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毛髪診断士とは
普段使用しているヘアケア用品や化粧品などの成分を疑問に思ったことはありませんか?
本当に、育毛の効果があるのか?
この成分は、髪に良いと書いてあるが実際に使ってみると思っていたほどの効果が得られなかったなど、さまざまな経験があると思います。
そんな毛髪の疑問を解決できるようになる資格が「毛髪診断士」です。
公益社団法人日本毛髪科学協会が認定している資格であり、毛髪診断士の資格を取ると毛髪について専門的な知識を持ち、適切なアドバイスを一般の方にできるようになります。
公益社団法人日本毛髪科学協会
公益社団法人日本毛髪科学協会は、内閣府に認定を受けた協会です。
毛髪と皮膚の正しい知識をより多くの人々に理解してもらうために設立されました。
毛髪と皮膚の正しい知識をより多くの人々に理解してもらうために設立されました。
現在は、毛髪と皮膚の正しい知識を普及する活動として「一般市民への普及活動」、「教育研修」「毛髪と皮膚に関する調査研究」を行っています。
一般の方でもすぐに受けられる「毛髪相談と毛髪検査」は協会内の相談センターにて専門の職員の方が行ってくれます。
手軽にできる「毛髪診断」は平日の9時~17時のみになりますが、電話での相談も可能です。
(新型コロナウイルス感染拡大により記載と異なる場合がございます。事前にご確認ください)。
治療や診察ではなくあくまで相談ですが、しっかりと知識を持った職員の方からのアドバイスがもらえます。
加えて、公の機関やイベント開催時の催しには無料での毛髪相談の参加も行っているので、ぜひチェックしてみてください。
また、協会内の教育研修事業として毛髪診断士の講習会や資格の認定講習会を行い知識の向上をしています。
講習会の講師は、皮膚科専門医や専門の技術者が務めるため毛髪、頭皮、香粧品の新しい知識の取得が可能になります。
協会内では、「毛髪診断士」、「認定講師」、「認定指導講師」と3つの資格の認定も行っています。
公益社団法人日本毛髪科学協会の会員になるには
セミナーや講習会に参加するには、公益社団法人日本毛髪科学協会の会員になる必要があります。
現在の会員は、個人を対象とした『正会員』と団体を対象とした『賛助会員』から成り立っています。
『正会員』は、ほとんどが『理容師』、『美容師』、『薬剤師』また、『毛髪・美容関係』に関わる方が約2,300名。
『賛助会員』は、『製薬会社』や『化粧品会社』などが約70社ほどです。
『賛助会員』は、『製薬会社』や『化粧品会社』などが約70社ほどです。
入会方法
個人会員には条件があり、原則『理容師』、『美容師』や『薬剤師』の方ですがこれらに携わっている資格を持たない方も入会可能となっています。
入会する際は、協会ホームページ内の
入会資料請求フォーム
から連絡してみてください。
入会するメリット
受講料は必要となりますが、公益社団法人日本毛髪科学協会が開催する研修会やセミナーなどに参加することができます。
また、自身の毛髪や皮膚や化粧品によるトラブルや疑問点を協会内の研究相談センターにて相談することも可能です。
さらに、年間4回発行される協会機関誌「皮膚と美容」が無料で配布されます。
他にも、毛髪検査の依頼ができたり、美容院からの信頼度が上がるなどメリットはたくさんあります。
他にも、毛髪検査の依頼ができたり、美容院からの信頼度が上がるなどメリットはたくさんあります。
入会費
入会金 4,600円
年会費 15,000円
参考書 3,000円(新ヘア・サイエンス)会員価格
年会費 15,000円
参考書 3,000円(新ヘア・サイエンス)会員価格
合計 22,900円
年会費は、4月から翌年3月までの1年間となります。
9月以降に入会した場合の年会費は半分の7,500円です。
また、1月から3月に入会した場合は翌年分の年会費となります。
入会費や年会費など必要にはなりますが、毛髪診断士になるための試験を受ける際の費用や参考書が会員価格になったりとメリットのほうが多いです。
毛髪診断士になると何ができるのか
毛髪診断士になると、毛髪に関する知識が豊富になるだけでなく、顕微鏡などの専門器具を使って毛髪の状態を的確に観察する技術を習得できます。
毛髪の悩みなどの相談にのり、適切なアドバイスや髪の正しいお手入れ方法を一般の方に伝えられます。
認定されると、毛髪診断士のステッカーが配られ、お店に貼ることができるのでお客様からの信頼も得ることができます。
毛髪診断士の資格の取り方
ここからは、実際に毛髪診断士の資格の取り方をご紹介します。
講習を受けてから認定試験
毛髪診断士になるにはまず2日間に渡り行われる講習会に参加し、講習終了後に行われる認定試験(1時間)に合格する必要があります。
講習の内容は筆記と実技があります。
講習のカリキュラム
下記が、カリキュラムとなっています。
人体の仕組みから香粧品のことまで幅広く網羅しているのがお分かりいただけるかと思います。
人体の仕組みから香粧品のことまで幅広く網羅しているのがお分かりいただけるかと思います。
1,毛総論
1、皮膚のしくみ
2、ヒトの毛の数、種類、分布と年齢変化
3、毛器官の構造
4、毛の色
5、毛の発生 毛の役割
6、毛周期
7、男性ホルモン
8、遺伝子異常による毛の異常
9、毛の役割
1、皮膚のしくみ
2、ヒトの毛の数、種類、分布と年齢変化
3、毛器官の構造
4、毛の色
5、毛の発生 毛の役割
6、毛周期
7、男性ホルモン
8、遺伝子異常による毛の異常
9、毛の役割
2,毛の損傷とヘア・ケア
1、物理的原因による毛の損傷
2、化学的原因による毛の損傷と皮膚の障害
3、ヘア・ケア
4、毛幹の性質
1、物理的原因による毛の損傷
2、化学的原因による毛の損傷と皮膚の障害
3、ヘア・ケア
4、毛幹の性質
3,毛髪の疾患
1、異常毛-毛幹の異常-
① 毛幹の形態:直毛、くせ毛-波状毛、縮毛
② 形状の異常
③ 白点として見える付着物
④ 白髪
2、脱毛症-脱毛ならびに頭皮の疾患-
①よりよい理解のための基礎知識
②脱毛症の分類
③脱毛症各論
1、異常毛-毛幹の異常-
① 毛幹の形態:直毛、くせ毛-波状毛、縮毛
② 形状の異常
③ 白点として見える付着物
④ 白髪
2、脱毛症-脱毛ならびに頭皮の疾患-
①よりよい理解のための基礎知識
②脱毛症の分類
③脱毛症各論
4,毛髪診断(実技)
1、抜け毛の相談と観察
2、損傷毛の診断
3、毛髪診断の実際
4、頭皮の観察
1、抜け毛の相談と観察
2、損傷毛の診断
3、毛髪診断の実際
4、頭皮の観察
5,香粧品
1、化粧品と医薬部外品
2、香粧品の配合成分
3、皮膚の洗浄剤
4、頭髪用化粧品
5、頭髪用医薬部外品
1、化粧品と医薬部外品
2、香粧品の配合成分
3、皮膚の洗浄剤
4、頭髪用化粧品
5、頭髪用医薬部外品
4,毛髪診断(実技)では、実際にマイクロスコープを使用して頭皮の状態や毛の状態を診断します。
試験内容
認定試験は、主に講習で習った内容から出題されます。
講習の他に試験への参加を申し込んだ際に送られてくるテキストの中から出題されることもあります。
「○×問題」、「選択問題」、「穴埋め問題」の50問です。
毛髪診断士には認定期間が設けられている
毛髪診断士には2年間の認定期間が設けられています。
認定されてから2年が経過すると再び試験を受ける必要があります。
また認定後の試験は「認定更新試験」となるため、講習などは受けずに試験となります。
また認定後の試験は「認定更新試験」となるため、講習などは受けずに試験となります。
基礎的な内容は大きく変わらないものの、毛髪や頭皮の状態やヘアケアなど情報を更新していかないとならない分野になります。
試験に合格して終わりではなく、試験に合格したところから勉強の始まりとも言われています。
試験にかかる費用
受講料
会員 16,500円(税込)
非会員37,400円(税込)
会員 16,500円(税込)
非会員37,400円(税込)
認定料
会員 15,400円(税込)
非会員36,300円(税込)
会員 15,400円(税込)
非会員36,300円(税込)
更新料
会員 2,200円(税込)
非会員46,200円(税込)
会員 2,200円(税込)
非会員46,200円(税込)
合計
会員 34,100円(税込)
非会員119,900円(税込)
会員 34,100円(税込)
非会員119,900円(税込)
認定料は試験に合格してからの支払いです。
更新料は2年に1回必要となります。
更新料は2年に1回必要となります。
上記を見ても分かるように会員費はかかりますが、試験受講にかかる費用が1度目の更新料を含めると85,800円と大きく変わるので会員になったほうがお得です。
まとめ
毛髪診断士は、毛髪をはじめとする髪の毛に関するヘアケアや皮膚の状態などさまざまな専門知識が得られる資格です。
資格取得後も、セミナーや研究会などに参加し、さらに専門知識を広げたり「認定更新試験」のために勉強を続ける必要があります。
ここで得た専門知識は美容師や理容師だけでなく薬剤師や美容関係者でも生かすことができるでしょう。
毛髪診断士は、あくまで専門的な知識を持ち生かす資格であって診察や治療ができるわけではありませんので注意してくださいね。