【監修あり】頭皮にできたかさぶた‼はがす癖の原因とやめたいときの対処法

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頭皮にかさぶたができてしまうとかゆみが生じ、ついつい何度もかいてはがしてしまいますよね。 実はかさぶたができてしまった後に、はがしてしまうのには理由があります。
そもそも頭皮にかさぶたができなければ、はがす癖も生じません。
この記事では頭皮にできたかさぶたをはがしたくなる理由を解説し、頭皮にかさぶたが生じる原因から対策までを紹介。 頭皮のかさぶたを何とかしたいとお悩みの方に読んで欲しい情報が満載です。

頭皮にできてしまったかさぶた。どうしてはがしたくなるの?

頭皮にできてしまったかさぶた。
ついつい無意識のうちにポリポリとひっかいてしまい、気がついたらかさぶたをはがしてしまうという自傷行為のような癖に悩んでいる方は少なくありません。
無意識のうちにかいてしまい、かさぶたをはがしてしまうというその行為。 きれいにかさぶたがはがれると「気持ちいい」と感じたり、はがす行為そのものを「楽しい」と感じてしまっているケースも見られるのです。
近年の研究で「かゆいところを無意識のうちにかいてしまい、癖になってしまった結果、かいた部分の症状が悪化してしまう」現象が解明されつつあります。
2014年に自然科学研究機構生理学研究所の望月秀紀特任助教授・柿木隆介教授らがMRIを用いた調査で「かくことによって脳の「報酬系」と呼ばれる部位が反応すること」を明らかにしました。
つまりかくことにより「気持ちいい」「楽しい」という快感を感じるように脳が働くことがわかり、結果として何度もかいてしまう行為につながることが判明したのです。
(出典:なぜ痒いところを掻くと気持ちよくなるのか?その脳内メカニズムを解明|自然科学研究機構 生理学研究所)

頭皮のかさぶたをはがす癖をやめるにはかさぶたを作らないことが一番

頭皮に限らず傷ができるとかさぶたが形成されます。 かさぶたはケガなどで損傷した部位を修復するために、血液成分の血小板やフィブリンなどが傷口を覆うように固まります。 このかさぶたの下で組織を修復する働きが保たれているのです。
かさぶたの下では傷を治すための生理作用により「ヒスタミン」という物質が放出されます。 このヒスタミンがかゆみを引き起こす要因。
つまりかさぶたがある以上、かゆみが生じる可能性をゼロにはできません。
「何度もかいてしまう」という癖を止めるには、やはりかさぶたを作らないことが一番なのです。

かゆみの要因「かさぶた」が頭皮にできてしまう原因は?

何もないところに自然にかさぶたが生じるということはまずありません。 頭皮が何らかのダメージを負うことにより、かさぶたを生じるケースがほとんど。
ここでは頭皮にかさぶたができる原因について紹介します。

日焼け

日常生活で何もしていないのに、突然頭にかゆみが生じる要因は「日焼け」であるケースがほとんど。 とくに夏場の暑い日差しが降り注ぐ中、髪の分け目をいつも同じところに持ってきていて紫外線対策を何もしていないと、髪の分け目に日焼けが生じてしまいます。
皮がむけてきたりかゆみが生じて、無意識のうちにかきむしった結果かさぶたになってしまうというケースも少なくありません。 顔や体と同じように頭皮も日焼けします。夏場は頭皮も含めて髪の毛も紫外線対策をしましょう。

接触性皮膚炎

頭皮が赤くなってかぶれてしまう状態。 その中でも外的刺激がはっきりわかっているときは接触性皮膚炎だと考えられます。
肌に生じる際はゴム手袋や絆創膏ののりに負けるなどで生じますが、頭皮の場合はシャンプーやコンディショナーがあっていない可能性が高いでしょう。
症状としてはストレスや睡眠不足などで免疫力が落ちている際に一時的に生じるケースもありますが、継続的に同じような症状が続くようであれば頭皮に接触している何かしらの物質が原因でかぶれを引き起こしている可能性も。
思い当たる要因があるならば、まずは取り除いてみましょう。 はっきりとした原因がわからずに症状が長引く場合は、皮膚科受診を検討した方がいい場合もあります。

皮脂欠乏性湿疹

皮脂が極端に少なくなり乾燥が進み、かゆみが生じて症状が悪化する状態です。 とくに冬の寒い時期に症状が進行し、頭皮がはがれてフケが多くなることが特徴的。
フケが多くなるので、気になって頻繁にシャンプーをしてしまうことで症状が助長します。 この場合には毎日洗髪するのを避けるなどして、自分の皮脂の分泌具合を確認しながらシャンプーのペースを検討する必要があります。

かさぶたにつながる頭皮の疾患は?

頭皮に生じるかさぶた。なかなか治らないと思ったら、時に皮膚の病気が隠れていることも少なくありません。 ここではかさぶた発生につながる頭皮の疾患について紹介します。

アトピー

正式名称としては「アトピー性皮膚炎」。
最近ではさまざまな原因物質が解明され、アトピーという概念もその原因により多種多様なものになってきています。
アトピーとは自己免疫疾患の1つ。とある原因物質に対して自分の免疫反応が過剰に呼応することにより起こる疾患です。
肘や膝の内側にかゆみが生じ、かきむしることでかさぶたになるイメージもありますが、首元や体幹、時には頭皮にかさぶたが生じることも少なくありません。 きちんと治療をして症状の改善を図るのには、皮膚科との二人三脚で辛抱強い治療が必要です。

脂漏性皮膚炎

皮脂の分泌が盛んなところに皮膚の炎症が起こる病気です。 皮膚の常在菌の一種である「マラセチア」が要因となって生じます。白いかさぶたが生じるのも特徴です。
頭皮にも赤みやかゆみなどの症状の他に、フケのように皮膚のはがれが起こります。 かゆみが我慢できず、かきむしることにより組織が損傷し細菌の温床になってしまうケースも。
マラセチアの繁殖が確認できれば、時に抗真菌剤の使用も必要になるケースがあるので、この場合は病院への受診を検討した方が良いでしょう。

頭部白癬

現在では非常に少なくなりましたが、頭に白癬の症状、いわゆる「水虫」のような症状が起きる疾患です。 頭皮の状態としては頭に境界のはっきりした白い「鱗屑(りんせつ:皮膚の角質層が細かくはがれ落ちるフケのような状態)」が付着した病変が多発し、かゆみもあるのが特徴です。
症状によっては髪の毛が抜けやすくなってしまい、毛がまばらになってしまうこともあります。 また最近では頭部白癬の要因として飼い猫の白癬がうつってしまい生ずる症例も。
発見が遅くなりカビの侵入が深部まで至ってしまうと、非常に治りにくい「ケルズス禿瘡」という深在性白癬になりやすいので注意が必要です。

頭皮にかさぶたを作らないようにするために日常でできること

頭皮にかさぶたを作らないようにするために、日常で意識できることもあります。
ここでは日々の生活の過ごし方で頭皮環境を整える方法について紹介します。

自分の頭皮にあったシャンプー・コンディショナーを使用する

接触性皮膚炎や皮脂欠乏性湿疹の要因には、今使っているシャンプーやコンディショナーがあっていないケースも考えられます。 シャンプーそのものがあっていないようならばシャンプーの種類を変えてみるのもよいでしょう。
また、シャンプーをしているのにフケが治らないという場合はシャンプーのしすぎや洗浄成分が強力な故に過剰に皮脂を落としてしまっている可能性もあります。 この場合はシャンプーの種類や洗髪の仕方、ペースなども検討する必要があります。自分で選ぶのが困難な場合は美容師などに相談してみるのも1つの方法です。

ストレスをためずに睡眠をしっかりととる

頭皮の環境を健やかに保ち、かゆみやかさぶたを生じさせないためには免疫力を整えることも重要です。 ストレスがかかっていたり睡眠不足な状態が続いているとホルモンバランスが乱れ頭皮の環境が乱れがちに。
必要な栄養素が頭皮まで届けられなかったりターンオーバーが正常に行われないことによりかさぶたやかゆみが生じやすい環境になってしまいます。 健康的な生活を意識することは免疫力を整えるだけではなく、肌や頭皮の環境を健やかにすることにもつながるのです。

洗髪後はしっかりとブローをする

お風呂から上がった後、髪の毛をそのままにして自然乾燥で過ごしていませんか?
濡れた髪を放置することは髪の毛のダメージを蓄積するばかりではなく、細菌の繁殖しやすい環境を助長してしまうことになります。
しっかりとブローをして水気を飛ばすことは頭皮環境を整えるばかりではなく、菌にとって生活しにくい環境にもなります。 洗髪後、髪の毛はしっかりとヘアドライヤーを使って乾かしましょう。

生活習慣の改善でもかさぶたが治まらなければ皮膚科家の受診を

多くの場合頭皮に生じるかさぶたは、何かしらの要因により一時的に生じているケースがほとんどです。 頭皮全体に多発的に生じていなければ生活習慣を意識したりかきむしるのを我慢することによって徐々に改善するはず。
しかし、自分で何とか努力をしてみても症状が治まらなかったり改善しなければ皮膚科受診を検討しましょう。 医師と二人三脚で症状を治療することが必要な場合もあります。
ときにはかゆみそのものを抑える内服薬を併用したり、傷を早く治すための軟膏などを処方されるケースも。 自己対処での改善が難しいと感じた場合は、早めに皮膚科受診を検討しましょう。

まとめ

なかなか治らない頭皮のかさぶた。
はっきりとした病原的なものでなければ、かきむしる癖やはがすことに快感を覚えてしまって症状を繰り返してしまうケースが少なくありません。 自分でその気持ちをコントロールできるなら良いのですが、難しい場合は医療の助けが必要になることもあるはず。
最近ではその原因も明らかになりつつあるので、かゆみを生じさせない薬を併用したり「かきたい」という気持ちを抑える内服を併用したりして、かさぶたの改善を目指す治療も出てきています。
あなたの症状や状態を分析して、自分にあった対処法を探し頭皮のかさぶたを治して、かさぶたが気にならない快適な生活を送りましょう。


監修者:繁和泉
看護師、予防医学士として17年。その中で毛髪再生外来の診療に携わる。薄毛にともなう患者さんのお悩みに寄り添いながら、医学的なアプローチも含め「長い目で見た」毛髪のための日常生活やケアについての指導を個別性に合わせて提供。 同時に、情報化社会の中でWEBコンテンツで「正しい情報をわかりやすく」発信することに精を出す。