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近年、人々は「癒し」にお金を出す傾向が強くなっています。その証拠に目的別や部位別に特化した専門的な癒しサービスが広がりをみせています。
たとえば代表的なものでは、足つぼマッサージやリンパマッサージがそれにあたるでしょう。
人々のニーズが多様化するのに合わせて美容業界・リラクゼーション業界のサービスも多様化していて、ニッチな専門サービスが日々生まれては消えていっています。
そのような競争の激しい美容・リラクゼーション業界において、近年ずっと勢いに乗っているのがヘッドスパです。
数年前にヘッドスパがメディアに取り上げられ始めたときには、施術のあまりの気持ちよさから「ゴッドハンド」という異名でカリスマ的な扱いをされるヘッドスパセラピストも登場したほどです。
今なお彼女の施術を受けるには数か月待ちは当たり前という業界です。
今なお彼女の施術を受けるには数か月待ちは当たり前という業界です。
さて今回は、ヘッドスパの人気の秘密にふれながら、ヘッドスパで働く人達が抱えている苦労や本音にフォーカスしていきます。
ヘッドスパセラピストの仕事
ヘッドスパセラピストはヘッドスパの専門家、つまり頭のケアにおけるプロフェッショナルのことです。ヘッドスパニストという呼称が使われることもありますが、両者に大きな違いはありません。
具体的な仕事内容としては、シャンプーやマッサージによって頭部はもちろんのこと首回りや肩のあたりまでをも凝りほぐします。
オイルやクリームを使って入念に施術することもあるため、お客様に絶大なリラクゼーション効果をもたらすことができます。
オイルやクリームを使って入念に施術することもあるため、お客様に絶大なリラクゼーション効果をもたらすことができます。
施術のほかには、お客様へのカウンセリングも重要です。
お客様が頭皮や髪質あるいは肩こりなどについてどのような悩みをもっているのか生活習慣などの情報とあわせてじっくりと傾聴することが求められます。
お客様が頭皮や髪質あるいは肩こりなどについてどのような悩みをもっているのか生活習慣などの情報とあわせてじっくりと傾聴することが求められます。
そのほか属する店舗によって大きく異なるかと思いますが、ほかのサービス業と同様、売上金の管理や店内清掃など店舗運営に関するさまざまな業務をすることになります。
国家資格がない
ヘッドスパセラピストは美容師や理容師と異なり、国家試験に合格しなければならないというハードルがありません。
また専門学科を修了しなくても、事実上はヘッドスパセラピストになることが可能です。つまり極端にいえば、明日から誰でもなることができる職種なのです。
これはいっけんメリットのようにもみえますが、国家資格ではないことが苦労の種になることは多いようです。
採用されるのが難しい
まずは美容室などの求人に応募してみたところで、これまでヘッドスパセラピストとしての実務経験がまったくなく、かつ資格らしい資格を持っていなければ、採用されるのはなかなか難しいといえます。
とはいえ国家資格ではないにせよ、採用に有利な民間資格なども存在します。
たとえば「一般社団法人 日本ヘッドセラピスト認定協会」が発行する資格では、短期間かつ低予算でヘッドスパセラピストとしての基礎を習得することができます。
無資格よりは採用に近づくでしょう。
無資格よりは採用に近づくでしょう。
しかしながら美容室やサロンの中には美容師免許が必須要件としてヘッドスパセラピストを募集している店舗も多いので、やはり国家資格である美容師免許の信用度には及ばないのが現状といえます。
開業後にも響く場合が……
のちにヘッドスパセラピストとしてのスキルと専門知識を深め、個人でヘッドスパのお店を開業するとします。
むろん実績があるので順調に営業できるかとは思いますが、顧客の中には「国家資格もないくせに……」と否定的な意見を言ってくる人がいるかもしれません。
このような身もふたもない批判にまじめになりすぎて心的ストレスを抱えてしまう経営者もいるようなので、開業までの段階にいたったことに自信を持って、ヘッドスパセラピストのプロとして堂々と営業してくださいね。
大変だけれどやりがい充分
お客様の頭のケアやリラクゼーションを探求することに終わりはありません。たとえば最近では超音波をつかったヘッドスパや炭酸ガスをつかったヘッドスパなど、ヘッドスパの方法も多様な進化をしてきています。
そのため業界のトレンドや、新技術の知識など、押さえるべきスキルや情報は多岐に渡ることでしょう。ヘッドスパセラピストはとても大変な仕事なのです。
とはいえ、そのぶんお客様から「ありがとう」と言ってもらえたときの喜びは何物にも代えがたいでしょうね。