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白髪を黒髪に戻す効果が期待できるとされ注目を浴びている「ヤーバサンタ」。
ネイティブアメリカンに古くから親しまれてきた薬草のひとつです。
ネイティブアメリカンに古くから親しまれてきた薬草のひとつです。
この記事ではヤーバサンタに含まれている成分がどのように白髪を黒髪に戻すのか、白髪になるメカニズムとともに解説していきます。
ヤーバサンタって何?
ヤーバサンタは米国南西部とメキシコ北西部原産の薬草です。
ネイティブアメリカンの部族やメキシコ文化では古くからさまざまな健康につながる薬草として、伝統的に使用されてきました。
とくに咳、風邪などの呼吸器系の症状をはじめとして、傷やけが、皮膚炎の局所治療として用いられている歴史のある薬草です。
ヤーバサンタと白髪の関係
ヤーバサンタは最近の研究によると、ヤーバサンタには白髪の改善効果があると示唆されています。(2023年10月現在)
白髪とヤーバサンタの関係に着目された理由は、ヤーバサンタに含まれる「ステルビン」と呼ばれるフラボノイドがきっかけでした。
ステルビンは白髪の原因となる毛包内のメラニン細胞の機能低下を活性化し、白髪を黒髪に戻す効果が期待されています。
ヤーバサンタの抗炎症作用と白髪
ヤーバサンタには抗炎症作用もあるとされています。
頭皮や毛包の炎症を軽減することが期待できます。
毛包や頭皮に炎症があると、髪の健やかな成長が妨げられます。
髪を着色するメラニン細胞の働きも弱まる可能性もあり、白髪につながりかねません。
ヤーバサンタの抗炎症作用により頭皮環境が健やかになれば、メラニン細胞の正常な働きも期待できます。
ヤーバサンタの抗酸化作用と白髪
ヤーバサンタには、酸化ストレスから細胞を保護するのに役立つ抗酸化物質も含まれています。
抗酸化物質はメラニン細胞の働きが衰えるのを抑制し、毛髪へのスムーズな着色が期待できます。
白髪のメカニズム
そもそもなぜ、白髪は起こるのでしょうか?
実は本来、髪の毛は白髪の状態で生まれてきます。
そこに、メラニン細胞から生み出されたメラニンで着色され髪に色が付きます。
白髪が増える要因はメラニン細胞の働きが低下したり、色素のもととなる成分が不足することで起こります。
メラニン細胞の働きやメラニン色素の産生低下には、さまざまな要因があります。
ストレス
人はストレスを感じると、交感神経が優位な状態になります。
交感神経は血管を収縮させるので、頭部の毛細血管の血流も悪くなります。
メラニン色素のもととなる栄養素を運搬したり、メラニン細胞が活発に活動するためには血流による栄養素の運搬や酸素の供給が必要です。
ストレスにより慢性的に血流不足が続くと、白髪につながる要因となります。
また、ストレスは活性酸素を増やします。活性酸素は正常な細胞分裂を阻害します。活性酸素が増えることも白髪の要因となるのです。
生活習慣
メラニン細胞の働きや色素産生のことを考えると、規則正しい生活習慣は非常に重要です。
後述する髪に必要な栄養素をしっかりと摂取し、睡眠時間を確保しながら正常な細胞の働きを維持できるように意識しましょう。
睡眠時間が少なくなれば、ホルモンの分泌機能が低下し正常な細胞の働きに支障を及ぼすことも。
また、疲労が蓄積すれば疲労回復に体の機能が優先的に使われ、髪の健康維持は二の次になってしまいます。
栄養不足は細胞代謝や色素産生不足の要因に。十分な栄養が満たされていて健康的な生活が白髪予防につながる要素のひとつです。
加齢
年齢を重ねると、さまざまな細胞に老化現象が現れます。
髪の毛の細胞も例外ではありません。加齢によりメラニン細胞の働きが弱まるとメラニンの産生が弱まり、髪に着色されないまま、髪が伸びていき白髪となります。
遺伝的要因や自己免疫疾患
遺伝的に白髪になりやすい人もいます。
はっきりとした理由はわかっていませんが、白髪のきっかけになる遺伝子「IRF4」が要因のひとつと考えられています。
また、白髪は自己免疫疾患と関連していることもあります。
自己免疫疾患では、免疫系が誤って健康な細胞を攻撃するため、毛根のメラニン細胞を攻撃し白髪になってしまうこともあるのです。
白髪予防につながる栄養素
髪の毛は本来白髪として生まれてきます。
それをメラニン細胞が着色し黒髪になるのですが、この機能がうまく働かなくなると白髪が増えてきます。
髪の毛の着色がうまくいかなくなる理由は主に2つあります。
・メラニン細胞が働かなくなる
・メラニンが減少する
・メラニンが減少する
ヤーバサンタはこのふたつの機能をサポートしてくれると言われています。
しかし、ヤーバサンタを使用しても、そもそも髪へ供給される栄養素が枯渇すれば、髪の毛の色素を作り出すことが不可能です。
ここでは白髪になりにくくするための必要な栄養素について紹介します。
1.タンパク質
タンパク質は髪の原料となるだけではなく、メラニン色素の原料となる「チロシン」を作り出します。 タンパク質は髪の健康全般につながる重要な栄養素。毎日きちんと摂るように意識しましょう。
タンパク質は髪の原料となるだけではなく、メラニン色素の原料となる「チロシン」を作り出します。 タンパク質は髪の健康全般につながる重要な栄養素。毎日きちんと摂るように意識しましょう。
最近では美容系プロテインを上手に活用して補っている人もいます。
肉や魚などのタンパク質の摂取が苦手な場合は、プロテインなども上手に活用しましょう。
2.鉄や銅、亜鉛、カルシウム、ヨウ素うのミネラル成分
タンパク質を摂取してアミノ酸まで分解し、髪の毛の成分となる「ケラチン」の再合成に必要な亜鉛。細胞代謝のサポートもします。
タンパク質を摂取してアミノ酸まで分解し、髪の毛の成分となる「ケラチン」の再合成に必要な亜鉛。細胞代謝のサポートもします。
また、鉄分や銅は赤血球の元となり酸素の運搬を容易にし細胞活性につながります。
カルシウムやヨウ素はメラニン細胞を活性化します。メラニン細胞の働きが正常化すると白髪の改善の一助になるでしょう。
3.ビタミンB群・ビタミンC
ビタミンB群やビタミンCは亜鉛の働きをサポートします。 とくにビタミンB7の別名「ビオチン」はメラニン細胞のメラノサイトを活性化する働きがあり、 白髪をできにくくする効果が期待できます。
ビタミンB群やビタミンCは亜鉛の働きをサポートします。 とくにビタミンB7の別名「ビオチン」はメラニン細胞のメラノサイトを活性化する働きがあり、 白髪をできにくくする効果が期待できます。
ビタミンCは抗酸化成分として有名で、細胞に対する活性酸素の除去にアプローチします。細胞にダメージが生じるとメラニン細胞のメラニン生成が低下します。
細胞のダメージ軽減につながるビタミンCも積極的に摂取したい栄養素のひとつです。
ヤーバサンタの可能性
「聖なるハーブ」としても知られるヤーバサンタ。
ヤーバサンタに関する研究や調査は、主に伝統的な用途と健康や美容につながる効果にフォーカスされています。
ヤーバサンタは、現代医学における可能性を探るために2023年10月現在も調査中のハーブです。
ヤーバサンタに期待されている効果について見ていきましょう。
呼吸器の健康サポート
ヤーバサンタは、呼吸器系に働きかけると考えられていて気管支炎、喘息、風邪などの呼吸器疾患の治療に古くから活用されてきました。
咳を鎮め、気道から粘液を取り除き、うっ血の症状を和らげるのに役立つと考えられています。
さらにヤーバサンタには粘液溶解特性があると考えられており、気道の粘液を分解して薄くするのに役立ちます。
これにより、気道から痰などの粘液を除去しやすくなります。
ヤーバサンタの安全性と副作用
ヤーバサンタは今のところ、使用による大きな副作用の報告はなされていません。(2023年10月現在)
しかし他の医薬品やサプリメントと組み合わせて使用したりする場合は、潜在的な副作用や相互作用の可能性も否定できません。
気になる場合には医師や薬剤師への相談を検討しましょう。
ヤーバサンタの使い方
近年になり民間企業がヤーバサンタエキスに着目し、スプレータイプの外用塗布剤として製品開発に至りました。
それまではハーブとして活用されることの方が多く、抗酸化作用や抗炎症作用に着目して活用されることもあったようです。
日本ではとくにハーブティーやリキッドタイプのサプリメントとして発売されています。
ヤーバサンタは、歴史的な活用方法をみるとお茶として飲用したり、ハーブの蒸気を吸入に使用してきました。ハーブティーとしての飲用は今でも代表的な使用方法のひとつです。
まとめ
ヤーバサンタは、古くからネイティブアメリカンの伝統医療で使用されてきた薬草です。
最近の研究から、白髪の改善に期待できる成分として注目を浴びています。(2023年10月現在)
ヤーバサンタに含まれる成分である「ステルビン」が、白髪の原因となる色素細胞の機能低下を活性化し、白髪を黒髪に戻す可能性が期待されています。
さらに、ヤーバサンタには抗酸化作用・抗炎症作用があり、髪のメラニン細胞の老化を防ぎ、頭皮の炎症を軽減。髪の健康な成長とメラニン細胞の正常な働きをサポートすることが期待できます。
しかし、白髪の発生は遺伝的要因、ストレス、生活習慣、栄養不良、加齢など複数の要因によって引き起こされるため、ヤーバサンタの使用だけでは改善できない可能性もあります。
ヤーバサンタは白髪の改善に有望な対処法のひとつですが、白髪の問題に取り組む場合、バランスの取れた栄養、健康的な生活習慣、ストレス管理なども同様に重要であることを意識しておきましょう。
ヤーバサンタを上手に活用しながら健康的な生活を送り、髪の毛の健康維持へとつなげたいですね。
監修者:繁和泉
看護師、予防医学士として17年。その中で毛髪再生外来の診療に携わる。薄毛にともなう患者さんのお悩みに寄り添いながら、医学的なアプローチも含め「長い目で見た」毛髪のための日常生活やケアについての指導を個別性に合わせて提供。
同時に、情報化社会の中でWEBコンテンツで「正しい情報をわかりやすく」発信することに精を出す。