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発毛・育毛剤などといった男性向けヘアケア分野の市場規模は日本だけで4430億円もあると言われており、この数字からも数多くの方が悩みを抱えていることが分かります。
そうした悩みを解決しようとアメリカのウィスコンシン大学マディソン校の研究者は帽子の下に薄くて柔軟な素材を被せるだけで毛が生えてくる「ウェアラブル育毛デバイス」という製品を開発しました。
今回は、そんな最新の薄毛治療法をご紹介します。
髪の毛の仕組み
「被るだけで毛が生えてくる」と言われているウェアラブル育毛デバイスは毛包の数が増加し、髪の毛を再生させる仕組みとなっています。
なぜ毛包の数を増やす必要があるのか。
まずは健康な髪の毛が生えてくる構造についてご紹介します。
髪はサイクル毎に生まれ変わる
髪は常に成長しているのではなく、一定の期間を過ぎると自然に抜け落ちていきます。
成長した髪の毛は自然に抜け落ち、抜け落ちたところからまた新しい髪の毛が生えてきます。
成長した髪の毛は自然に抜け落ち、抜け落ちたところからまた新しい髪の毛が生えてきます。
この繰り返しを「ヘアサイクル」と呼びます。
ヘアサイクルは成長期、退行期、休止期の3段階があり、髪はこの3段階のうちいずれかの状態にあります。
このうち成長期が一番長く、通常2~6年間続くと言われています。
しかし前頭部や頭頂部など限定した場所で起こる抜け毛や薄毛のAGA(エージーエー)の人は成長期が短くなるため、髪の毛が十分に成長しません。
また、犬や猫などの動物が毛の生え変わる時期が決まっているのと同じように、人間にも抜け毛が多くなる季節があります。
特に秋は、一年の中で最も毛が生え変わる時期だと言われています。「最近抜け毛が多くなったな」と感じる方は、ご自身の症状が自然現象なのかAGAなのかどうか見極めておくと良いでしょう。
髪は深部で生まれる
頭髪の構造は皮膚の上に出ている毛幹と皮膚の中に埋もれた毛根に分かれています。
毛根の深いところには、丸っこい毛乳頭と毛母細胞があり、それを毛包が包んでいます。
太い毛が作れない原因の一つとして、成長期の毛包が十分に成長せず、退行期、休止期に移行してしまい、毛包が小さくなっていくことが挙げられます。
毛包が小さくなってしまうと健康な髪が育たなくなってしまい、その結果、薄毛につながります。
頭に被るだけで髪の毛が生える
続いて、最近話題を呼んでいる頭に被るだけで髪の毛が生えてくるという「ウェアラブル育毛デバイス」についてご紹介します。
毛のないマウスに毛が生えた
アメリカのウィスコンシン大学マディソン校の研究者が開発したこの製品は、パルスで皮膚を刺激して毛包の数を増加させて、髪の毛を再生するものです。
この製品を遺伝子操作により、毛がない状態にしたマウスに使ったところ、発毛に成功したと報告されています。
製品を装着してから2週間後のマウスを見てみると、電極を貼った場所に満遍なく毛が生えてきているのです。
この電極から流れる電気パルスは非常に低いエネルギーなので、皮膚の表層にしか作用しません。
そのため、「フィナステリド」などの薬剤と違って性欲減退などの副作用はほとんどありません。
休眠した毛包を再活性化することは可能ですが、完全に毛根がなくなってしまっている場合は効果が望めません。
脱毛が進行中である場合は大きな効果が見込めるでしょう。
また、この製品に電力を供給するナノ発電機を装着することで装着者の体の動きによって電気を集める仕組みとなっています。
そのため、バッテリーや充電も不要となっているのです。
いますぐできる薄毛対策5選
最新の薄毛治療に期待が高まりますが、ウェアラブル端末での育毛は残念ながら今はまだ手軽に手に入れることができずハードルが高い方も多いかと思います。
なので、最後に今すぐできる薄毛対策についてご紹介します。
薄毛対策で一番重要なのは、日々の生活習慣の見直しです。知らず知らずのうちに髪の毛に悪い影響を与えてしまっている可能性があるかもしれません。
食生活の見直し
髪の毛の主成分は、タンパク質。薄毛対策に効果的なのは、毛の成長に必要なタンパク質を豊富に含んでいる肉や魚、卵、大豆などの製品を食べることです。
また、タンパク質を作るのに欠かせないビタミンや亜鉛などが含まれる食べ物も一緒に摂取することが大事です。
野菜や豚肉、大豆などには血流を促進させ、頭皮環境を整えるビタミンが入っています。髪を作るうえで基本となる亜鉛は、レバーやカキ、魚介類などに多く含まれています。
一方、皮脂が過剰に分泌され、頭皮環境を悪化させる糖分や、皮脂の血流を悪化させる塩分、脂肪分の摂りすぎには気を付けましょう。
睡眠の質を上げる
髪の成長に必要不可欠なのは、睡眠中に分泌される成長ホルモンです。
質の高い睡眠をとるためには成長ホルモンの分泌量が最も増える午後10時から午前2時を含む6時間程度の睡眠時間が必要です。
また、就寝前のこの時間帯に何か食べてしまうと消化を促すために血流が腹部に集中し、頭皮に栄養が行きづらくなってしまうので、食事をする時間にも注意が必要です。
就寝前には、スマートフォンなどから出るブルーライトを浴びてしまうと深い眠りにつきにくく睡眠不足となってしまいます。就寝前にはリラックスできる環境を整えましょう。
タバコやお酒を控える
タバコに含まれるニコチンは、頭皮に悪影響を及ぼします。
タバコを吸うとニコチン作用で血管が収縮し、血の流れが悪くなってしまいます。
ニコチンの影響で細くなった毛細血管では、頭皮や毛母細胞に十分な酸素を届けられなくなり、その結果、毛髪が作られなくなってしまいます。
また、タバコの煙に含まれる一酸化炭素も髪への負担が大きいことがわかっています。一酸化炭素もニコチンと同様に血流を悪くする原因となります。
また、お酒は薄毛の直接的な原因にはなりませんが、髪の健康を保つ上で心身の健康を維持することが大事ですので、飲み過ぎには要注意です。
自律神経を整える
自律神経とは、内臓や血管といった臓器の働きを調節し、心身の調子を整える役割を担っています。
ストレスや睡眠不足などで自律神経が乱れると血行不良や睡眠不足を引き起こします。
その結果、抜け毛が発症してしまうので、抜け毛が多い方は自律神経を整えることが大事です。
自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」があります。
交感神経は、日中の活動的なときに活発になる神経で、緊張状態を作ります。
一方、副交感神経は、心身を休めるときに活発になる神経です。
2つの神経のバランスを取ることで、健康的な生活を送ることができます。
しかし、ストレスを受け続けてしまうと交感神経は常に働いてしまいます。
そうなると血流の流れが悪くなり、栄養が頭皮にまで行き届かなくなってしまいます。また、髪の成長に必要な深い眠りにつけなくなってしまうことにつながりかねません。
自律神経の乱れは、健康面においても影響を及ぼしますので、なるべくストレスのかからない働き方や生活をすることを心がけましょう。
正しいシャンプー法で頭皮を洗う
頭皮ケアの基本はシャンプーです。洗髪は毎日することですし、薄毛で悩んでいる人は無意識に頭皮に負担をかけている場合があるので、見直してみましょう。
洗浄力が強いシャンプーは、多めの量を使ってしまうと流しきれず、頭皮の毛穴詰まりの原因となってしまいます。
また、頭皮がかゆいからといって、爪を立ててゴシゴシ洗ってしまうと頭皮を傷つけしまうほか、乾燥を招いてしまいます。
シャンプーをする前は、ブラシを使って髪のもつれを解きましょう。ブラッシングすることで、頭皮についたホコリを落として、付着している汚れも落ちやすくなります。
シャンプーする前には、お湯で2分ほど髪をすすぎ、髪全体をぬらしていきましょう。
指の腹で頭皮を軽くマッサージするようにすれば、これだけで髪の汚れの半分以上が落ち、シャンプーの泡立ちが良くなります。
シャンプー剤は500円玉くらいのサイズを出して、手のひらでしっかりと泡立てましょう。
髪自体を洗うのではなく、頭皮にもみ込むようにして洗っていくことで汚れが落ち、血行促進にもなります。
シャンプーした後は、タオルで水分を十分に拭き取ってから、しっかりと頭皮を乾かしましょう。
自然乾燥で頭皮が湿っている時間が続いてしまうと雑菌が繁殖し、頭皮湿疹やニオイの原因にもなるので、必ずドライヤーを使用しましょう。
まとめ
この記事では、アメリカのウィスコンシン大学マディソン校の研究者が開発した被るだけで、毛が生えてくる「ウェアラブル育毛デバイス」という製品についてご紹介しました。
薄毛の原因はさまざまですが、毛穴やその周りの状況によって髪の毛の健康状態が変わってきます。
薄毛で悩んでいる方は、最新の薄毛治療をチェックしつつ、まずは今すぐできる食習慣やシャンプーの方法など日々の習慣を見直しから始めてみてはいかがでしょう。