使用量の注意が必要です。 女性の場合はオイルやバームなどウエットな質感のスタイリング剤は注意が必要。 毛先など最小限の使用にとどめておき、スプレータイプなどでキープするとつむじ割れが目立ちにくくなります。

つむじ割れの原因を根本的に改善する方法

つむじ割れしてしまった時の対処法がわかったところで、根本的に防いでいくことはできないのでしょうか。 日頃からできる予防策をご紹介していきます。

髪のわけ目を頻繁に変える

髪の毛のわけ目がずっと同じだとわけぐせがつき、つむじ割れが目立ちやすくなってしまいます。
そこで定期的に意識して反対のわけ目にしてみたり、ジグザグにわけ目を取ってみたりと、わけ目を一定にしないことでつむじ割れを予防することができます。 わけ目を反対にすることにどうしても抵抗がある場合は、少しでいいのでわけ目を左右のどちらかに1㎝でもずらすと有効です。
頭皮マッサージで血行をよくする
つむじ割れの原因でもある頭皮の血行不良、頭皮のたるみを改善するには頭皮のマッサージで血流を促してあげることが大切です。 血流を促すことで根元に栄養素や酸素が行き渡り、健康的な髪の毛が育ち頭皮も引き締められます。
1.乾いた状態の髪にクッションブラシで地肌に毛先をあてるように全体的にとかしていきます。
2.手のひらの母指球を使ってこめかみを後ろ回しにぐるぐる回しほぐします。
3.両手のすべての指を使って、生え際から後ろへ向かってクルクル動かしながら指圧していきます。
4.人差し指を使って頭のてっぺんを生え際から頭頂部に向かって左右から押し合わせていきます。
5.親指を使って首周りのツボを刺激します。
このようなマッサージを週に2〜3回乾いた状態やスカルプシャンプー中に行うと頭皮の血流促進につながります。 痛くない気持ちのいいくらいの力加減で行うように心がけてください。

生活習慣を改善して頭皮環境を整える

頭皮環境が悪化するとヘアサイクルが乱れてしまったりと悪影響につながります。 つむじ割れを根本的に解決していきたいのであれば、頭皮環境を整えることは重要です。
・食生活…髪の毛に必要な栄養素を届けるためにも、必要な栄養素をバランスよく摂取しましょう。 脂っこいものや甘いものは控えめにして、タンパク質、亜鉛、ビタミン類などを中心に摂取することが望ましいとされています。
髪に良いとされている食材は肉、魚、緑黄色野菜、牡蠣、レバー、ナッツ類などです。
・睡眠…睡眠不足が続いてしまうと人は自律神経が乱れてしまい、血管が収縮しやすくなり血行不良になりやすくなります。 この状態が続くと頭皮の血流まで悪くなってしまい栄養が滞りやすくなります。
頭皮の健やかな環境を維持するためには毎日7〜8時間の睡眠を意識し、成長ホルモンがしっかりと分泌されるよう熟睡できる環境を整えましょう。

つむじ割れ部分にパーマやカールをしてボリュームを出す

つむじ割れは髪のボリュームが少なかったり薄毛・細毛だと余計に割れが目立ちます。 頭頂部にあるとさらに目立ちやすくなるでしょう。
そこで頭頂部の割れている部分にパーマやカーラーでボリュームを出してあげましょう。
根元からふんわりと髪の毛を立ち上げることができるので割れをごまかすことができます。 髪の毛の短いスタイルだととくに有効です。 トップにボリュームを持ってくることでバランスもよくなるのでおすすめです。
パーマをかけるのに不安がある方は、マジックカーラーなどでセットしてみてイメージをしてみては?
実際にセットしてみることでパーマ後のイメージも掴みやすくなるはずです。

まとめ

つむじ割れはさまざまな要因から引き起こされていて、本人にとってはとても深刻です。
しかし、今ではたくさんの予防法や解決法があります。 また、根本的につむじ割れなんとかしたいと考えるなら、頭皮環境や髪質全体について見直したいところ。
いろいろ試しながら自分に合った対策や予防方法を見つけてみてください。 少しずつ改善していくことで目立たなくなる変化を実感できるのではないでしょうか。


監修者:繁和泉
看護師、予防医学士として17年。その中で毛髪再生外来の診療に携わる。薄毛にともなう患者さんのお悩みに寄り添いながら、医学的なアプローチも含め「長い目で見た」毛髪のための日常生活やケアについての指導を個別性に合わせて提供。 同時に、情報化社会の中でWEBコンテンツで「正しい情報をわかりやすく」発信することに精を出す。