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猫っ毛とは、1本1本の毛が柔らかくしなやかな髪質が特徴ですが、その反面デリケートな性質を持っています。
この性質から、猫っ毛で美しい髪を維持するためにはヘアケアも色々と考えなくてはなりません。
この記事では猫っ毛の由来や特性を掘り下げながら、適切なヘアケア方法について解説しています。
特にヘアオイルとヘアミルクの2つを比較し、効果的な使い方のポイントまでご紹介。
デリケートな猫っ毛に最適な製品の中から、あなたの髪質に合ったヘアケアを見つけ、健やかで美しい髪を育てましょう。
猫っ毛とは?
「猫っ毛」とは、その名の通り猫の毛質のようにふわふわとした髪の毛のこと。
一般的に猫っ毛の髪は細く柔らかいため、ボリュームが出にくいのが特徴です。
また、非常にデリケートな性質を持ち、湿気や乾燥にも敏感です。
外部からのダメージを受けやすいため、適切なヘアケアが重要と言えるでしょう。
猫っ毛のキューティクル
髪の毛は3層構造になっており、最も外側の部分にある「キューティクル」は髪を外部刺激から守る役割を担っています。
一般的にキューティクルは5枚以上重なり合っており、枚数が多いほど髪が太く感じられます。
一方、猫っ毛はこのキューティクルが約3枚以下と少ないため、外部からのダメージを受けやすい傾向にあります。
猫っ毛は遺伝?
生まれつき猫っ毛の場合、遺伝的な要因が大きく影響しています。
親や祖父母などに猫っ毛の人がいると、その遺伝子を受け継ぎ、髪質を決定する要因のひとつとなります。
髪の太さや強さは遺伝によって決まる部分が大きいため、猫っ毛を根本的に変えることは難しいですが、適切なケアで美しい状態を保つことは可能です。
髪の毛が細い分、取り扱いやすい傾向にあると言えるでしょう。
ヘアダメージで猫っ毛になる
髪の生育環境を左右する日常生活の過ごし方やヘアダメージも髪質に影響します。
髪のハリやコシにつながる外側のキューティクルや、内部の構造体であるコルテックスにダメージが及ぶと、髪が細く弱々しくなり猫っ毛のようになります。
髪のハリやコシにつながる外側のキューティクルや、内部の構造体であるコルテックスにダメージが及ぶと、髪が細く弱々しくなり猫っ毛のようになります。
以下にヘアダメージを加速させ、猫っ毛を引き起こす要因の例を挙げます。
①過度なスタイリング
ヘアアイロンやドライヤーなど、髪の毛に頻繁に熱が加わると、熱ダメージで髪が傷む原因になります。
ヘアアイロンやドライヤーなど、髪の毛に頻繁に熱が加わると、熱ダメージで髪が傷む原因になります。
②パーマやヘアカラーなどの化学処理
パーマやヘアカラーなどの化学処理は、髪の内部の化学的な結合が切断され構造が弱くなります。 キューティクルの傷みも進み、内部の成分が流れ出やすくなり、ハリやコシがなくなり猫っ毛の一因となります。
パーマやヘアカラーなどの化学処理は、髪の内部の化学的な結合が切断され構造が弱くなります。 キューティクルの傷みも進み、内部の成分が流れ出やすくなり、ハリやコシがなくなり猫っ毛の一因となります。
③不適切なヘアケア
髪に合わない製品を使用すると髪へのダメージが蓄積されます。 また、頭皮環境の悪化などが髪の生育にも影響し、猫っ毛につながることもあります。
髪に合わない製品を使用すると髪へのダメージが蓄積されます。 また、頭皮環境の悪化などが髪の生育にも影響し、猫っ毛につながることもあります。
頭皮環境や髪の生育環境により猫っ毛になることも
頭皮環境が悪く、毛穴が詰まっていると健やかな髪が生えることができなくなり、猫っ毛につながる要因のひとつになります。
また、栄養状態が悪いと髪への血流不足で髪の生育環境が悪くなり、細く弱々しい髪の毛が増えてしまいます。
また、栄養状態が悪いと髪への血流不足で髪の生育環境が悪くなり、細く弱々しい髪の毛が増えてしまいます。
加齢、ホルモンバランスの変化
加齢も猫っ毛の原因のひとつです。
年齢を重ねると髪の成長サイクル(ヘアサイクル)が変わり、髪が細くなりやすくなります。
また、ホルモンバランスの変化も髪質に影響し、猫っ毛を引き起こすことがあります。
年齢とともに髪のケア方法を見直し、そのときどきの状態に応じた製品を使用することが重要です。
年齢とともに髪のケア方法を見直し、そのときどきの状態に応じた製品を使用することが重要です。
猫っ毛のメリット・デメリット
猫っ毛特有のメリット・デメリットを理解し、最大限に活用することで適切なヘアケアをしましょう。
猫っ毛のメリット
猫っ毛の最大の特徴と言えば、そのしなやかさ。
しなやかな毛質だからこそのメリットを活かしましょう。
①柔らかい質感
猫っ毛は非常に柔らかく、触り心地が良いです。 このため、ナチュラルで優しい印象を与えることができます。
猫っ毛は非常に柔らかく、触り心地が良いです。 このため、ナチュラルで優しい印象を与えることができます。
②軽やかなスタイル
猫っ毛は軽いため、ふんわりとしたスタイルを作りやすいです。 エアリーなヘアスタイルが得意な髪質と言えるでしょう。
猫っ毛は軽いため、ふんわりとしたスタイルを作りやすいです。 エアリーなヘアスタイルが得意な髪質と言えるでしょう。
猫っ毛のデメリット
一方で、髪の毛が柔らかいからこそのデメリットもあります。
特徴を抑えることでヘアケアの選択肢を絞りやすくなるでしょう。
①ボリューム不足
猫っ毛はボリュームが出にくく、ペタッとした印象になりがちです。 ボリュームを出すためのスタイリングは苦戦するでしょう。
猫っ毛はボリュームが出にくく、ペタッとした印象になりがちです。 ボリュームを出すためのスタイリングは苦戦するでしょう。
②ダメージを受けやすい
髪の毛が細く、キューティクルが薄いこともありダメージを受けやすく、切れ毛や枝毛が発生しやすいです。
髪の毛が細く、キューティクルが薄いこともありダメージを受けやすく、切れ毛や枝毛が発生しやすいです。
③湿気に弱い
キューティクルが薄いため外部刺激を受けやすく、湿気などにも影響されやすいです。 梅雨の時期や雨の日には髪が広がりやすくなるので湿気対策が必要です。
キューティクルが薄いため外部刺激を受けやすく、湿気などにも影響されやすいです。 梅雨の時期や雨の日には髪が広がりやすくなるので湿気対策が必要です。
ヘアオイルとヘアミルクの違い
猫っ毛のケアには、ヘアオイル?ヘアミルク?と悩んでしまうこともあるでしょう。
髪の毛のダメージケアをしたいものの、重い質感になると猫っ毛のデメリットが際立ってしまいますよね。
髪の毛のダメージケアをしたいものの、重い質感になると猫っ毛のデメリットが際立ってしまいますよね。
ヘアオイルとヘアミルクにはいくつかの違いがあります。
それぞれの特徴を以下に紹介します。
ヘアオイル
ヘアオイルの最たる特徴は「キューティクルの保護」。
植物性や鉱物性のそのままの油分が主な構成成分になるので、髪をコーティングをする特徴があります。
植物性や鉱物性のそのままの油分が主な構成成分になるので、髪をコーティングをする特徴があります。
①保湿とツヤ
ヘアオイルは髪に潤いを与え、まとまりやすい髪質に導きます。 乾燥した髪をしっとりとさせキューティクルを保護します。
ヘアオイルは髪に潤いを与え、まとまりやすい髪質に導きます。 乾燥した髪をしっとりとさせキューティクルを保護します。
②栄養補給
オイルの種類にもよりますが、栄養豊富な成分が含まれているアルガンオイルやホホバオイルなどは髪に栄養を補給し、健康な状態を保ちます。
オイルの種類にもよりますが、栄養豊富な成分が含まれているアルガンオイルやホホバオイルなどは髪に栄養を補給し、健康な状態を保ちます。
③保護効果
表面をコーティングしてくれるので外部のダメージから髪を保護する役割もあります。 紫外線や熱によるダメージを軽減することができます。
表面をコーティングしてくれるので外部のダメージから髪を保護する役割もあります。 紫外線や熱によるダメージを軽減することができます。
④スタイリング効果
髪の表面に薄く塗布することで髪をなめらかにし、まとまりやツヤを与えます。 また、スタイリングの際にも髪の扱いやすさを向上させます。
髪の表面に薄く塗布することで髪をなめらかにし、まとまりやツヤを与えます。 また、スタイリングの際にも髪の扱いやすさを向上させます。
ヘアミルク
ヘアミルクの主な構成成分は水分を始めとした水性の原料です。
髪の毛の内部に浸透し、サラサラで潤いのある髪質へと導きます。
①軽い仕上がり
ヘアミルクはヘアオイルに比べテクスチャーが軽く、髪に自然なまとまりを与えます。 軽い保湿感でベタつかずに使え、さらさらとした仕上がりになるのが特徴です。
ヘアミルクはヘアオイルに比べテクスチャーが軽く、髪に自然なまとまりを与えます。 軽い保湿感でベタつかずに使え、さらさらとした仕上がりになるのが特徴です。
②保湿効果
主原料である水分が髪の内部まで水分を届け保湿し、柔らかさを与える効果があります。 特に乾燥しやすい髪に適しています。
主原料である水分が髪の内部まで水分を届け保湿し、柔らかさを与える効果があります。 特に乾燥しやすい髪に適しています。
③扱いやすさ
ベタつかず軽い使い心地のため、デイリーケアに適しています。 髪にもなじみやすいのでテクニックいらずで簡単に使用することができます。
ベタつかず軽い使い心地のため、デイリーケアに適しています。 髪にもなじみやすいのでテクニックいらずで簡単に使用することができます。
猫っ毛に最適なヘアオイル・ヘアミルクの使い方
猫っ毛さんがヘアオイルやヘアミルクを効果的に使うためのポイントを紹介します。
ヘアオイルは軽めのテクスチャーを選ぶ
猫っ毛は髪質が軽いのでオイルの重さに負けてベタついてしまうことがあります。
特にスタイリング剤として使用する際にはテクニックが必要なことも。
基本的には軽めのテクスチャーのものを選び、できるだけ毛先中心に使いましょう。
使用するタイミングはブロー前がおすすめ。
①ブロー前の使用
ヘアオイルはブローの前に使うことで、熱から髪を守りダメージを軽減します。 ヘアオイルはヒートプロテクトとして活用するのにうってつけのヘアケア製品です。
ヘアオイルはブローの前に使うことで、熱から髪を守りダメージを軽減します。 ヘアオイルはヒートプロテクトとして活用するのにうってつけのヘアケア製品です。
②軽めのオイルを選ぶ
猫っ毛には軽めのテクスチャーのオイルがおすすめです。 重すぎるオイルは髪をベタつかせ、ボリューム減少につながってしまいます。
猫っ毛には軽めのテクスチャーのオイルがおすすめです。 重すぎるオイルは髪をベタつかせ、ボリューム減少につながってしまいます。
可能であれば、テスターなどで使用感を試してから購入を検討するのが良いでしょう。
③適量を守り、毛先のケアを重点的に
猫っ毛でヘアオイルを使う場合、通常の使用量よりも少なめの量で試してみましょう。 少量から髪になじませていき、「自分にとっての適量」を見極めましょう。
猫っ毛でヘアオイルを使う場合、通常の使用量よりも少なめの量で試してみましょう。 少量から髪になじませていき、「自分にとっての適量」を見極めましょう。
また、毛先が乾燥しやすい猫っ毛には、毛先を重点的にケアすることで切れ毛や枝毛を防ぐ効果も期待できます。
ヘアミルクは日中の乾燥防止に使う
日中のヘアケアにおすすめなのがヘアミルク。
猫っ毛の特徴である「エアリー感」を損なわずにまとまりの良さをアップさせ、扱いやすい髪質へと導きます。
猫っ毛の特徴である「エアリー感」を損なわずにまとまりの良さをアップさせ、扱いやすい髪質へと導きます。
①デイタイムケア
ヘアミルクは日中の乾燥対策として使用するのに最適です。 髪に軽く潤いを与え、柔らかさを保ちます。自然な仕上がりでベタつかず、髪をしっとりと保ちます。
ヘアミルクは日中の乾燥対策として使用するのに最適です。 髪に軽く潤いを与え、柔らかさを保ちます。自然な仕上がりでベタつかず、髪をしっとりと保ちます。
②スタイリング後の仕上げ
スタイリング後の髪全体にヘアミルクをなじませ、髪の表面を整えて柔らかな仕上がりをキープします。 紫外線ブロックの作用があると、紫外線によるヘアダメージ対策もできて尚良いでしょう。
スタイリング後の髪全体にヘアミルクをなじませ、髪の表面を整えて柔らかな仕上がりをキープします。 紫外線ブロックの作用があると、紫外線によるヘアダメージ対策もできて尚良いでしょう。
③持ち運びやすい
ヘアミルク製品は外出先でも手軽に使えるコンパクトサイズも豊富。
乾燥が気になるときにさっと塗ることで、髪のコンディションを保つことができます。
ヘアミルク製品は外出先でも手軽に使えるコンパクトサイズも豊富。
乾燥が気になるときにさっと塗ることで、髪のコンディションを保つことができます。
乾燥しやすい季節には、適宜ヘアミルクで毛先の保湿ケアを行うのもおすすめです。
まとめ
猫っ毛はその柔らかさやしなやかさが特徴ですが、同時に湿気などの外的環境やダメージに弱いというデメリットも持ち合わせています。
猫っ毛の適切なヘアケアには髪の性質や自分のライフスタイルに合わせたヘアオイルとヘアミルクの使い分けが重要です。
猫っ毛の適切なヘアケアには髪の性質や自分のライフスタイルに合わせたヘアオイルとヘアミルクの使い分けが重要です。
ヘアオイルはキューティクルを保護し、ツヤを与える効果もありますが、適度な量と軽いテクスチャーのものを選ぶことがポイントです。
特にブロー前の保護に適しています。
ヘアミルクは軽い仕上がりでありながら、保湿力が高く、日中の乾燥対策に適しています。
デイタイムケアやスタイリング後の仕上げに最適です。
ヘアケアに最適な製品選びはもちろん、「自分にとっての適量」や使いどころも重要になります。
猫っ毛のしなやかさを活かしつつ、適切なケアを行うことで健やかで美しい髪を保つ自分だけのヘアケアを確立しましょう。
監修者:繁和泉
看護師、予防医学士として17年。その中で毛髪再生外来の診療に携わる。薄毛にともなう患者さんのお悩みに寄り添いながら、医学的なアプローチも含め「長い目で見た」毛髪のための日常生活やケアについての指導を個別性に合わせて提供。
同時に、情報化社会の中でWEBコンテンツで「正しい情報をわかりやすく」発信することに精を出す。