10円はげができるのはなぜ?その原因

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自分では気がつきにくく家族や友人、美容室で指摘されて気づくことの多い「10円はげ」。
「最近抜け毛が多かった気はする…」
「忙しくてストレスがひどかったからかな…」
「見えない部分で気がつかなかった…」
とビックリされる方も少なくありません。
「このまま治らなかったらどうしよう」「もっと増えてきたらどうしよう」と心配になってしまうはず。
症状がおさまり髪の毛が元通りに生えてくるまでもある程度の時間を要しますし、早めに改善したいところですよね。
そこで今回は10円はげの原因から、改善に向けてできることまで深堀して解説します。
まずは10円はげができる原因からみていきましょう。

自己免疫疾患

10円はげの原因は長らく原因不明とされてきましたが、近年になり最も有力な説は「自己免疫疾患」です。
通常であれば免疫細胞として自分の体を守ってくれるはずのTリンパ球が、異常のない正常な細胞を誤って攻撃してしまうのが自己免疫疾患。 その攻撃対象が毛包の細胞になったときに、髪の毛の一部が抜け落ちてしまい10円はげにつながります。
通常は感染した細胞に対して排除するように働くために必要な免疫細胞ですが、なんらかの原因で誤って正常な細胞を攻撃してしまうことで健康な髪の毛も抜け落ちてしまいます。
この異常が発生する原因はいまだに解明されていないのが現状です。(2023年2月現在)

ストレスにさらされている

人はストレスにさらされていると交感神経が優位になり、緊張状態が続きます。 逆にリラックスすると副交感神経が優位な状態に切り替わります。
自律神経の働きが交互に作用し体のバランスを保っているのですが、ストレスを過剰に受けてしまうと交感神経の優位な状態が多くなってしまうのです。
交感神経の優位な状態が続くと、血管が収縮してしまうので血流が悪くなり頭皮に栄養素や酸素が行き渡らなくなってしまいます。
その結果、薄毛や細毛、抜け毛につながる要因になるのです。

アトピーの症状がある

アトピー性皮膚炎の症状がある方は注意が必要です。 10円はげができた人の40%以上はアトピー因子を持っているとされています。
アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、喘息、などのアトピー因子を持っている方は10円はげとの深い関連も示唆されているので特に気をつけなくてはなりません。

遺伝している

髪質なども、両親や祖先からの遺伝によって受け継がれています。 10円はげも同様に両親や祖先から遺伝として引き継いでいる可能性もあります。
統計によると円形脱毛症の患者の8.4%は親族内に同様の症状を発症しているとされており、親類が近いほど発症率が高くなるという結果がでています。

ホルモンの変化が起きている妊娠中の女性

妊娠から出産までの間で女性ホルモンは大きく増減します。 妊娠すると女性は今までの100倍ものホルモン値が増加し、出産を終えるとガクッと元の数値に戻っていくのです。
女性ホルモンが増加しているときは髪の毛が抜けにくくなるため気にならないことも多いのですが、産後しばらくするとホルモン値が下がり抜け毛が多くなります。
妊娠中にストレスを抱えていたり栄養バランスが悪いと、10円はげができやすい環境に。 ホルモンの影響だけであれば時間とともに元に戻るのでそこまで心配する必要はありません。
髪の毛が抜けにくくなるはずの妊娠中に症状がでる場合は、強いストレスを感じているか栄養不足によって脱毛症を引き起こしている可能性があります。

栄養不足

食事は髪の毛にとっても大切な栄養源。髪の毛や頭皮の健康を守るうえでも栄養不足は大敵です。
髪の毛を生成するための毛母細胞にも栄養が行き渡らなくなり、抜け毛や薄毛の原因につながります。

10円はげの兆候?早期発見する方法

10円はげができる兆候はいくつかあります。
チェックリストを確認してみて2個以上当てはまる場合は、見えないところを誰かにチェックしてもらうと良いでしょう。
・最近髪のハリコシがなくなった気がする
・親族に薄毛や細毛の人がいる
・抜け毛が増えた
・生え際が広くなった
・短い髪の毛が増えた
10円はげは残念ながら自分で見えない場所にあることも多く、確認しづらいのが難点。 そこでおすすめなのはあらかじめ美容室で見つけたら報告してもらえるようにお願いしておくことです。
気を使って言わない美容師さんもいるので、脱毛部分を見つけ次第教えてもらえるように頼んでおくと確実です。
また先ほどのチェックリストで気になる点が増えたときに、友人や家族に見えない部分を見てもらうのも早期発見につながります。

10円はげが進むとどうなる?現れる症状

10円はげができてから症状が進んでいくとどうなるのでしょうか。
詳しい症状をご紹介していきます。
・10円はげの初期症状
なかには初期症状が全くなくいつのまにか進行してしまうこともあります。
よくある初期症状は「通常時よりも抜け毛が増加」することが多い傾向にあります。 まれに赤みがでたりかゆみが気になる場合もあるようです。
・10円はげの進行中の症状
症状が進行してくると、寝具に普段よりも多い抜け毛がついていたり、頭皮がピリついたり抜けた髪の毛の根元が細くなっていたりと今までとは違った症状がでることがあります。
10円はげは脱毛症の中でも一番多い単発型とよばれる脱毛症です。 範囲が狭く目立ちにくいのですが範囲が広がると注意が必要です。

円形脱毛症のタイプ・種類

円形脱毛症の種類は以下の通り。
円形脱毛症のタイプは下記のように分類されています。
軽症…多発型、単発型
重症…多発型、蛇行型、全頭型、汎発型
単発型…1箇所の脱毛
多発型…2箇所以上の脱毛
蛇行型…蛇のような形で脱毛が起きる
全頭型…頭部全体の髪の毛が抜け落ちてしまう
汎発型…頭部以外の眉毛やまつ毛などの体毛にも脱毛が広がる
・円形脱毛症(斑状型)
円形脱毛症とは髪の毛の一部が円形状に抜けてしまう脱毛症です。
免疫細胞のリンパ球が誤って正常の細胞を攻撃してしまうことが原因とされていて髪の毛が抜け落ちてしまいます。 突然発症するケースも多く範囲も少ないので、目立ちにくいのが特徴です。
・壮年性脱毛症
壮年性脱毛症は壮年期の30〜40代によく発症する脱毛症のことを指します。 AGAや男性型脱毛症ともよばれており、髪の毛の生え際や頭頂部から少しずつ髪の毛が薄くなっていくのが特徴で、加齢によって変化するホルモンの影響を受けます。
・びまん性円形脱毛症
びまん性脱毛症は部分的にではなく、髪の毛が全体的にボリュームダウンして毛量が減少していく脱毛症で女性に多く見られます。 女性ホルモンの影響で起こるとされているため、男性に多い生え際や頭頂部が薄くなるAGAとは特徴が異なります。

10円はげは自然治癒する?自分でできること

10円はげができてしまったらどうしたらよいのでしょうか。
そのまま放っておいても自然に治るのか、なにかできることはないのか詳しくみていきます。

自然治癒するかどうかは状態による

10円はげができても脱毛の範囲がそれ以上広がることがない場合は、特別な治療をしなくても自然治癒で元に戻っていくこともあります。 狭い範囲での脱毛症の場合、8割の方が1年以内に治癒していると言われています。
しかし、脱毛の範囲が広がってしまったりいくつも10円はげができて増えてしまったりと目に見えて悪化する場合は、重度の脱毛症の恐れもあるので病院での治療を検討しましょう。

生活習慣を見直す

脱毛症を改善していくために一番手軽に取り入れることができるのが、生活習慣の見直しです。 頭皮環境が乱れてしまうと元気な髪の毛が生えにくくなってしまい、脱毛症からの回復も遅れてしまいます。
運動不足、睡眠、食生活どれかが乱れると頭皮の血流が悪化し、毛根に栄養が行き渡らなくなってしまいます。 普段から健康的な生活になるよう心がけるだけでも、回復のスピードも違うはずです。

かつらをつける

10円はげが隠しにくい場所にあったり、症状がなかなか改善に向かわない場合はかつらをつけてカバーしてあげるのも対処法の1つ。 脱毛症はストレスとの関係も指摘されていることから、脱毛の部分を気にしすぎてしまうとそれ自体もストレスとなってしまいます。
医療用のウイッグや部分的にカバーできるものなど、近年では地毛になじむような自然なタイプのかつらも多いです。 状況に応じて取り入れてみてストレス軽減を試みましょう。

ストレスを発散する方法を見つける

ストレスを強く感じてしまうと交感神経が優位になり血流が悪くなるだけではなく、自己防衛が働いて自己免疫疾患の脱毛症には症状を悪化させてしまう恐れがあるのです。 そこで日頃から過度にストレスを溜めないように、リラックスしたり発散する方法を自身で見つけておきましょう。

頭皮を清潔にしてマッサージする

頭皮環境を整えるうえで、適切に皮脂や汚れを除去してあげ頭皮を清潔に保つことが大切です。
毎日のシャンプーに加えて定期的にスカルプシャンプーなどを取り入れるとさらに毛穴までしっかりとキレイにすることができます。
同時に頭皮をマッサージして血流を促しながら、ほぐしてあげることも効果的。 脱毛にお悩みの方は頭皮が硬くなっている傾向にあるので、頭皮を動かして張りをほぐすことで栄養素が行き渡りやすくなります。

重度の場合はクリニックで治療を受ける

様子をみてもなかなか改善がみられなかったり、症状が悪化している場合は重度の脱毛症の可能性があります。
その場合は自分で判断せずにクリニックで治療を受けることを検討しましょう。 クリニックでの治療内容は以下のようなものがあります。
・外用薬治療
外用薬は即効性がないのですが、副作用も少なく取り入れやすい治療になります。 軽症であれば外用薬のみで改善がみられることもありますが、重症の場合はほかの治療と併用していくケースが多くなります。
・内服薬治療
内服薬を使用する際は抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬、ステロイド内服薬など症状に合わせて処方されます。 ステロイド内服薬は発毛促進の効果も認められており脱毛の改善につながるとされています。
・レーザー・光治療
紫外線を利用したレーザーや光治療も脱毛症によく使われる治療法になります。 週に2〜3回ほどの通院が必要になり、症状の状態をみながら回数を調整していきます。 治療期間は数カ月から1年以上かかることもあります。
・注射療法
頭皮に直接ステロイドを注射していく治療法です。 自己免疫疾患の原因となるTリンパ球の攻撃を抑える作用があり、定期的に続けることで症状の改善が見込めるのです。
ステロイドの副作用が重症になってしまうと治療を行えなくなってしまうデメリットもあるので、様子をみながら治療していく必要があります。
・局所免疫療法
薬剤によってわざと幹部に炎症を起こさせて、免疫細胞の攻撃を炎症の方に向かせる治療法です。 脱毛の範囲が広い場合に用いられる治療ですがアトピーや皮膚疾患がある場合、症状が悪化してしまう可能性もあるので注意が必要です。
・サプリメント
サプリメントは医薬品ではないので脱毛症を治すことはできません。 しかし、症状の改善のために必要な栄養素をねらって摂取することができるので頭皮環境を整えるサポートとして活用するのもおすすめ。
ドラッグストアなどでも手軽に入手できるのでタンパク質、亜鉛、ビタミン系など髪の毛に必要な栄養素を選んでみましょう。

まとめ

円形脱毛症は誰にでも起こりうる疾患ですが、治らない疾患ではありません。 さまざまな原因によって引き起こされます。
脱毛が起きていることに過度なストレスを抱えてしまうと悪循環となり、改善に時間を要してしまうこともあります。 なかなか難しいかもしれませんが、ストレスにならないように気楽に過ごせるよう心がけてみてください。
改善方法や自分でできることもたくさんあるので、できることから実践して取り入れてみましょう。
それでもあきらかに悪化してしまう場合は、速やかに病院受診を検討してください。 初期対応が早い程改善も早いといわれています。
また、1人で悩むよりも人と共有することでストレスを減らすことができる場合もあるので、環境を整えることも大切です。