〈 約 4分10秒 で読めます 〉
頭皮も顔も同じ肌であるはずなのに、頭皮には髪の毛が生え、顔には髪の毛が生えてきません。当たり前のことですが、改めて考えてみると不思議ですよね。
そこで今回は、頭皮と顔の皮膚・毛穴の違いについてご紹介します。
そこで今回は、頭皮と顔の皮膚・毛穴の違いについてご紹介します。
肌の構造について
まずは肌の構造について理解しておきましょう。頭の皮膚と顔の皮膚には、どのような違いと共通点があるのでしょうか。
肌は「表皮・真皮・皮下組織」で成り立っている
私たち人間の肌は、大きく分けて「表皮・真皮」と、その下にある「皮下組織」という3つによって成り立っています。まず、肌のもっとも表面にあたるのは、表皮の「角質層」と呼ばれる部分です。角質細胞という細胞同士がつながり合い、肌を外的刺激から守っています。
その下に「顆粒層(かりゅうそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」と続き、「基底層(きていそう)」までが表皮とされています。
表皮の下にある真皮には、肌の弾力やハリを保つ働きがあります。
真皮にある「線維芽細胞(せんいがさいぼう)」ではコラーゲンやエラスチンが作られています。老化やお肌へのダメージが原因で線維芽細胞が弱ってしまうと、こういった真皮の働きが衰えてしまい、その結果、次第に肌にシワが増えてしまうのです。
頭の皮膚と顔の皮膚で共通している構造は?
顔の皮膚を始めとした肌の構造と同じように、頭の皮膚も表皮・真皮・皮下組織で成り立っています。どちらも毛が生まれ育つ毛根が真皮の中にあり、皮下組織にある毛細血管から栄養を集めています。ここから髪の毛や体毛が生え、表皮の外へと伸びていくのです。このような構造に関しては、頭皮も顔の皮膚もほとんど同じです。
頭皮と顔のお肌の違い
基本的な構造は同じ頭皮と顔の肌には、大きな違いがあります。まず、毛穴の大きさの違いです。頭皮の毛穴は顔のお肌に比べてかなり大きく、そこから生えてくる毛もかなり太いものになります。また、1つの毛穴から生える毛の本数も、頭皮では2~3本が生えてくるのに対して、顔の肌では通常1本です。
これらの理由により、顔と比べて頭皮からは太く長い髪の毛が生えてくるのです。また、頭皮は皮脂を分泌しやすいため、日々適切なケアをしていく必要があります。
頭皮のスキンケア方法
正しいお手入れができていないと、どうしても皮脂によってベタついてしまう頭皮。日頃から頭皮のスキンケアにも気を配ることで、頭皮と健康的な状態を保ちましょう。まずは、ご自身の頭皮の状態をチェックしてみてください。
頭皮にふけやかゆみが出たり、乾燥していたりする場合はオイルや頭ケア用のローションを使って、肌におるおいを保ちましょう。熱すぎるシャワーで洗い流すのも、頭皮に刺激を与えてしまう恐れがあるため、温度は38℃~40℃前後に保つようにしましょう。
逆に、頭皮が脂っこくベタついている場合には、毎日のシャンプー時にしっかりと洗い流すとともに、トリートメントのつけ方を見直してみましょう。トリートメントを頭皮の方までつけると、毛穴をふさいでしまい、髪の毛の成長を妨げる恐れがあります。トリートメントは毛先を中心としてつけるとともに、最後にはしっかりと洗い流すように心がけましょう。
おわりに
今回は、頭皮と顔の肌の違いについてお伝えしました。どちらも表皮・真皮・皮下組織という構造で成り立っていますが、頭皮の毛穴は大きく、数も多いのが特徴です。頭皮にだけ太く長い髪の毛が生えてくるのは、このような理由があります。頭皮は、毛穴が大きいため皮脂が分泌しやすく顔よりも脂っぽく感じてしまうことがあります。このような皮脂の分泌によって頭皮の毛穴がふさがってしまわないよう、シャンプーは丁寧に行ってしっかりと洗い流すとともに、トリートメントを頭皮に塗り込まないように気をつけましょう。