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“ニキビダニ”という生き物をご存知ですか?ダニと聞くと、一般的なマダニなどを思い浮かべて怖い・気持ち悪いと感じる人が多いと思います。
しかし、実はニキビダニは大昔から人間と共生・共栄してきた生物。害虫ではないのです。
この記事では、ニキビダニの基本的な情報から人にもたらす影響までまとめて解説。
ニキビダニが肌に悪影響を及ぼす場合や、対処・予防法も紹介します。
ニキビダニとは?
ニキビダニとは、顔の毛包や皮脂腺に住み着くごく小さなダニ。
鼻や頬にいることが多く、90%以上の人がニキビダニと共存しています。
まさか自分の肌にダニが住んでいるとは…と驚きますよね。駆除したいと考える人も多いでしょう。
しかしニキビダニはマダニとは全く違う性質を持っており、駆除しなくても大丈夫ということが医学的・生物学的に判明しています。
まずは害虫であるダニとニキビダニを比較して解説しましょう。
よく聞くダニとニキビダニの違いは?
まず、ダニの代表とも言えるマダニの成虫は体長3~8mmと大きく肉眼でも確認可能することができます。
吸血後に至っては10~20mmにもなります。ところがニキビダニは体長0.3mm前後。肉眼で確認することは不可能なサイズです。
より身近な、家に潜むヒョウダニと同じくらいのサイズですね。
またマダニは吸血性・ヒョウダニはアレルギー反応を起こしやすいなどの害が明らかですが、ニキビダニは基本的に人間に直接的・間接的に害を加えることがありません。
ニキビダニとの共存・共栄
ニキビダニが基本的に無害とはいえ、ダニはダニ。
ニキビダニは「肌に住んでいるだけなら寄生虫じゃないか」と思われがちです。
ニキビダニは確かにダニではあるものの、決して寄生しているわけではありません。
彼らがヒトの肌・毛包に住むことでもたらす影響について見てみましょう。
ニキビダニがもたらす影響
そもそもニキビダニという名前からしてニキビを引き起こすのでは?と考えてしまうかもしれませんが、それは大きな誤解です。
ニキビダニがヒトの肌に住む理由は“食べるものがあるから”。彼らは主に皮脂を食糧として生きています。
ニキビダニの働きによって、肌の皮脂は適度なバランスを保っていられるのです。
つまりニキビダニとの共存は肌の余分な皮脂を取り除く効果があり、彼らは益虫ということになります。
余分な皮脂がある状態ではべたつき・毛穴の開き・ニキビなどの肌トラブルの原因にもなるため、ニキビダニは肌の治安を維持してくれていると考えて間違いありません。
ニキビダニが有害になる場合
それでは、ニキビダニが治安維持をしてくれるからと任せっきりで良いのでしょうか?
答えはNOです。
彼らが肌にとって有益であるのは、あくまで個体数が適当だから個体数が増え過ぎれば、肌に悪影響を及ぼし始めます。
彼らが肌にとって有益であるのは、あくまで個体数が適当だから個体数が増え過ぎれば、肌に悪影響を及ぼし始めます。
ニキビダニによる肌トラブルの種類
ニキビダニによる肌トラブルは主にニキビ・乾燥肌・肌荒れの3点です。
ニキビダニの排泄や食事などの生活は、個体数が増えれば肌にとってストレスとなります。
ニキビダニによる肌トラブルは、皮脂が減り過ぎることや死骸・抜け殻による不衛生などが原因。
ニキビダニが増殖しすぎないように気を付けることが大切です。
ニキビダニによる肌トラブルを見極めるには
ニキビ・乾燥肌・肌荒れといった肌トラブルの原因は多種多様。決して全てがニキビダニによるものではありません。
それでは、肌トラブルが起きたときにニキビダニによるものなのかどうかを知るにはどうすれば良いのでしょうか?
最も確実なのは、やはり皮膚科で診てもらうことです。
冒頭で解説したように、ニキビダニは肉眼で確認できないサイズの生き物。顕微鏡などの専門器具がなければ確認・判別できません。
肌トラブルが続く場合には専門医の意見を仰ぎましょう。
ニキビダニを増やし過ぎないために
もしニキビダニによる肌トラブルが起きたり心配だったりしても、ニキビダニを増やしすぎないために何をすれば良いのかわからないですよね。
ニキビダニの数を適切に保つために必要なのは「生活リズムと食生活」「正しいスキンケア」「メイク道具をきちんと管理する」「寝具を清潔に保つ」の4点です。
それぞれ詳しく解説します。
生活リズムと食生活
まずは睡眠不足や夜更かしをしがちな場合や、食生活が乱れている場合です。
生活リズムや食生活の乱れによって皮脂が増える傾向にあるため、「食糧が豊富だ」とニキビダニが過度に増殖します。
栄養バランスや睡眠の確保など、できる限り改善していきましょう。
正しいスキンケア
正しいスキンケアと一口に言っても、肌質や特性は人それぞれ。
それでも共通で言えるのは「水洗顔のみ」「メイクの落とし忘れ」は良くないということです。
実はニキビダニは、落とし損ねたメイクの脂汚れも食糧にしています。
また水洗顔のみで保湿系のケアをおこなっていない場合、乾燥した肌が皮脂を過剰分泌しニキビダニの食糧を増やしてしまうのです。
乾燥した肌が皮脂を出し、皮脂をニキビダニが食べてしまうので肌が乾燥するという悪循環に陥ることもあるため注意しましょう。
メイク道具をきちんと管理する
3つ目は肌から離れ、メイク道具の管理です。
直接のスキンケアなどではないにしろ、メイク道具は頻繁に肌に直接触れるもの。
ブラシやパフ、チップなどは洗浄液で最低月1回以上洗うようにしましょう。
最近では百均でもブラシ立てやブラシウォッシャーなど、メイク道具の洗浄に便利なアイテムが多数販売されていますのでぜひ活用してみてください。
寝具を清潔に保つ
メイク道具同様、寝具は肌に直接触れる時間が長いもの。
枕カバーや布団カバー、また本体も洗ったり干したりして常に清潔に保つことが大切です。
また頻繁に洗ったり干したりするのが難しいという人には、掃除機や抗菌・除菌スプレーなどを使うのもおすすめです。
【まとめ】ニキビダニとは適切な関係で共存するのがベスト
ニキビダニは人の肌にある毛包に住み、大昔から共生・共栄してきた生き物です。
マダニやヒョウダニなどの一般的なダニと違い基本的に無害なダニで、適切なスキンケアなどをおこなうことで皮脂のバランスを取る益虫でいてくれます。
ニキビダニは適当な個体数であれば益虫ですが、増え過ぎれば肌トラブルの原因となります。
「生活リズムと食生活」「正しいスキンケア」「メイク道具をきちんと管理する」「寝具を清潔に保つ」の4点が、ニキビダニと共生するためのポイント。
特に肌の乾燥・皮脂の過剰分泌はニキビダニの過剰繁殖へ繋がります。
そして増殖したニキビダニが皮脂を食べ、また乾燥肌に…という悪循環を生み出すこともあるため、日頃から4つのポイントに注意してみてくださいね。
ダニという名前だけで嫌悪せず、お互いにとって適度な環境の中で共生していきましょう。