【医療監修あり】思い込みがストレスになりさらに加速?つむじ割れの症状と対策

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つむじ割れやつむじ部分の薄毛など、年齢を重ねてくると頭頂部のお悩みも少なくありません。 鏡を見たときや写真などで後頭部を確認したときに、地肌が目立っているとショックを受けることも多いようです。
つむじ割れやつむじの薄毛は、見た目年齢に大きく影響することもあるでしょう。
しかし、つむじ割れやつむじの薄毛の原因や対策を正しく理解すれば、適切なケアや改善方法を見つけることができるかもしれません。
この記事では、つむじに関する基礎知識から原因、具体的な対策方法、さらには簡単にカバーする方法までを徹底的に解説します。 自分のつむじの状態を見直し、健康的で若々しい印象を手に入れるヒントとして参考にしてみてください。

つむじとは

つむじは髪が渦を巻いて生える頭皮の部位を指します。 人によってつむじの位置や形状、渦の巻き方は異なり、主に後頭部や頭頂部に見られることが多いです。
つむじの形状は個人差が大きく、ヘアスタイルや見た目印象に影響を与えるポイントの一つです。

つむじ割れの症状

つむじ割れの症状は、見た目や頭皮の状態により少しずつ異なります。 症状は以下です。

頭頂部の頭皮が見えている

髪が割れて頭頂部の地肌が見える状態です。 特につむじ周辺の髪が細くなると、割れが目立ちやすくなります。

頭皮の色が赤や茶色をしている

参考:理想の頭皮~色~|美容室CLOSET
つむじ付近の地肌は健康な状態であれば自然な肌色をしていますが、乾燥やダメージが加わると赤や茶色のような色になることがあります。

毛流れがはっきりしない

つむじ周辺の毛流れが不規則で、毛束が整わない状態です。 特に髪質が柔らかい人に多く見られます。

頭頂部にボリュームがない

つむじ割れの特徴として、頭頂部の髪がペタンとして、全体のボリューム感が失われることもあります。

つむじの薄毛との違い

つむじ割れとつむじの薄毛は、原因が異なります。 ここではその違いを明確に解説します。

つむじ割れ

つむじ割れは、髪の流れやスタイリングによって頭頂部の地肌が見えてしまう状態を指します。
つむじの周辺の髪が割れることで目立ちますが、髪自体の本数や太さは変化していない場合が多いです。 主な要因は以下です。
●髪質やヘアスタイルの影響
●寝ぐせやスタイリングミス
●頭皮の健康状態の悪化
つむじ割れは、ヘアケアやスタイリング方法の見直しで改善できることが多いです。

つむじの薄毛

つむじの薄毛は、つむじ付近の毛が細くなったり本数が減ったりすることで地肌が見える状態です。 AGA(男性型脱毛症)などが主な原因で、進行性の場合が多いです。
●毛が全体的に細くなる
●地肌が広範囲にわたり露出し、透けて見える
●ヘアサイクル(毛周期)が乱れる
つむじ割れとは異なり、つむじの薄毛は専門的な治療が必要になるケースもあります。

つむじ割れの原因

つむじ割れは、日常の習慣や頭皮の状態など、さまざまな要因が絡み合って発生します。 以下に、主な原因を詳しく解説します。

寝ぐせ

睡眠中に頭皮が圧迫されることで、毛流れが乱れ、つむじが割れて見えることがあります。 特に、髪が柔らかい人や毛量が少ない人に起こりやすい傾向にあります。
(対策)
寝る前に軽く髪を整える、シルク素材の枕カバーを使用する、シルクキャップをかぶるなど。 髪への負担を減らし、くせをつけないようにすることも有効です。

スタイリングミス

ヘアスタイリングの際、つむじの流れを意識せずに髪をセットすると、割れが目立つ原因の一つに。 スタイリング剤を適切に使わないと髪がペタッとし、つむじ割れが強調されるケースも少なくありません。
(対策)
つむじの流れに逆らわず、ボリュームを出すスタイリングを心がけましょう。 根元から立ち上げるブローが効果的です。

生まれつきのつむじの形

つむじの形状や位置は生まれつき決まっており、これがつむじ割れの一因となることがあります。 特につむじが複数ある場合や、渦の流れが複雑な場合は、割れやすくなることもあるようです。
(対策)
ヘアカットで髪の流れを整え、割れを目立たなくすることが可能です。

つむじが割れやすいヘアスタイル

髪が長い場合や、トップにボリュームを出さないスタイルでは、つむじ割れが目立ちやすくなります。 また、髪を中央で分けるスタイルも割れを強調する原因になりえます。
(対策)
レイヤーを入れたり、トップをふんわりさせるヘアスタイルでカバーする。

頭頂部の薄毛(AGA)や細毛

AGAや加齢による髪の細毛化が原因で、つむじ割れが起こることもあります。 髪が細くなると、つむじ周辺の地肌が透けて見えやすくなります。
(対策)
育毛剤の使用や頭皮マッサージなどで、髪の健康をサポートすることも検討しましょう。 AGAの場合は専門医の診察・治療が必要な場合もあります。

頭皮が張っている

頭皮が硬くなると血行不良を引き起こし、髪の健康状態が悪化します。 その結果、つむじ割れが発生する場合があります。
(対策)
頭皮の柔軟性を保つために、頭皮マッサージや適度な運動で血流の改善を意識する。

頭皮のダメージ

紫外線や過剰なカラーリング、パーマなどのダメージは、頭皮環境の悪化を引き起こし、つむじ割れを目立たせる要因になります。
(対策)
UVカット効果のあるヘアケア製品や帽子などで頭皮を保護しましょう。 また、ヘアカラーやパーマの頻度も見直してみましょう。

つむじの薄毛の原因

つむじの薄毛は、さまざまな要因が複雑に絡み合って発生することが多いです。 ここでは、主な原因について詳しく解説します。

AGA(男性型脱毛症)

AGA(男性型脱毛症)は、つむじの薄毛の最も一般的な原因とされています。主に以下のメカニズムで発生します。
●DHT(ジヒドロテストステロン)の影響:テストステロンが5α還元酵素によってDHTに変換されます。このDHTが毛根に影響を及ぼし、髪のヘアサイクルを乱します。
●毛周期の短縮:ヘアサイクルの髪が成長する期間(成長期)が短縮され、次第に細く短い髪しか生えなくなることで、つむじ部分の薄毛が目立つようになります。
(対策)
AGAは進行性の脱毛症であり、放置すると症状が悪化します。 専門医の診察を受け、内服薬(フィナステリド、デュタステリド)や外用薬(ミノキシジル)の治療による対策が必要になります。

生活習慣の乱れ

不規則な生活習慣は、つむじの薄毛を進行させる要因の一つです。以下のような要素が影響します。
●睡眠不足・睡眠の質の低下:成長ホルモンの分泌が低下し、毛母細胞の活性が低下します。
●栄養不足:鉄分、ビタミンB群、亜鉛など、毛髪の健康に必要な栄養素が不足すると、つむじの薄毛進行する可能性があります。
●運動不足:血行不良により、頭皮の毛根に十分な栄養や酸素が届きにくくなります。
(対策)
規則正しい生活を心がけ、栄養バランスの良い食事を摂ることが重要です。また、適度な運動を習慣化し、血流を改善することも効果的です。

頭皮環境の悪化

不衛生な頭皮環境や過剰な皮脂分泌が、毛根の詰まりや炎症を引き起こし、髪の健康に悪影響を及ぼす可能性も。 頭皮環境が乱れることでつむじの薄毛を進行させることもあります。
●過剰なシャンプーやすすぎ残し:頭皮が乾燥したり、皮脂が残留することで炎症を招きます。
●整髪料が洗浄しきれていない:スタイリング剤が毛穴に詰まると、毛根への栄養供給が妨げられたり、きれいな髪の毛が生えにくくなる要因の一つになります。
(対策)
頭皮に合ったシャンプーを使用し、洗浄と保湿をバランスよく行いましょう。 洗い過ぎも良くありませんが、整髪料を使用したスタイリングの後は、2度洗いを検討したいところです。 炭酸シャンプーや頭皮マッサージを取り入れると、毛穴の詰まりを防ぐのに効果的です。

ストレス

慢性的なストレスは、つむじの薄毛を促進する要因として注目されています。主なメカニズムは以下の通りです。
●血流悪化:ストレスにより交感神経が優位になると血管が収縮し、頭皮の血行が悪くなります。
●ホルモンバランスの乱れ:ストレスホルモン(コルチゾール)の増加が毛母細胞や色素細胞の機能を低下させます。
(対策)
適度なリフレッシュを心がけ、自分なりのストレス解消法を取り入れることが重要です。

誤ったヘアケア

ヘアケアの方法が適切でない場合もつむじの薄毛の原因となります。
●強いブラッシング:髪や頭皮に負担をかけ、毛根を傷つける可能性があります。
●ヘアカラーやパーマの頻繁な使用:化学物質によるダメージが毛根の健康を損ないます。
●ドライヤーの熱ダメージ:頭皮の乾燥や炎症を引き起こしやすくなります。
(対策)
頭皮に優しいヘアケア製品を使用し、過度な熱や化学処理を避けましょう。また、自然乾燥ではなく、ドライヤーを適度な温度で使用し頭皮を清潔に保つことが大切です。 つむじの薄毛は複数の原因が絡み合うケースが多いため、生活習慣やヘアケアを見直すだけでなく、専門医の診察を受けて適切な治療を行うことも大切です。

つむじが気になったらできる対策

つむじが気になり始めたら、適切な対策を講じることで見た目印象を改善しつつ、髪と頭皮の健康を守ることにつなげられます。 以下では、つむじの悩みに解消のサポートとなる具体的な対策を紹介します。

頭皮マッサージを習慣化する

頭皮マッサージは血行を促進し、毛根に十分な酸素と栄養を届ける助けとなります。 特に、つむじ周辺を指の腹で優しく押すようにマッサージすることで頭皮の硬化を防ぎ、髪のボリュームアップが期待できます。
(方法)
1.指の腹を使って円を描くように優しくマッサージ。
2.1日5分程度、毎日継続する。
3.入浴中や入浴後など、頭皮が温かい状態で行うと効果的。

栄養バランスの整った食事を意識する

髪の健康を保つためには、以下の栄養素を積極的に摂取することが大切です。
●ビタミンB群(豚肉、卵、大豆製品):髪の成長をサポート。
●鉄分(レバー、ほうれん草):毛根への酸素供給を助ける。
●亜鉛(牡蠣、ナッツ類):毛髪の細胞分裂に必要なミネラル。
●タンパク質(鶏肉、魚、豆類):髪の主要成分であるケラチンの材料となる。
これらの栄養素が不足すると、髪のボリュームダウンや薄毛の原因になるため、日々の食事でバランスよく摂取することが重要です。

頭皮環境を整える

健康な髪を育てるためには、頭皮環境の改善を意識したいところ。 以下のポイントを押さえて、頭皮の清潔を保ちましょう。
1.低刺激のシャンプーを使用する:頭皮に優しい成分を含んだシャンプーを選び、洗浄力が強すぎるものは避ける。
2.適度な洗髪頻度を守る:洗いすぎや洗い残しを防ぐため、1日1回を目安にシャンプーを行い、すすぎはしっかりと。
3.頭皮を保湿する:頭皮の乾燥を防ぐため、保湿効果のあるトリートメントやスカルプエッセンスを使用。

髪型やスタイリングを見直す

つむじが目立つ場合、髪型やスタイリングを工夫するだけでも印象の変化につなげられます。
●分け目を変える:分け目を左右交互に変えることで、つむじ割れを目立たなくすることができます。
●ふんわりとしたスタイリング:根元を立ち上げるようなドライヤーの使い方や、ボリュームアップスプレーを活用してみましょう。

定期的な運動で血行を促進

適度な運動は全身の血流を改善し、頭皮や毛根にも良い影響を与えます。 有酸素運動(ウォーキングやランニングなど)を習慣にできれば、髪の健康に必要な栄養供給をサポートします。

医療機関での診断と治療を検討

つむじの薄毛や割れが進行している場合は、早めに専門医に相談することも大切です。 AGA治療や頭皮ケアに特化した治療を受けることで、改善が期待できます。

気になるつむじの隠し方

つむじが目立つ場合でも、工夫次第で簡単に目立たなくすることができます。 ここでは、日常で取り入れられるカバー方法を紹介します。

髪型でカバーする

髪型を工夫することで、つむじを自然にカバーすることが可能です。
●分け目をずらす:分け目をつむじの真上ではなく、少しずらした位置に作ることで、トップにボリューム感を演出でき自然な仕上がりに。
●レイヤーカットを取り入れる:レイヤーを入れることで髪に動きが出て、つむじが目立ちにくくなります。

スタイリング剤を活用する

●ボリュームアップスプレー:根元にスプレーを吹きかけてドライヤーで立ち上げることで、髪がふんわりしてつむじが目立ちにくくなります。
●ワックス:つむじ付近を含めたトップ全体を立ち上げることで、つむじの割れや薄さをカバーします。

ヘアアクセサリーを活用する

●帽子:簡単に取り入れられるアイテムで、つむじを隠すことができます。
●ヘアピン:髪をアレンジする際にヘアピンを使ってつむじ割れをカバーする方法もおすすめです。

カバー製品を活用する

つむじのカバー製品を使用することで、簡単に薄毛や割れを隠せます。
●ヘアファイバー:髪のボリュームを増やして見せる製品で、薄毛部分や割れを自然にカバーするアイテムです。
●ウィッグやヘアピース:ウィッグや部分的なヘアピースを使用することで、つむじ割れやつむじの薄毛を隠すことができます。自然な見た目を実現するため、自分の髪色や質感に合った製品を選びましょう。

まとめ

つむじ割れやつむじの薄毛は、見た目印象に影響を与えるデリケートな問題です。 しかし、正しい知識とケアを実践することで大きく改善する可能性があります。
つむじ割れは寝ぐせやスタイリングミスといった日常の要因で引き起こされる場合が多く、簡単な工夫や対策でカバーできることが少なくありません。
一方、つむじの薄毛の場合は、AGAや生活習慣の乱れなどが関係していることがあり、早めの専門医の診察と適切な治療が必要となります。
日常のヘアケアや生活習慣を見直すことから始め、必要に応じて医療機関のサポートを受けることで、つむじの悩みを軽減しましょう。 正しい知識を持ち、継続的なケアを行うことで、健やかな頭皮環境を保ちたいですね。


監修者:繁和泉
看護師、予防医学士として17年。その中で毛髪再生外来の診療に携わる。薄毛にともなう患者さんのお悩みに寄り添いながら、医学的なアプローチも含め「長い目で見た」毛髪のための日常生活やケアについての指導を個別性に合わせて提供。 同時に、情報化社会の中でWEBコンテンツで「正しい情報をわかりやすく」発信することに精を出す。