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朝に洗髪をすると薄毛につながるという俗説。
朝シャンと薄毛の因果関係についてはさまざまな考察がなされていますが、掘り下げていくとあながち無関係と言うわけでもありません。
朝シャンと薄毛の因果関係についてはさまざまな考察がなされていますが、掘り下げていくとあながち無関係と言うわけでもありません。
この記事では朝シャンが薄毛につながるといわれる理由について解説します。
朝シャンが薄毛につながる可能性
朝シャンが薄毛につながるという事実。
結論から言うと直結しているわけではありませんが、少なからず影響を及ぼすこともあります。
実際には個人差や髪質、使用するシャンプーなどさまざまな要因が関与しています。
特に薄毛に影響を与えている可能性があると考えられるのは「朝1回のみのシャンプーで終わっている」場合の朝シャンです。
これは、朝と夜2回洗っている場合とは異なる要因で薄毛につながる一因となっています。
朝シャンで何かしらの要因で頭皮や髪へのダメージが生じ、薄毛につながる要因になります。
1日1回の洗髪「朝シャン」が薄毛につながる理由
頭皮への影響や髪への摩擦ダメージを考えると、1日1回のシャンプーが一般的にはベストと言われています。
ですが、その洗髪を「朝1回」で終了しているのは髪や頭皮への影響を考えるとあまり望ましくありません。
その理由について以下で解説していきます。
1日の汚れなどが付着しダメージが蓄積する
髪の毛は静電気が起こりやすく常にホコリや汚れが付着しています。
1日の皮脂汚れを放置してしまうと毛穴に汚れが詰まり、髪の毛周期に影響を及ぼす可能性があります。
髪や頭皮の健康を考えると、毎日シャンプーはしたいものです。
しかし、そのタイミングが「朝」であれば1日の汚れを落とさないまま寝ていることになります。
就寝中は成長ホルモンなどが分泌され本来なら日々のダメージからリカバリーする時間です。
そのタイミングで汚れが付着していればダメージからのリカバリーどころか、かえって刺激になってしまう可能性もあります。
夜にシャンプーをして就寝すると、頭皮の清潔が確保されるばかりではなく、適度な刺激により血行が促され就寝中の頭皮への血行促進をサポートします。
また、清涼感によりリフレッシュし、リラックスすることで副交感神経が優位になります。
副交感神経が優位になれば良質な睡眠が期待できます。
睡眠の質が高まれば、より髪や頭皮の健康維持のサポートも期待できるでしょう。
1日2回のシャンプーでも「朝シャン」が良くない理由
では、「夜にシャンプーして朝もシャンプーしている」場合は何が良くないのでしょうか?
1日2回のシャンプーが頭皮や髪の毛に及ぼす影響について解説します。
頻繁な洗髪による頭皮環境の悪化
髪を頻繁に洗うことで、頭皮の必要な油分まで洗い流してしまい、頭皮の乾燥が助長される可能性があります。
乾燥した頭皮は健康な髪の成長に影響を及ぼすことがあります。
頻繁なシャンプーによる頭皮の乾燥が起こると、頭皮が荒れて細かなフケなどが生じることがあります。
これは角化異常の1つです。
皮膚のバリア機能を伴っている角質層が頻繁なシャンプーにより必要以上に洗い流されることで、乾燥が助長され、角化異常を引き起こす要因となります。
角質層が過剰に薄くなると、紫外線などの影響も受けやすくなります。
また、体質によりかえって頭皮の皮脂分泌が盛んになり、髪がべとべとしたり毛穴が詰まりやすくなってしまうこともあります。
これは、頭皮の乾燥を防ぐため、体の防御反応として皮脂分泌が盛んになるからです。
いずれにしても頻繁なシャンプーは頭皮の皮脂分泌機能にトラブルを起こす可能性があります。
きちんとした洗髪後のケアが不十分で起こるダメージ
朝は慌ただしい時間の中で、バタバタとシャンプーをしている状況もあるでしょう。
時間がない中でシャンプーをしていると洗髪後のケアがおろそかになってしまったり、雑になってしまい、頭皮や髪へ悪影響を及ぼしてしまうことも。
濡れている髪の毛はキューティクルが開いており、髪内部の水分や栄養分が流出しやすく、摩擦にも弱い状態です。
また、濡れたまま放置しておくと雑菌も繁殖しやすくなります。雑菌が繁殖すると頭皮トラブルの要因になります。
また、朝の時間がない中でシャンプーをすると、汚れが落ちきっていないのにシャンプーを終えてしまっている可能性があります。
結果として、頭皮や髪が不潔な状態になってしまい、髪や頭皮へのダメージが蓄積してしまうことにつながります。
シャンプーのタイミングで薄毛につながる要因をできるだけ回避する
髪や頭皮の健康維持や薄毛につながる要因をできるだけ避けるには、どのタイミングでシャンプーをするのがベストなのでしょうか?
その理由について解説します。
就寝前に1日1回のシャンプーがベスト
一般的な成人であれば理想的なシャンプー回数は1日1回。
日中に仕事をして夜就寝するライフスタイルを送っていれば、夜にシャンプーをするのが理想的です。
夜にシャンプーすると、1日の汚れを落とし、清潔な状態で就寝できます。
就寝中に促される頭皮の新陳代謝への悪影響も少なくなります。また、就寝前の爽快感によりリラックス効果も期待できます。
反対に夜勤などをしていて夜型の生活を送っている人ならば、朝でも仕事帰りのお休み前にシャンプーするのが良いでしょう。
寝る時間のリカバリータイムに備えて髪と頭皮を清潔な状態にしておくのが理想的です。
髪のタイプや頭皮の状態を考慮する
基本的には1日1回のシャンプーが理想的ですが、脂性タイプの頭皮でべたつきが気になる場合や、運動後の汚れたときなどは、そのときの状態に合わせてシャンプーしましょう。
汗や汚れが長い間残ると、頭皮のトラブルや不快感が生じる可能性もあります。
その場合、シャンプーの洗浄力に着目しましょう。
洗浄力の強すぎるシャンプーで何度も洗うと前述したように頭皮トラブルにつながってしまうこともあります。
洗浄力の強すぎるシャンプーで何度も洗うと前述したように頭皮トラブルにつながってしまうこともあります。
市販されているシャンプーでは多くの場合
・高級アルコール系
・石鹸系
・アミノ酸系
のシャンプーに大別されます。
・高級アルコール系
・石鹸系
・アミノ酸系
のシャンプーに大別されます。
脂性タイプのべたべた感や運動後の汚れも、きちんと洗えば低刺激のアミノ酸系シャンプーでも十分皮脂や汚れを落としてくれます。
頭皮や髪に負担をかけない朝シャンのやり方
1日1回以上、シャンプーをするなら、髪や頭皮への負担を考慮しましょう。
過剰な洗浄を避け、「汚れの付着」を洗い流し、適切なアフターケアでダメージの蓄積を避けることが重要です。
過剰な洗浄を避け、「汚れの付着」を洗い流し、適切なアフターケアでダメージの蓄積を避けることが重要です。
余洗いを十分にする
最初にぬるま湯で髪を十分濡らします。
余洗いを十分することで髪や頭皮の汚れを浮かせることができます。
こうすることでシャンプーの泡立ちが良くなり、成分の浸透もしやすくなります。
洗浄力のマイルドなシャンプーでよく泡立てて洗う
髪質や頭皮の状態に適したシャンプーを選びましょう。
過度な洗浄成分が含まれていないアミノ酸系シャンプーが理想。
シャンプーは適量を手にとり、手の上でよく泡立てます。
泡を作りながら髪全体に均等に馴染ませましょう。
髪にシャンプーの原液を直接つけると頭皮についてしまいフケの原因になったり、泡立てるときに摩擦が生じて髪へのダメージにつながります。
手の平で泡立ててからシャンプーを浸透させ、頭皮を優しくマッサージしながら洗いましょう。
爪先ではなく、指の腹を使って頭皮を優しくマッサージするように洗います。
力を入れすぎないようにしましょう。
髪の状態に応じて、リンスやコンディショナーを使用しましょう。
ただし、毛先にだけ塗布して、頭皮につかないように気を付けましょう。
しっかりとすすぎ優しくタオルドライ
シャンプーやコンディショナーが残らないよう、十分にすすぎます。
髪や頭皮にシャンプー成分が残っていると髪や頭皮への負担となります。
洗髪後は髪をゴシゴシとこすらず、タオルで軽く水気をとりましょう。
濡れた髪は傷みやすいので、優しく抑え拭きするイメージでタオルドライしましょう。
ドライヤーでしっかりと乾かす
髪は濡れている状態だとキューティクルが開き、ダメージが生じやすくなります。
髪の水気がなくなるまで自然乾燥はせず、ドライヤーを使って髪をしっかりと乾かしましょう。
髪の毛から20cm程離しながら上から下に向かってブローします。
また、ブロー時には熱対策をとっておくのも重要です。
熱から髪を保護するためのヒートプロテクト製品を使用しましょう。
ヘアオイルやヘアミルクなどがあります。
頭皮のトラブルを感じたら保湿ケア製品をとり入れる
紹介した対策をとり入れても、中には頭皮の乾燥を実感する方もいるでしょう。
基本的には「シャンプーの回数を減らしてみる」ことで改善が期待できますが、どうしても「汗のにおいが気になる」「不快感でたまらない」という場合には、頭皮の保湿ケアをとり入れてみると良いでしょう。
それでも乾燥が改善できない場合には、シャンプーを使用しない「湯シャン」などで対策をしてみるとよいでしょう。
朝シャンのメリット・デメリット
運動習慣やライフスタイル、髪や頭皮のタイプによっては朝シャンをとり入れたい人もいるでしょう。
メリットとデメリットをしっかりと考慮して検討してください。
朝シャンのメリット
適切な方法で行えば、朝シャンにもメリットは十分あります。
朝シャンのメリットについて紹介します。
目覚めの効果
朝にシャンプーすると頭皮と髪を清潔にし、目覚めの良いスタートが切れるでしょう。
シャワーにより交感神経が刺激され、活動的なスイッチをONにできます。
清潔感が得られる
夜寝ている間の寝汗や、朝に運動習慣があり汗をかく人は朝シャンすることで清潔感を保てます。
清潔感のある見た目印象や清涼感のある香りが漂うと、周囲の人の印象UPの一因にもなります。
ヘアスタイリングが容易になる
髪質や寝ぐせによっては毎日ヘアスタイリングに悩まされている場合もあるでしょう。
シャンプーしたての髪はまとまりやすく、スタイリングがしやすいです。
朝シャンしてヘアケアした方がスタイリングが容易になる場合には、朝シャンを試してみるのも良いでしょう。
朝シャンのデメリット
朝シャンにはメリットがある一方で、デメリットもあります。
以下に朝シャンのデメリットについて紹介します。
デメリットよりメリットの方が上回り、薄毛などに悩まされていない場合には朝シャンのとり入れを検討するのもいいかもしれません。
時間の制約がかかる
朝は忙しいことが多いため、シャワーやシャンプーにかける時間が限られていることがあります。
しっかりと髪を乾かすためにヘアドライヤーを使用したり、ヘアセットしたりと、朝シャンによる+αの時間捻出が必要です。
髪や頭皮へのダメージ
夜間に頭皮が分泌する皮脂が髪にとどまり、保護作用を果たしています。
朝シャンをすることによって、頭皮の皮脂を一度落とすことになります。
皮脂は紫外線からのダメージを和らげることが期待できるので、シャンプーで落とすことで紫外線の影響を受けやすくなります。
また、季節によっては冷暖房器具などの影響も受けやすくなり、髪や頭皮が過度に乾燥し、ダメージを受ける可能性があります。
朝シャンと薄毛の因果関係
俗説のひとつとして「朝シャンは薄毛につながる」と言われていますが、朝シャンすることそのものが直接的な薄毛を引き起こしているわけではありません。
朝シャンにより髪や頭皮の環境が悪化していることが主な要因だと考えられます。
・過度な洗浄により乾燥・皮脂の過剰分泌などが起きている
・不適切なケアにより雑菌の繁殖やダメージが蓄積している
・そもそも1日の汚れを落とさずに就寝している
・不適切なケアにより雑菌の繁殖やダメージが蓄積している
・そもそも1日の汚れを落とさずに就寝している
など、掘り下げると別の要因があって薄毛の要因となることがほとんどです。
また、薄毛はさまざまな要因によって引き起こされます。
遺伝的な要素、ホルモンの影響、生活習慣、ストレス、栄養不足なども関与します。
一般的にシャンプー単体で薄毛の進行に影響を与えることは少ないとされています。
以下に薄毛につながる要因について紹介します。
遺伝的要因
薄毛には遺伝的な因子が関与しています。
親や祖父母に薄毛の傾向がある場合、薄毛の可能性が高まります。
男性ホルモンであるテストステロンは脱毛症に関連していることが知られています。
女性の更年期や妊娠、出産などでもホルモンの変化があり、薄毛の原因となり得ます。
生活習慣
栄養不足、喫煙、過度なアルコール摂取、睡眠不足なども薄毛のリスクを高める可能性があります。
また、慢性的なストレスも薄毛の一因となることがあります。
薄毛が気になる場合には、朝シャンだけにとらわれず総合的に要因を見出し、原因別にあった対処が必要です。
まとめ
朝シャンは薄毛の直接的な原因ではなく、髪や頭皮の環境悪化が主因です。
その背景として朝シャンが影響していることもあります。
頻繁な朝シャンは頭皮や髪にダメージを与えることも。
特に1日1回の朝のみの場合は、汚れが蓄積し頭皮や髪には悪影響です。
夜に1日の汚れをしっかりと洗い流すことで頭皮の清潔を保ち血行促進やリラックスを促進します。
しかし、個人の髪質や生活スタイルにより例外もあるでしょう。
シャンプーの頻度や洗髪後のケアが重要です。
朝シャンのメリットは目覚め効果や清潔感、ヘアスタイリングの容易性があげられ、デメリットは時間制約と夜の皮脂保護を喪失してしまいます。
朝シャンによる直接的な薄毛の要因はなくても、朝シャンとつながる別の要因が薄毛を引き起こす可能性は十分に考えられますが、最終的には薄毛は遺伝的、ホルモン、生活習慣など多岐にわたる要因が影響します。
薄毛が気になる場合には、朝シャンだけではなく総合的な生活環境の改善が重要です。
監修者:繁和泉
看護師、予防医学士として17年。その中で毛髪再生外来の診療に携わる。薄毛にともなう患者さんのお悩みに寄り添いながら、医学的なアプローチも含め「長い目で見た」毛髪のための日常生活やケアについての指導を個別性に合わせて提供。
同時に、情報化社会の中でWEBコンテンツで「正しい情報をわかりやすく」発信することに精を出す。