【医療監修あり】アンダーヘアに白髪?理由やケア方法を解説

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アンダーヘアに白髪を見つけると驚きや不安、老化を感じることがあるでしょう。
これからますます白髪が増えてしまうのでは?とショックを受ける人も少なくありません。
白髪を目立ちにくくしたり、できるだけ増えないような対策をするためには、白髪の原因や仕組みを理解することが大切です。
この記事ではアンダーヘアの白髪のメカニズム、原因、そして具体的な対策方法について詳しく解説します。

白髪のメカニズム

アンダーヘアの白髪は、髪の毛に生える白髪と同様に、色素細胞の減少や機能低下によって発生します。 アンダーヘアに限らず、白髪になるのには理由があり、その大きな要因に「毛根の色素細胞の働き」が関わっています。
毛根の色素細胞(メラノサイト)がメラニンを生成して毛に色をつけますが、加齢や生活習慣の影響で色素細胞の働きが低下したり、機能が失われると、毛は色を失い白髪になります。
東京医科歯科大学難治疾患研究所「西村栄美教授」の研究 によると、色素幹細胞の維持には毛包幹細胞が分泌するTGF-βというたんぱく質が重要だということがわかりました。
この因子が不足すると、色素幹細胞が分化しなくなり、白髪になるのです。
さらに毛包幹細胞の維持には17型コラーゲンという物質も重要な役割を果たしています。 この17型コラーゲンが不足すると、白髪と脱毛が進行することもわかりました。

アンダーヘアが白髪になる原因

アンダーヘアが白髪になるメカニズムは、色素細胞の本来の機能である「着色をすること」ができなくなっているからです。 着色機能が保てなくなる原因にはいくつかの要素が考えられます。

加齢

アンダーヘアの白髪は、一般的には加齢が最もな原因と考えられています。 年齢とともに毛包内の色素細胞の機能が低下し、メラニンの生成も減少して白髪になります。
アンダーヘアに白髪が生え始めるのは平均40代といわれていますが、早ければ20〜30代の人にも見られます。 アンダーヘアは環境要因による影響は受けにくいため、アンダーヘアの白髪発生要因はほぼ加齢現象であると考えられています。

生活習慣

アンダーヘアは紫外線などの影響は考えにくいですが、下着の擦れなどによる摩擦ダメージで色素細胞の機能に影響を及ぼす可能性は考えられます。
また、ストレスや栄養不足も白髪の原因となります。
ストレスはホルモンバランスを崩し、色素細胞の機能を低下させることがあります。 さらに、ビタミンやミネラルの不足も色素細胞の働きに悪影響を与えます。

遺伝

遺伝的要因も可能性の一つとして考えられてはいますが、現在のところ医学的な根拠はありません。(2024年8月現在)
しかし、不明ながらも頭髪の白髪は遺伝的要因が強い場合があるとされているため、アンダーヘアも家族からの傾向を引き継ぐ可能性は考えられます。 現段階ではあくまで可能性くらいの認識にとどめておいて良いでしょう。

病気

疾患によってはアンダーヘアの白髪を引き起こすこともあります。 自己免疫疾患や甲状腺機能にまつわる疾患、貧血などが色素細胞の機能に影響を与えることがあるためです。
ですが、基本的には数本程度の白髪なら過度な心配はいりません。 そもそも何かしらの疾患が要因でアンダーヘアの白髪につながっているならば、その他の身体的な症状が出ているはずです。

白髪になってしまったアンダーヘアは元に戻る?

白髪になる原因には、色素細胞の働きが機能しています。白髪が元に戻るかどうかは、その原因にもよります。
色素細胞の働きがあるのに、栄養が不足して色素の産生ができない場合や、一時的に機能が低下している場合などは、原因の修正により再度色が戻ることもあります。
例えば、生活習慣や栄養不足が原因で白髪になった場合、適切な栄養補給やストレス管理によって再び髪色が戻るのと同じように、アンダーヘアの白髪も戻ることがあります。 また、一時的なホルモンバランスの乱れが原因で白髪が生じた場合、バランスが整うことで色が戻ることも十分にあり得るのです。
一方、加齢が原因で色素細胞の機能が低下したり、機能が失われたことにより起こる白髪の場合は基本的に黒髪に戻ることは期待できません。
白髪の改善を試みる場合、まずは栄養補給や生活習慣の見直しが大切です。 ビタミンB群や亜鉛、鉄分を含むバランスの良い食事を取り、十分な睡眠とストレス管理を行うことを心がけましょう。

アンダーヘアの白髪予防

アンダーヘアの白髪予防に、明確なエビデンスがあるものは現在のところ見つけられませんでした。(2024年8月現在)
しかしながら、環境要因からリスク要素をできるだけ排除したり、アンダーヘアの健やかな育毛をサポートする生活を意識することで多少なりとも予防が期待できます。
アンダーヘアの白髪予防には生活習慣の意識が重要です。バランスの良い食事、ストレス管理、適切なケアを心がけましょう。

栄養バランス

ビタミンB群、亜鉛、鉄分などを含む食事は育毛につながる栄養素です。 これらの栄養素は毛髪の健やかな成長を促進しますが、同じメカニズムで成長するアンダーヘアにも効果的と考えられるでしょう。
例えば、レバーや赤身の肉、豆類、ほうれん草などを日常的に摂取することで、必要な栄養素を補うことができます。

ストレス管理

ストレスは白髪の大きな要因となるため、適切なストレス管理が必要です。
日常生活で心身のリラックスを適度に取り入れ、ストレスを軽減しましょう。 また、趣味や休息時間を持つことで、日々のストレスを蓄積しないようにしましょう。

適切なケア

アンダーヘアの健康を維持するためには、適切なケアも必要です。 アンダーヘア専用のシャンプーやコンディショナーを使用し、定期的なケアでアンダーヘアの健康につなげましょう。

既に生えているアンダーヘアの白髪対策

既にアンダーヘアに白髪が生えていて、気になっている場合にはいくつかの対処法があります。 自分の生活の中で手軽に取り入れられる方法で、白髪対策をしてみてください。

根元近くでカット

生えてきてしまった白髪をなくすために、根元近くでカットする方法があります。 これは一時的な解決策ですが、手軽に行えるため誰にでもおすすめできる方法です。
しかしながら、根本的な解決方法ではなく、伸びてくるのを確認したら都度お手入れをしなくてはならないので手間はかかります。
また、陰部付近に生えてきた場合、デリケートな粘膜などを傷つけないようにカットの際は注意が必要です。

医療脱毛(蓄熱式)で除去を期待する

一般的なエステで行われている脱毛はフラッシュ(光)脱毛と呼ばれる方法で、そもそも永久的な脱毛効果は見込めません。 また、白髪には効果のない脱毛手段なので意味がないでしょう。
対して医療機関で行われているレーザー脱毛ですが、こちらも体毛の色素に反応して処理するため、基本的に白髪には効果がありません。 しかし、蓄熱式タイプの機械であれば、産毛にも反応するため多少なりとも白髪に対する効果が期待できるかもしれません。
しかし、これも白髪になりかけの多少色素が残っている状態なら効果が期待できますが、完全に白くなってしまった白髪では難しいでしょう。

針脱毛(ニードル脱毛)で確実に処理する

現段階で確実に白髪脱毛ができる唯一の手段です。 医療機関のみでできる、医療資格を持つスタッフが直接アプローチして脱毛する方法です。
白髪が生えている毛穴にダイレクトに極細の針を刺し、毛根を焼灼します。 毛を生やす細胞そのものがダメージを受けるため、永久的な脱毛が可能です。
しかしながら技術提供できる施設が限られていることや、脱毛時に痛みが生じるなどのデメリットもあります。

ブラジリアンワックス で定期的にお手入れする

脱毛と違って、可逆的にアンダーヘアの白髪を処理できる方法がブラジリアンワックスです。 全てのアンダーヘアの処置ができる一方で部分的な処置も可能。
しかし、白髪一本だけの脱毛を希望する際には、かなりの技術を要するため、処置が可能なサロンを吟味する必要があるでしょう。

陰毛用ウィッグ

近年では陰毛用ウィッグという商品も流通しています。
陰毛用ウィッグは、テープや接客剤などで陰部に固定して使用します。 白髪がフロント部分に目立つようなら白髪を隠すための解決策として利用できるでしょう。
さまざまなデザインやカラーバリエーションがあり、自分の好みやスタイルに合わせて選ぶことができます。 また、簡単に着脱できるため、手軽に見た目印象を改善することが可能です。

アンダーヘアの白髪対策NG行為

デリケートな場所であるアンダーヘアの白髪対策。 自己対策において避けておきたい方法もあります。

頭髪用の白髪染めは使わない

頭髪用の白髪染めをアンダーヘアに使用するのは危険です。 アンダーヘア周辺の皮膚は非常に薄くデリケート。
頭髪用の染料は刺激が強すぎるため、かぶれや炎症を引き起こすリスクがあります。 特に外陰部の皮膚は非常にデリケートで、小陰唇などの粘膜と隣り合わせで敏感な部位です。
万が一、白髪染めがついた際に皮膚トラブルが発生する可能性もあり、医療機関での治療が必要になる事態も起こり得ます。
頭皮や額周りとは比べ物にならないほどデリケートなアンダーヘアの染色に頭髪用の白髪染めの使用は避けた方が良いでしょう。

抜く

白髪を抜くこともできれば避けたいところです。毛を抜く行為は毛根周辺にダメージを与えます。 アンダーヘアは排泄物からの汚染も生じやすいため、炎症や感染症のリスクを高めます。
さらに、抜くことで毛穴に負担がかかり炎症を引き起こし、毛根周辺の血流が悪化し、さらなる白髪への影響を及ぼす可能性があります。

剃る

アンダーヘアの白髪を剃るのも注意が必要です。 アンダーヘアの部位は平坦ではないため、剃ることで皮膚を傷つけるリスクが高くなります。
また、皮膚に微小な傷ができ、それが感染症の原因になることもあります。 したがって、剃ることもできれば避けたい選択肢です。

まとめ

アンダーヘアの白髪は、加齢を始めとした生活習慣などさまざまな要因によって発生します。 予防や対策として、栄養バランスの取れた食事、ストレス管理、適切なケアが重要です。
既に生えてきた気になる白髪には、根元近くでカットする、医療脱毛や針脱毛を検討する、陰毛用ウィッグを活用するなどの方法があります。
頭髪用の白髪染めや抜く行為は避け、適切な方法でアンダーヘアの処理をしましょう。


監修者:繁和泉
看護師、予防医学士として17年。その中で毛髪再生外来の診療に携わる。薄毛にともなう患者さんのお悩みに寄り添いながら、医学的なアプローチも含め「長い目で見た」毛髪のための日常生活やケアについての指導を個別性に合わせて提供。 同時に、情報化社会の中でWEBコンテンツで「正しい情報をわかりやすく」発信することに精を出す。