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2018年の流行語大賞にノミネートされたこともあり、「グレイヘア」が認知されてきています。これまでの白髪は「隠す」のが当たり前でしたが、グレイヘアは白髪を堂々と「見せる」スタイル。この逆転の発想が「自分らしく生きる」ことを大切にする現代の風潮ともマッチしているため、グレイヘアは時流に乗って支持されているのでしょう。自然体でいることが支持されるすばらしい時代になってきたと言えます。
しかし、これに対して「いつまでも若々しい黒髪でいたい」という願いもまた自然な想いです。白髪には「老化」というマイナスイメージが長くつきまとってきましたから、簡単に受け入れられない方も多くいるでしょう。そのため見つけ次第、白髪を抜いたり、白髪を切ったり、あるいは染めたり。白髪を撃退するためにみんなそれぞれの方法で白髪と日々向き合っています。
そこで今回は、そんな白髪について特集します。白髪についての理解を深めることで、白髪との向き合い方や付き合い方が少し変わるかもしれません。白髪へのマイナスイメージが強いのは根拠のない迷信のせいかもしれません。ぜひ確かな情報をインプットしてください。
白髪はなぜできる
まず白髪の生まれてくる理由を簡単に理解しましょう。基本的に髪の毛の色はメラニン色素の働きによって変化します。つまり白髪の主な原因は、メラニン色素が多いか少ないかによるところが大きいのです。多ければ色が濃くなり、少なければ薄くなります。
なおメラニン色素には「ユーメラニン」と「フェオメラニン」の2種類があり、前者が多いと日本人のような黒髪になり、後者が多いと西洋人のように明るめの髪色になります。
では、メラニン色素の量や働きは何によって決まるのでしょうか。白髪ができる具体的な原因は大きく以下の3つに分けられます。
①加齢
加齢によって肉体の機能が低下すると、メラニン色素も作りにくくなります。ただし加齢による白髪には個人差があります。
②遺伝
若白髪の生える人と生えない人で差があるように、加齢や生活習慣とは別の要因で白髪が生えてくることがあります。 これは遺伝の影響が大きいといわれています。③生活習慣・ストレス
栄養不足や睡眠不足、ストレス過多などによる不健康な生活は白髪の原因だと考えられています。また、薬の副作用や病気により白髪が増えることもあります。白髪に関わる迷信
白髪への正しい理解をさまたげているのが、不思議と広まっている白髪にまつわる噂の数々です。信じるに値する噂なのか、はたまた根拠のない迷信なのか。ここで明らかにしておきましょう。昆布やわかめなどの海藻を食べると髪が黒くなる
迷信です。現段階で、医学的・科学的な根拠はありません。海藻類はビタミンやミネラルを多く含むため健康には良いですが、白髪の発生と直接的に結び付くわけではありません。
白髪は抜くと増える
迷信です。現段階で、この医学的・科学的な根拠はありません。白髪を切る派の人は、抜くと増えるという噂を信じて白髪を切っているのかもしれませんが、切っても抜いてもどちらでも大丈夫です。髪の毛を抜くこととメラニン色素の働きとは無関係なのです。
白髪の人は薄毛になりにくい
どちらとも断定できません。くり返しになりますが、髪の毛は一本ずつが独立した存在のため、髪の毛が抜けることとメラニン色素の働きとは関係がありません。よって基本的には白髪と薄毛は無関係といえます。
一方で、白髪は黒髪と異なり産毛化しにくいという研究結果もあります。通常、髪の毛は加齢にともない、細くやわらかく産毛化していきます。この産毛化が薄毛の主な原因です。ところが白髪が産毛化しにくいということは、薄毛になりにくいということを意味します。なので、こちらの説をふまえると「白髪の人は薄毛になりにくい」ともいえるのです。