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『薄毛・抜け毛研究所』
はハゲをポジティブにとらえる活動を応援しています。
たとえば以前にご紹介した
「ハゲフェス」
。
2021年にニューヨークで開かれた同イベントには「ハゲを肯定的にとらえることで世界は明るくなる」というポジティブなメッセージが込められていて、
海外メディアがこぞって報道するほど好評を博し、大成功を収めました。
では日本国内ではどうでしょう。
ハゲをポジティブにとらえる活動はないのでしょうか?一般的にはまだ、ハゲを「ふれちゃいけない話題」としてタブー視してはいないでしょうか?
そのような疑問をもとに調べてみると、必ず辿り着くのが「ツル多はげます会」。
平成元年から活動している彼らのポジティブハゲ活動は30年以上にも及びます。
ニューヨークのハゲフェスが生まれる、遥か前のことです。
今回の
『薄毛・抜け毛研究所』
では「ツル多はげます会」の彼らの活動についてご紹介します。
もしかしたらみなさんも、過去に彼らをテレビで見たことがあるかもしれません。
「ツル多はげます会」のはじまりとなった一人の男
すべては竹浪正造さんからはじまりました。今は亡き、「ツル多はげます会」の創設者です。
1918年に青森県北津軽郡鶴田町で生まれた竹浪さん。2021年現在ももし彼が生きていれば御年103歳になります。
彼はまさに戦時を生き抜いた男で、まだ若かりし1937年には南満州鉄道に入社し、その後は関東軍にも入隊し、朝鮮で鉄道建設作戦にあたりました。
のち日本に帰国してからの1946年から1987年までには、東北電力、東北電広社に勤務。
さらには故郷である青森県鶴田町議会議員を4期(16年10カ月)務めたり、絵日記作家としても活躍したりするなど、まさに多岐に渡る活動を一度の人生で網羅した男なのです。
さらには故郷である青森県鶴田町議会議員を4期(16年10カ月)務めたり、絵日記作家としても活躍したりするなど、まさに多岐に渡る活動を一度の人生で網羅した男なのです。
そんな竹浪さんが「ツル多はげます会」を創設するに至った経緯も、ユニークかつ軽やか。
平成元年。スナックでご機嫌になっていた彼のもとに、別の客がやって来たそうです。
その客はずばりハゲていました。そして当然ながら、竹浪正造さんもハゲていました。
やがてスナックで意気投合した竹浪さんらは、いっそのこともっとハゲを集めてうさ晴らしをしようと思い立ちます。
同年2月22日。竹浪さんに言わせれば2月22日は「ツルツルの日」にあたります。
友人や知人に呼びかけたおかげで、病院長や学校長、幼稚園長、会長、社長など、「アタマに覚えのある」そうそうたるメンバーが集まりました。
さらにはスナックの女性たちも「慰問」として集まってくれたのです。
「ハゲも悪くないもんだ」
竹浪さんきっかけではじまったささやかなうさ晴らしは、その後30年以上に渡って広がり続けています。
今ではNPO法人としても認定されている「ツル多はげます会」。
現会長は須郷貞次郎さんへとバトンタッチしていますが、「どうせなら、もっとハゲ頭を集めて暗い世の中を明るく照らそうじゃないか」と言い放った竹浪さんの精神は、竹浪さん亡き今の「ツル多はげます会」にも連綿と受け継がれています。
「ツル多はげます会」の主な活動内容
“笑う門には 福来る
禿の光は 平和の光
暗い世の中 明るく照らす
日本も光る 世界も光る”
禿の光は 平和の光
暗い世の中 明るく照らす
日本も光る 世界も光る”
ハゲを超ポジティブにとらえる「ツル多はげます会」はこのようなスローガンのもと、以下のような活動をしています。
年に2回の定例会
毎年2回、春と秋には定例会が開催されています。
「有多毛(うたげ)」と称されたその定例会。
春の定例会は創設記念日でありツルツルの日である2月22日、秋の定例会は旧暦8月15日(十五夜)と、中秋の名月に合わせて開催されています。
みなさんすでにお察しのとおり、「ツル多はげます会」は語呂合わせや意味付けが大好きなのです。
これらの有多毛において、定番となっているイベントが2つあります。
その一つが「平和の光(名月)当てクイズ」。
テレビで見たことがある人もいるかもしれません。
テレビで見たことがある人もいるかもしれません。
まずは月見に見立てた大きな絵があって、月の部分だけくっきりと切り抜かれています。そこに顔出しパネルのような塩梅で、それぞれの頭頂部(ハゲ頭)をはめていきます。
観客側はその頭頂部が、誰のハゲ頭なのかを当てなければなりません。
クイズ形式のすこぶる盛り上がるイベントなのです。
春は「平和の光」、秋は「名月」と名称を変えて、月に見立てられたハゲ頭が輝きます。
そしてもう一つ。もはや有多毛に欠かせないド定番のイベントが「吸盤綱引きトーナメント」です。
これこそ本当に一度はテレビで見たことがあるという人がいることでしょう。
これこそ本当に一度はテレビで見たことがあるという人がいることでしょう。
ルールはとても簡単で、吸盤を頭に付けて綱を引き合うだけ。
ただし、ひと勝負につき3回戦あって、2勝したほうが勝ち上がれるトーナメント形式です。
ただし、ひと勝負につき3回戦あって、2勝したほうが勝ち上がれるトーナメント形式です。
薄毛の強弱は問わずに髪の毛がある人でも参加することができます。
とはいっても力加減や頭の磨き具合など意外とコツがいるらしく、勝ち残るためにはまさに「アタマ」を使った戦術が試されるようです。
交通安全運動
毎年の交通安全週間には街頭で交通安全を呼びかける活動もおこなっています。
こちらの活動も「ツル多はげます会」が得意とするユーモアたっぷりの語呂合わせからきていて、
「ハゲ頭をなでると怪我なし(毛が無し)」という呼びかけのもとおこなわれる交通安全運動は地元鶴田町の名物となっています。
それぞれのハゲ頭に小さな吸盤付きの安全祈願の旗を立てて街頭や小学校の正門前で交(光)通安全祈願を呼びかける。
登校中の子供からも大人気なのです。
また平成27年には「青森県反射材大作戦」の応援団体として正式に登録されました。
まさに「ツル多はげます会」のメンバーこそ、鶴田町民や青森県民に明るい光をもたらす反射材のような活動をしているといえるでしょう。
目指すは「世界のハゲの聖地」
ほかにもやることなすことがユニークな「ツル多はげます会」。
有多毛の最後には会員みんなで「ハゲのマーチ」という替え歌を熱唱したり、ハゲをネタにした川柳を詠み合ったりするなど、終始ハゲを超ポジティブにとらえて明るく活動しています。
『ハゲ川柳』は書籍化もされています。
また
「ツル多はげます会」
のホームページでは書籍のほかハゲグッズも販売されています。
さらに最近では、同じようにハゲ頭で地域を盛り上げている秋田県の「雄物川光頭会」や長野県の「飯田ハゲます会」とも横の交流が広がっていて、
「全国ひかりサミット」というイベントを共催するなど活動の幅は広がり続けています。
日本国内はもちろんのこと海外メディアからも出演依頼の絶えない「ツル多はげます会」はメディアにも引っ張りだこで、積極的に出演しています。
メディアに露出すると「ツル多はげます会」のPRにもなるうえ鶴田町や青森県のPRにもつながります。また薄毛で悩む人を勇気づけることにもつながるかもしれません。
本業(現会長・須郷貞次郎さんの本業はぶどう農家)も忙しい中、そこまでしてハゲ活動に打ち込める原動力はいったいどこにあるのでしょうか。
その答えが「ツル多はげます会」の創設者・竹浪正造さん時代から連綿と受け継がれている会の前述でもご紹介した以下のスローガンにあります。
“笑う門には 福来る
禿の光は 平和の光
暗い世の中 明るく照らす
日本も光る 世界も光る”
禿の光は 平和の光
暗い世の中 明るく照らす
日本も光る 世界も光る”
この世界を具現化するため、2020年にはクラウドファンディングにもチャレンジしました。鶴田八幡宮の敷地内に「2020(ツルツル)神社」を建立するため資金調達を呼びかけたのです。
結果。
目標金額には到達しなかったものの、彼らのチャレンジはきっとこのままでは終わらないでしょう。
目標金額には到達しなかったものの、彼らのチャレンジはきっとこのままでは終わらないでしょう。
なぜならハゲを通じた啓発活動を広げて、鶴田町を「世界のハゲの聖地にしたい!」それが会の願いであり現在の目標だからです。
おわりに
今後ますますの活躍が期待できる「ツル多はげます会」では、全国から随時会員を募集しています。
ハゲていない人はサポート会員という登録になるものの、老若男女の入会を大歓迎しているそうです。
昨年2020年には最年少であり大学生でもある20歳の女性が「ツル多はげます会」に入会しました。
現会長・須郷貞次郎さんの人柄と「ハゲを世界に広める」という壮大な野望に惹きつけられたそうです。
新世代も加入した「ツル多はげます会」は、より新しい切り口で青森県鶴田町を「世界のハゲの聖地」に近づけてくれることでしょう。
これからも「ツル多はげます会」の超ポジティブなハゲ活動から目が離せません。