髪の毛の毛周期とは?毛が生える仕組みと髪が抜けるまでのメカニズム

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皆さんは「毛周期」という言葉をご存知でしょうか。「ヘアサイクル」とも呼ばれ、髪の毛が生え変わる循環のリズムのことをさします。今回は「髪の毛はどうやって作られているの?」「毎日髪が抜けるけど、大丈夫?」など、気になる髪の毛が生えて抜けるまでのメカニズムや、毛周期についてご紹介しましょう。

「毛周期」循環する髪の毛のリズム

毛周期を循環する毛 毛周期(ヘアサイクル)とは、髪の毛が生えて抜け落ち、その後また生える循環のことです。諸説ありますが、一般的に髪のサイクルは男性で3~5年間、女性は4~6年間で一巡すると言われています。毛周期は成長期・退行期・休止期で構成され、プロセスは以下のとおりです。 「成長期」:髪の毛が伸びている時期。細胞分裂が行われ、たんぱく質が変化して髪の毛になり成長します。全体の8割程度が、この成長期の髪と言われています。 「退行期」:髪の成長が止まり始める時期。活発な毛母細胞の分裂が終わり、毛根が小さくなって行きます。男女ともに、退行期の期間は10~14日程度とされています。 「休止期」:毛根が縮小し、抜けるのを待つ時期。寿命を終えた古い髪が抜け、成長期に向けての準備が行われます。基本的には、10万本のうちの約10%にあたる1万本が休止期にあたり、抜けてから次の成長期に入るまで3カ月ほどの期間があります。

髪の毛が生える仕組み

古い髪が抜けて行くと同時に、頭皮の中にある毛根では、次の成長期に向けての準備が行われています。 髪の毛には、毛根の中に髪の毛をつくり出す「毛包」と呼ばれまる組織があり、最下部の玉ねぎのように膨らんだ場所に、「毛乳頭」と呼ばれる部分があります。毛乳頭は、毛細血管からの栄養分を、「毛母細胞」へ渡すはたらきと、髪の成長を促す、または止める指示を出す役割を担います。 指示を受けた毛母細胞は、細胞分裂を繰り返します。数多く分裂した細胞が、ケラチンと呼ばれるアミノ酸が結合してできたたんぱく質が髪へと変化し、毛根より上へと押し上げられ髪の毛(毛幹)となります。 生えてきた髪の毛の成長スピードは一日0.3~0.5ミリ、一年間で約15センチと言われており、毛根の数は遺伝によるもので基本的に変わることはないとされます。

髪が抜けるメカニズム

髪が絡まった櫛を差し出す女性 髪の毛が抜けるのは、休止期に入り寿命・役目を終えた髪の自然なメカニズムです。日本人の髪の毛は、約10万本生えていると言われています。このうち、毎日100本程度の髪の毛が抜けています。100本と言うと大量と思われますが、この本数は自然な生理現象の範囲とされています。 抜ける髪の毛には、大きく分けて2つの役割があります。1つは、頭部を急な気温変化や衝撃から守るクッションとしてのはたらき、もう1つは、汗などと同じく体にとって不要なものを体の外へ排出するはたらきです。 髪の毛は、重金属(水銀・鉛など)を取り込み、毛周期によって体外へ排出する役割を持ちます。髪は長く伸びますが、約2年から6年ほどを1つのサイクルとし、休止期を経て抜けて行きます。 役目を終えた髪が抜けることにより、新しく健康な髪を常に一定数に保ち頭部を守るのです。

おわりに

ここまで、毛周期(ヘアサイクル)と髪の生える仕組み、髪が抜けるメカニズムについてご紹介してきました。毛周期の循環リズムを追い髪の毛が生える仕組みを知ることで、自分自身の髪が今どんな状態なのかを意識したヘアケアができるのではないでしょうか。 毛周期が退行期をむかえれば髪は自然と抜け落ちますが、健康な髪もまた成長を続けています。役割を終えた抜け毛に対して不要に恐れることなく、生まれたばかりの髪や成長期の髪をケアしながら元気に育てて行きましょう。