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近年若い女性にも増えつつある「若年性脱毛症」は、早ければ20-30代でも見られる症状です。
女性の薄毛や脱毛症の要因は、さまざまなことが複雑に絡みあって起きています。
女性の薄毛や脱毛症の要因は、さまざまなことが複雑に絡みあって起きています。
この記事では女性の薄毛症状から原因、日常生活の中で取り入れられる対策についてまとめています。
薄毛が気になる人への情報が満載です。
若い女性に起こる薄毛や脱毛の症状
年齢を重ねると髪の毛が薄くなるのは当たり前。
しかし最近では、20代や30代の若い女性でも薄毛に悩む人が増えています。
この記事では若い女性に起こる薄毛や脱毛の症状についてまとめています。
びまん性脱毛症
髪の毛が全体的に徐々に薄くなっていく(びまん型)脱毛症状で、女性の脱毛で最も多い症状です。
男性の場合は頭頂部や前額部など、局所から始まり薄くなっていきますが、女性の場合は全体的に徐々に薄くなっていきます。
びまん性脱毛症は、女性ホルモンの影響によって起こるため「女性男性型脱毛症(FAGA)」とも呼ばれています。
ほとんどの場合加齢によるホルモンバランスの影響で40~50代ぐらいから始まることが多いのですが、
ダイエットやストレスなどでホルモンバランスに乱れが生じれば、若い20代や30代でも発症するケースもあります。
円形脱毛症
髪の毛の一部がごそっと抜け落ちてしまい、コイン型に地肌が見える脱毛症状です。
円形の大きさは数ミリ程度から数センチ台のものまで、人によりさまざま。
長く放置すると多発型と呼ばれ、頭髪内のあちこちに脱毛が起こり髪の毛全体が少なくなるケースもあるので注意が必要です。
円形脱毛症の原因はストレスや自己免疫疾患、遺伝などさまざまな要因があると考えられています。
しかし、医学的にはっきりとした見解はまだわかっていません。
分娩後脱毛症・産後脱毛症
女性が妊娠・出産を経て抜け毛が急激に増える症状です。
産後の薄毛の原因にはホルモンの変化や急激なストレスが要因と考えられています。
妊娠中は「エストロゲン」や「プロゲステロン」といった女性ホルモンが増加します。
これらのホルモンは髪の毛を含み体毛の成長期を維持します。
妊娠中に体毛が濃くなる要因の1つにもなっており、自覚はないかもしれませんが、髪の毛も濃くなりハリやツヤが出ていることが多いのです。
しかし出産後は、女性ホルモンが急激に低下します。そのため産後には抜け毛が多くなるのですが、これはある意味で自然な現象ともいえます。
さらに出産後、母乳育児をしていればどうしても必要な栄養素が赤ちゃんへ優先的にまわることになります。
また、赤ちゃんのお世話は24時間体制なので、生活習慣のリズムが狂いやすくなり、どうしても抜け毛が起こりやすくなるのです。
髪が健やかに生え、成長するメカニズム
本来髪は、「毛周期」と呼ばれる「成長期・休止期・退行期」のサイクルによって毛母細胞から髪の毛を作り出し成長し、やがて、退行期に髪の毛が抜け抜け落ちます。
このヘアサイクルが正常であれば、髪の毛はしっかりとしたボリュームをキープしているはずなのです。
このヘアサイクル、特に成長期の期間が短くなれば、薄毛はどんどん進行します。
【3選】「血流・酸素・ホルモン」髪が成長できず抜ける原因
髪の毛は本来「成長期・休止期・退行期」を繰り返しながら、髪の毛の長さと量・太さを維持しています。
このサイクルを乱し、薄毛の要因となっている主な理由は「血流・酸素・ホルモン」です。
血流不足
血流不足は髪の毛が薄くなる要因の1つ。髪の毛がしっかりと「太く・長く」成長するには髪に必要な栄養素をしっかりと毛乳頭に届けることが必要です。
しかし何かしらの要因によって血流が不足し、毛母細胞に必要な栄養素が届けられなければ髪の毛は成長できずに「細く・短く」なるのです。
また血流不足になれば、細胞分裂そのものに必要な酸素の供給も滞りがちになります。
その状態がさらに進行すれば、毛乳頭に血流を届ける毛細血管も収縮し、毛根から完全に離れてしまいます。
そうなると、しばらくの間は毛乳頭に蓄えられた栄養素で髪の毛は成長を続けられますが、3か月もすれば栄養が枯渇し脱毛する退行期に入るのです。
血流不足になると髪の毛は細く短いものが増え、さらに抜け毛も多くなります。
結果として、髪の毛のボリュームも薄く寂しくなり、脱毛が増えスカスカの薄毛の状態に。
「ストレス・高脂血症」は血流障害の要因に
ストレスや高脂血症は髪に栄養を届けるための血流障害の要因です。
人は強いストレスを受けると交感神経が優位になり血管が収縮します。
特に毛乳頭に栄養を運搬する毛細血管は非常に細いので、ストレスにより血管が収縮してしまうと毛根から離れてしまい栄養の運搬ができません。
また、高脂血症になると血管の壁に脂肪分が付着し、血管が細くなるので栄養の供給が不足しがちになります。
皮膚呼吸ができないことで酸素不足に
頭皮環境が整っていることも健やかな髪の成長には重要です。
頭皮の環境が整っていれば、毛母細胞に栄養を補給している血管からだけではなく頭皮からの皮膚呼吸による酸素が供給され、効率的に毛母細胞にも酸素が行き渡ります。
細胞分裂には、酸素の供給は必要不可欠です。
血流に乗せるだけではなく効率的に酸素供給をするのには頭皮の環境が整っていることが重要です。
「頭皮の汚れ・荒れ」は皮膚呼吸の妨げに
頭皮の汚れは頭を洗う回数が不足していたり、すすぎ残しで起こります。
皮脂汚れやシャンプーの残りかすで皮膚呼吸が妨げられます。
また、皮脂汚れを気にするあまり、刺激が強いシャンプーを使っていたり、過剰なマッサージで頭皮が荒れれば、皮膚は固くなり皮膚呼吸がしにくい状態に。
シャンプーのし過ぎで頭皮が荒れ、乾燥に傾きフケが蓄積すればそれもまた皮膚呼吸を妨げる要因になります。
また、頭皮の環境が乱れ、毛穴が詰まっていると髪の成長の弊害に。
髪の成長を阻害するような汚れやフケはない方が望ましいのです。
ホルモンバランスの乱れ
髪の成長はさまざまなホルモンの刺激に影響を受けます。
ホルモンバランスが整っていると髪は健やかに生育します。
・成長ホルモン
髪の毛の成長を促すには欠かせないホルモン。 髪の毛を太く長くし、頭皮の環境改善にも貢献します。
髪の毛の成長を促すには欠かせないホルモン。 髪の毛を太く長くし、頭皮の環境改善にも貢献します。
・甲状腺ホルモン
年齢や性別により分泌量はあまり変化しません。 代謝に影響するホルモンなので働きが弱まると薄毛につながります。
年齢や性別により分泌量はあまり変化しません。 代謝に影響するホルモンなので働きが弱まると薄毛につながります。
・女性ホルモン
髪の生育に影響を与える女性ホルモン。
エストロゲンは髪にハリやツヤを与えてくれます。 プロゲステロンは髪の成長期を長くします。
髪の生育に影響を与える女性ホルモン。
エストロゲンは髪にハリやツヤを与えてくれます。 プロゲステロンは髪の成長期を長くします。
・メラトニン
髪の成長を邪魔する活性酸素を取り除き、細胞修復し元気にします。
睡眠中に分泌されるホルモンで良質な睡眠が得られることで分泌され、成長ホルモンの分泌促進もしてくれます。
髪の成長を邪魔する活性酸素を取り除き、細胞修復し元気にします。
睡眠中に分泌されるホルモンで良質な睡眠が得られることで分泌され、成長ホルモンの分泌促進もしてくれます。
過度なダイエットや生活習慣の乱れはホルモン分泌に悪影響
過度のダイエットや睡眠不足、飲酒・喫煙、ストレスなどは体の恒常性を乱し、ホルモンの分泌に悪影響を及ぼします。
各種ホルモンはアミノ酸が原料。アミノ酸=タンパク質(髪の主成分)です。
過度なダイエットで栄養バランスが崩れるとホルモンがしっかりと分泌されなくなります。
また、生活習慣が乱れがちになると睡眠中にホルモンが分泌されにくくなります。
生活習慣が乱れれば睡眠の質も落ちるので、結果としてホルモンバランスの乱れにつながってしまうのです。
自宅でできる薄毛対策
さまざまな要因により髪の毛が「短く・細く」なります。
薄毛を改善するには、要因となっているものを取り除くことが大切です。
そうなれば、髪の毛は「太く・長く」成長していくはずです。
自宅でできる対策を見てみましょう。
生活習慣を整える
先に述べたように、生活習慣の乱れは髪の毛にさまざまな悪影響を及ぼします。
①睡眠時間を確保する
睡眠時間をしっかりと確保すれば、成長ホルモンやメラトニンが分泌され髪の毛の生育を促します。 睡眠時間をしっかりと確保するだけではなく「朝起きて夜に眠る」ことが大切です。
睡眠時間をしっかりと確保すれば、成長ホルモンやメラトニンが分泌され髪の毛の生育を促します。 睡眠時間をしっかりと確保するだけではなく「朝起きて夜に眠る」ことが大切です。
昼間に寝て夜起きる生活では、メラトニンの分泌に影響を及ぼします。
人間が本来持ってる生活リズムを大切にしましょう。
②食習慣を整える
髪の生育に重要な栄養素は「タンパク質・ビタミンC・ビタミンB群・亜鉛・鉄分」です。 反対に髪に悪影響を及ぼすのは糖質や脂質の過剰摂取です。
髪の生育に重要な栄養素は「タンパク質・ビタミンC・ビタミンB群・亜鉛・鉄分」です。 反対に髪に悪影響を及ぼすのは糖質や脂質の過剰摂取です。
糖質過多の状態は毛母細胞に影響を及ぼし髪の成長を阻害します。
また、脂肪も過剰摂取するとコレステロールにより血流阻害の要因に。
ストレス解消
ストレスがかかると人間は交感神経が優位になります。
交感神経が優位になれば血管が収縮し血流が妨げられるだけではなく、ホルモンバランスが乱れ髪の生育に必要なホルモンの分泌バランスが乱れがちに。
ストレスがかかると眠りが浅くなったり食習慣が乱れたりしてさらなる髪への悪影響を及ぼします。
適度に休息を取り、気分転換をする方法を見出してストレスをためないような生活を意識したいところです。
適度に休息を取り、気分転換をする方法を見出してストレスをためないような生活を意識したいところです。
頭皮環境を改善する
使っているシャンプーが合っていない、スタイリング剤がきちんと落とせていないなどがあれば、頭皮の環境は髪の生育に悪影響を及ぼします。
しっかりとブラッシングした後に髪と頭皮を十分に濡らしてから 、指の腹でマッサージするように頭皮と頭髪を洗います。
シャンプーはノンシリコンのものをおすすめします。
毛穴を詰める要素が少なくなり、髪が健やかに育つ環境を整えやすくしてくれます。
また、洗髪後はしっかりと髪を乾かすのも忘れずに。
自然乾燥は細菌の繁殖を助長し、頭皮の環境に悪影響を及ぼします。
改善が難しければクリニック治療を
薄毛の治療を保険診療でしたい場合、まずは皮膚科を受診することになるでしょう。
薄毛を保険診療で診察できるのは「円形脱毛症」と「びまん性脱毛症」の場合のみです。
女性の薄毛の場合、気になったら1日でも早く治療開始を検討しましょう。
その理由は少しでも「毛包」が残存している状態で治療を開始する方が髪の毛の成長を期待できるから。
毛包は髪の毛の根元にある毛乳頭を包み込んでいます。毛乳頭の中に毛母細胞が存在し、毛母細胞が髪の毛を成長させているのです。
髪の毛が作られなくなると毛母細胞は衰退し、 髪が生えてこなくなります。
そうなると毛包も小さくなり、やがて頭皮から剥がれ落ち毛穴がなくなります。
毛穴がなくなれば、もう二度と髪の毛は生えてきません。
薄毛を実感したらできるだけ早く対処しましょう。
皮膚科を受診してみるのもよいのですが、よりアグレッシブに治療をすすめたい場合には美容皮膚科や毛髪外来などに相談を検討してみるのもひとつの対策です。
病院を選ぶ際には、女性と男性では薄毛に対するアプローチ方法が異なるので、女性専門の薄毛治療を提供しているかどうか予め確認しておくとよいでしょう。
外用薬・育毛剤
育毛剤や外用薬であれば、病院受診の前に試す人も多いかもしれません。
外用薬として使うものの多くは、頭皮の血流を改善する薬や頭皮環境を整えるタイプのものです。
医薬品として販売されている育毛剤はミノキシジルという成分が主成分になっています。
薄毛治療について検索したことのある方なら一度は目にしたことのある成分ではないでしょうか。
ミノキシジルは高血圧の治療薬として使われていましたが、血行促進することで毛母細胞に働きかけ薄毛の改善が期待できる成分として注目を浴びています。
ミノキシジルの配合濃度により効果は変わりますが、そのぶん刺激も強いため副作用が出やすくなります。
初めて使用を考えている人は医師と相談し、適切な濃度のものから使い始めるようにしましょう。
内服薬
女性の薄毛症状にあわせた発毛を促す飲み薬「パントガール」。
主な成分はビタミンBやアミノ酸といった、毛根や髪の成長に欠かせない栄養素を凝縮した薬です。
世界で初めて女性の薄毛に対して有効性があると認められました。
女性向けの数少ない薄毛治療用内服薬です。
パントガールの製薬会社
(ドイツMERZ社)
によると、内服した人の70%に効果があるという調査結果が出ています。
パントガールの効果が実感できるのは飲み始めて3ヶ月~6ヶ月ほど経った頃から。
飲み始めてすぐに効果が出るわけではないので、地道に飲み続けることが大切です。
薄毛を実感したらすぐに対策しよう
薄毛を実感したら「そのうち戻るだろう」と楽観視せずに、すぐに対策を取ることが大切です。
早ければ早いほど髪の毛が増えてくる可能性が高まります。
生活習慣を意識しながら髪に良い食事や対策を取れば、症状が悪化しきる前に改善につなげられるはず。
生活習慣を意識しながら髪に良い食事や対策を取れば、症状が悪化しきる前に改善につなげられるはず。
体に良い生活習慣は髪にとっても良いはずです。
普段から健康を意識し、髪の生育環境を整えるようにしていきたいですね。
監修者:繁和泉
看護師、予防医学士として17年。その中で毛髪再生外来の診療に携わる。薄毛にともなう患者さんのお悩みに寄り添いながら、医学的なアプローチも含め「長い目で見た」毛髪のための日常生活やケアについての指導を個別性に合わせて提供。
同時に、情報化社会の中でWEBコンテンツで「正しい情報をわかりやすく」発信することに精を出す。