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白髪の原因は1つとは限りません。人によっては、いくつかの原因が関係している場合もあります。なぜ白髪になるか原因を理解しておくと、自分にはどんなケアが必要か見えてくるでしょう。
そこで今回は、主な白髪の原因を踏まえた上で、白髪予防におすすめの食べ物やケア方法をご紹介します。
そこで今回は、主な白髪の原因を踏まえた上で、白髪予防におすすめの食べ物やケア方法をご紹介します。
白髪が増える原因は?
通常、白髪は加齢とともに老化現象として現れます。白髪が増え始める年齢は人それぞれですが、30代中頃からが一般的です。しかし、加齢だけが白髪の原因ではありません。
年齢以外の主要原因
年齢以外に白髪の増える主な原因は、血行不良による栄養不足です。もともと髪は白色なのですが、メラニン色素をつくる色素細胞「メラノサイト」の働きによって普段は黒く染まっています。 年齢を重ねると徐々にメラノサイトの数は減少して白髪が増えるため、白髪は基本的に老化現象といえるのです。しかし、加齢以外にもストレスや睡眠不足によって頭皮の血行が悪くなると、メラノサイトに栄養が行きわたらず機能が低下します。メラノサイトの機能が低下しメラニン色素の生成量が減れば、それだけ多くの髪が着色されず白いまま伸びてくるのです。偏った食事も栄養不足を招く
メラノサイトの栄養不足は、血行不良だけでなく偏った食生活でも引き起こされます。メラニン色素の生成過程ではさまざまな栄養が必要ですが、栄養の多くは体内で生み出されず食べ物から吸収するためです。食事の栄養バランスが悪いと、メラノサイトに必要な栄養分を補給できなくなる可能性が高まります。たとえ血液の流れが良好でも、栄養が足りず十分にメラニン色素が生成されなければ白髪は増えてしまうのです。
白髪と無関係ではない遺伝的要因
遺伝と白髪の関係についてはまだ解明途中の段階ですが、今のところ白髪になりやすいかどうかは遺伝的要素も深く関わっているとされています。ある研究によれば、生まれつき色素を形成する能力が備わっていないケースも報告されています。このような場合は、遺伝的な影響が大きいと考えられているのです。
睡眠不足はホルモンバランスも乱す
睡眠不足は血液の流れを悪くするだけではなく、ホルモンバランスを乱す原因にもなるため、白髪の増加を招きます。本来、メラノサイトの数は栄養不足などによって減少しても、細胞分裂によって補われます。このとき細胞分裂をサポートする要素が、成長ホルモンです。しかし、睡眠時間が足りないと、成長ホルモンは十分に分泌されず、細胞分裂がうまく行われないためメラノサイトの数も正常値を保てないのです。
白髪予防(1)食べ物
白髪の予防には、食べ物が大きな効果を発揮します。食べ物からは、髪そのものやメラニン色素の生成に欠かせない各種の栄養を体内に取り込めるためです。積極的に摂取したい栄養素としては、ミネラル・チロシン・銅・タンパク質などが挙げられます。ミネラル(ヨードなど)の役割とおすすめの食べ物
ミネラル成分、とりわけヨード(ヨウ素)はメラニン色素を生成するメラノサイトの活性化に効果的。同時に、細胞の成長や新陳代謝も促すため髪の健康維持には欠かせません。ミネラルを多く含む代表的な食べ物は、海藻類と魚介類です。海藻類ではコンプ・ワカメ・ヒジキ・ノリ、魚介類ならイワシ・サバ・カツオ・ブリなどが普段の生活でも摂取しやすいでしょう。
チロシンの役割とおすすめの食べ物
チロシンはメラニン色素の原材料になる栄養素であり、髪を黒くするためには欠かせません。さらに抗ストレス作用もあるといわれ、大きなストレスを受けたときの白髪予防にも役立つことが期待できます。一般的に、チロシンは乳製品や果物に多く含まれています。乳製品のおすすめはチーズ類や牛乳・ヨーグルト、果物であればバナナ・アボガド・リンゴです。これらに加えて魚介類のカツオやマグロ、また豆類のアーモンドや落花生からも摂取できます。
銅の役割とおすすめの食べ物
ヨードと同じくミネラルの一種である銅は、チロシナーゼという酵素の働きを活性化させます。チロシンはチロセナーゼの手助けがあって初めてメラニン色素に変化するため、銅もメラニン色素の生成にとっては不可欠です。銅は豆類(カシューナッツや納豆)をはじめ、野菜類(ゴボウやニンニク)、穀類(ソバやサツマイモ)、魚介類(エビやカニ)、果物(アンズやプルーン)に含まれます。
タンパク質の役割とおすすめの食べ物
タンパク質は髪の7~8割を占める成分であり、意識的に摂取することをおすすめします。髪がしっかり生えてくれば、白髪予防にもつながるでしょう。良質なタンパク質は、豆類とりわけ大豆が使われた食材から摂取できます。豆腐・納豆・油揚げ・豆乳は購入しやすく、おすすめの食品です。タンパク質はメラノサイトやメラニン色素に直接は働きかけませんが、その土台となる健康的な発毛に貢献します。
白髪予防(2)頭皮ケア
白髪を予防する頭皮ケアとしては、頭皮マッサージやシャンプーなどが挙げられます。以下で注意点や効果などについて詳しく見ていきましょう。
頭皮マッサージの効果と注意点
頭皮マッサージは、血行促進の効果が大きく期待できます。血液の流れが促進されれば、メラノサイトには多くの栄養分が届けられ、働きが活性化します。栄養状態が良ければメラニン色素はたくさん生成され、それだけ髪が黒く染まる可能性が高まるわけです。さらにマッサージをすることで毛穴が開き、毛穴に詰まった皮脂や汚れを除去しやすくなるという効果もあります。リラックス効果をもたらす意味でも、頭皮マッサージは白髪の予防策として見逃せないでしょう。
頭皮マッサージは、ヘッドスパに通えばプロの施術を受けられますし、正しい方法を覚えてしまえば、自宅でも続けられます。
ただしマッサージの際は、できるだけ頭皮にダメージを与えないことを意識してください。爪を立てると肌を傷つけるため、基本的にマッサージするときは指の腹や手のひらを使いましょう。力を入れ過ぎる、あるいは長い時間をかけると頭皮への負担は大きくなるため、1回に約5分を1日のうちに2~3回ほど繰り返すペースが妥当です。
シャンプーも頭皮ケアに効果的
最近は、白髪の予防につながるシャンプーが多く販売されています。頭皮の血流を良くするシャンプーでおすすめなのは、炭酸成分を配合した商品です。洗髪中に炭酸が頭皮を刺激するため、血行促進とともに爽快感も味わえるといわれています。また、白髪染め用であれば、ヘナ入りシャンプーが注目されています。ヘナは植物由来の天然成分で、頭皮や髪に大きな負担を与えないことが特徴です。
シャンプー選びの際は、地肌への影響を考えて添加物の少ない商品を見極めましょう。特に洗浄力の強い界面活性剤は地肌から潤いを奪うリスクが高く、直接的な白髪の原因にならないにしても頭皮にとって好ましくありません。
白髪予防(3)生活習慣
白髪予防には、健康な体をつくる生活習慣も重要になります。生活習慣を見直すと、血行改善やストレス解消、あるいは成長ホルモンの確保につながるため、以下のことを意識しましょう。適度な運動で血行改善
運動不足は血行不良を招く代表的な原因。つまり、運動量が増えると血行改善につながるわけです。アスリートのような本格的に運動をする必要はなく、日々の生活が忙しくても適度に行えば問題ありません。少しの時間でも効果を見込める方法としては、下半身の運動がおすすめです。具体的なメニューとしては、階段昇降・散歩・自転車などが挙げられます。運動を行う際はちょっとしたポイントに気をつけましょう。例えば、駅や建物の中を移動するときは、エスカレーターやエレベーターではなく階段を使うと下半身をより多く動かせますし、散歩はのんびり歩くより、歩幅を広げて早歩きした方が効果的です。 自転車は、1日に20分くらい乗れば効果があると考えられています。通勤時に最寄り駅まで自転車を使っている場合、少し早起きして遠回りするなどして走行距離を伸ばすと運動の効果が高まるでしょう。
自分に合った方法でストレス解消
運動不足とともに、ストレスも血行不良の大きな原因です。ストレスを解消すれば血行が悪化するリスクも減り、白髪予防に役立ちます。ストレスの解消方法はさまざまなものが知られていますが、大きく「発散タイプ」と「鎮静タイプ」に分けられます。 発散タイプは、カラオケなどで大声を出す、あるいは思いっきり体を動かしてストレスを解消する方法です。それに対して鎮静タイプの場合は、できるだけリラックスして過ごします。具体的には図書館で静かに読書する、またヒーリング音楽を聴くといった方法が挙げられます。とはいえ、特に決まったスタイルがあるわけではないので、いろいろと試しながら自分に合った解消法を見つけてください。
快適な睡眠により成長ホルモンを確保
健康的な髪の毛を育てるためには、睡眠時間の長さとともに眠りの質も意識しましょう。眠りが深いと成長ホルモンの分泌量が増えるため、質の高い睡眠をしっかりとるとメラノサイトの細胞分裂が活発になります。眠りを深くするポイントの1つが、早めの就寝準備です。寝る直前でなく2時間くらい前から部屋を暗くしておくと、脳や体は日中のような興奮状態にならず熟睡しやすいといわれています。また、就寝時間とともに、起床時間も重要な要素。いつも同じ時間に起きて規則正しい睡眠リズムを維持すれば、夜になると体が自然と眠くなるのでより質の高い睡眠につながります。