髪と癖で心理分析?緊張している時につい髪の毛をさわってしまうのはなぜ?

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A.髪の毛をさわることで無意識のうちに緊張をやわらげようとするためです。この行為は自己親密行動といわれています。
緊張している時や不安を感じている時、無意識のうちに髪の毛をさわっていたという経験はないでしょうか。
これは行動心理学でいう自己親密行動の一つで、深層心理を表すといわれています。

自己親密行動とは

自己親密行動というのは、自分の身体の特定の部位をさわることで自分自身をなだめたり落ち着かせたりしようとする行為のことです。
つまり緊張や不安のなか無意識に髪の毛をさわってしまうことは自然な行為であって、何も心配することはありません。
またその結果として、緊張や不安がやわらいでいくということも、科学的に証明されているのです。
その部位は何も髪の毛にかぎった話ではないのですが、髪の毛ないし頭は、私たちが小さい頃に母親によって大事になでられてきた部位です。
そして私たちは母親のその行為によって、安心感を覚え、愛されていることを実感します。
緊張している時や不安を感じている時に無意識に髪の毛をさわってしまうのは、かつての母親の行為を自分自身で代替しておこない、自分自身を安心させるためだと考えられているのです。
ひるがえって、リラックスしている時にも自己親密行動として髪の毛をさわることがあります。
好きな異性の前で、甘えたいのになかなか甘えられないような場面でこのしぐさはよく見られます。
緊張や不安とは対極にありそうな状況で同じ行動が見られるのは不思議かもしれませんが、根本は同じです。
母親に髪の毛をなでられることで愛されていることを実感したなごりが、別のシチュエーションで表出したに過ぎません。
つまり、好きな異性に愛されたい欲求、頭や髪をなでてほしいという欲求を、自分自身の髪の毛をさわるという代替行為によってなだめようとしているのです。

髪の毛をさわる行動の意味するところ

髪の毛をさわるという行動は、実はほかにもたくさんのシチュエーションで見ることができます。
たとえば、髪の毛を頻繁にかきあげるしぐさ。
これは緊張や不安、リラックス時に見られる自己親密行動ともまた別の側面があります。
髪の毛をかきあげるというしぐさは、目立ちたがり屋や自意識過剰な人に多いと考えられています。
たしかに髪の毛を頻繁に、しかも大きくかきわければ目立ちますよね。
これが深層心理を表していて、「目立ちたい」「もっと注目されたい」という感情の表れだというのです。
このようなしぐさや深層心理を他人から指摘されるのも恥ずかしいので、できれば改善したいところですよね。
とはいえ、なかなか難しいのが現実でしょう。しかし意識して改善しないと、クセとして染みついてしまいます。
その事例を最後にご紹介します。
私が中学3年生の頃、当時の担任が受験にまつわる失敗談や注意点をエピソードとして話してくれました。
その時の印象に残っている、ある受験生のエピソードです。

ある受験生の髪エピソード

ある受験生は、学生生活中は典型的な不良だったそうです。
ところが先生の熱心な指導もあって、途中から高校受験をがんばろうと改心します。
慣れない勉強に明け暮れるうちに、みるみるうちに成績が向上したといいます。いわゆる優秀な高校にも進学できる勢いだったそうです。
そして試験当日。筆記試験は悪くなかったそうですが、面接で思いもしない結末を迎えます。
かつての長髪をバッサリと切り、面接当日も終始笑顔に努めた彼は、ある理由から不合格とされてしまうのです。
それは無意識に出てしまう彼のクセにありました。
かつての彼は、顏にかかる長髪を息でフーフーとかきわけるクセがあったのです。
そのクセが、短髪となり、かかる髪もまったくない面接時において、無意識のうちに出てしまったようなのです。
現代ならそんなことで不合格とした高校側は大問題でしょう。
昔の、他人のエピソードとはいえ、あらためて思い出しても納得しがたいです。
しかし今回私が言いたかったのは、髪の毛をさわったりかきわけたりするなどのクセというのは、意識して改善しないとなかなか直らないということです。
まずは自分のしぐさやクセに気づけるように、自分自身をじっくりと観察してみるようにしましょう。